lec48.思い込みから生じる対人関係の誤解 | カウンセリングサービス 仙台オフィシャルブログ

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カウンセリングサービス代表の平準司です。

 

恋愛のご相談にだけでなく、いろんな方からのご相談をお伺いするときに、いつも感じることなのですが、私たちの対人関係では各自の「思い込み」による誤解がとても多いようです。

 

心理学では、「投影の法則」と言うのですが、自分の中で「私はこういう人間である」というふうに決め付けてしまうと、悪気がない相手の一言にとても傷つけられたり、相手が意図していないようなことまで邪推してしまい、対人関係がうまくいかなくなることがよくあるようです。

 

例えば、私はとても太っていますが、あまりそのことを自覚していません。ですから、人から何と言われようが、あまり気にもならないし、傷つきもしません。

 

しかし、もし仮に私が太っていることをすごく自己嫌悪していたとすると「お手紙ありがとうございます。私は筆不精なので・・・」と言われただけでも、「ふデブしょう」という言葉の「デブ」に反応して痛みを感じてしまったりするかもしれません。

 

人から言われて傷つくことのほとんどは実はその人に言われる以前から自分で自分を責めていることなのです。

 

人から言われて傷つくことは、自分が自分をどう責めているのかということを表しています。

私たちは慢性的に自分を責めたり、嫌悪したりしています。

 

だからこそ、自分では愛せない部分をパートナーには受け入れ、愛してもらいたいと期待するのです。

 

そして、期待している度合いだけ、ひどいことを言われたりすると傷ついてしまうのです。

 

男女関係においては、パートナーはあなたが思っている以上にあなたを受け入れ、あなたを愛しています。

 

しかしながら、私たちは自分に自信がもてず、疑っていますので、親密感が強くなり、2人の間で気を使うことがなくなりはじめたころから、コミュニケーション上での誤解からいろんなケンカが起こるようです。

 

先日、うちのある受講生から、「パートナーからこんなひどいことを言われた」という相談を受けました。

 

私から見るとまだまだぜんぜんなのですが、彼女は自分のことをぽっちゃりとしていて幼児体型だと思い込んでいるようなのです。

 

私は彼女の彼のこともよく知っているのですが、彼はそんな彼女のことをとてもかわいらしく思っていて、彼女のことを「ぼくの愛しい子ブタちゃん」と呼んでいるのだそうです。

 

彼女はこの彼の呼び方を愛情表現だとは受け入れられないのですが彼の方はかわいくて仕方がないのでついつい「子ブタちゃん」という彼の感性にフィットする表現を使ってしまうのだそうです。

 

彼女は、彼に何度も注意しているそうですが、彼ははじめから彼女の体型をとても愛おしく思っているので、彼女のコンプレックスがまったく理解できないのです。

 

そのため彼女は「何度も頼んでいるのに、彼はどうして私にこんなに意地悪なのだろう・・・?」と感じてしまうようです。

 

もちろん、彼は彼女に意地悪をしているつもりはまったくないので、彼女のそんな注意も彼にはまったく耳に入らないようなのです。

 

また、ある男性は、「自分は学歴がよいということ以外何の取り得もない」と自分で自分を評価していたので、彼女とデートするときもいつも知的な話題で話をすることが多かったそうです。

 

ところが、彼女の方は「自分はあまり頭がよくない」と感じていたので、彼の話題についていけず、彼と会う度に劣等感ばかり感じていました。

 

彼は自分のことを「学歴以外にはあまり魅力のない男性である」と自己評価をしてしまった結果、何とか自分の劣等感を補おうと知的な会話ばかりしていたのですが、自分の劣等感を隠すことばかりに気をとられてしまった結果、彼女が劣等感を感じていたことに気づきもしなかったのです。

 

「コミュニケーション」にとって一番大事なことは、自分の思い込みではなく、相手が言っていることの意味を本当にちゃんと理解できているかどうかではないでしょうか?

 

ひょっとして私たちの一番の誤解は「私はパートナーのことをちゃんとわかっている」という思い込みかもしれませんね。