家を飛び出してからあてもなく歩き回り公園のベンチに座った

そこで考えたのはとりあえず元旦那と連絡を取りたいという事

諦めたくない!そのキ気持ちだけを胸に家へ戻る

いきなり飛び出したので電話すら持っていなかった

家へ帰り電話をかけると。。。

繋がらない。。。

嫌だけど養母に連絡を取れるように頼むと

「あなたもわからない人ね

あの子は自分で言いずらいから私に頼んで遠くの仕事に行ったの

もう連絡すら取りたくないから電話も解約したのよ」

どうすればいいんだ。。。


私は幼い頃に母を亡くしているため何かあっても男である父には相談しずらかった

そのためかどこか冷めた考え方がある

ふとこんなのは家族じゃない

こんな家族なら家族なんていらないという気持ちが芽生えた

その日は何も食べず浅い眠りについて次の日には新しい人生を探す決意をした


しかし部屋を借りるにも保証人がいるため住み込みという言葉が浮かんだ

その時には好きだった介護の仕事への気持ちもどこかへ消えていた


全てを変えよう

もう誰にも甘えない

自分だけの力でお金を稼いでやっていく

そう決めて水商売の道を選んだ

ワンルームの寮付きですぐに入れるところ

すぐに住む場所も仕事も決まりもう1度家へ戻る

「今すぐ出て行きます

お金はありがたくいただいていきます

短い間でしたがお世話になりました」

離婚届けに判を押し手荷物1つで短い間過ごした家を後にした

自分の父にも伝えずにただ1人で


運がいいのかお店の人はみんな親切でイジメなどなかった

衣装もレンタルがあるしすぐに働けた

ただ経験がない事なのでこういった場所での化粧のしかた、接客方法

最初は困った事だらけだったけどみんなが教えてくれた

この場所の方がよっぽど家族のようだった


そして3ヵ月ほど経ってお店にもだいぶ慣れた頃には寮を出て自分で部屋を借りることに

慰謝料のようにもらったお金もお店で稼いだお金も無駄使いせずに貯めていた

父にもようやく連絡をして保証人を頼んだ

私が話したがらないので父も何も言わずに引き受けた


何も語らない私

離婚からこんな私へ生まれ変わった

高校を卒業して福祉関係の学校へ進み2年間通って

介護福祉士の資格を取り老人ホームに就職した

時間が不規則だったり先輩介護士できつい人もいたり厳しい面もあったけど仕事は好きだった

就職して1年ちょっと経った頃合コンとまで言わないほどの飲み会で知り合った人と付き合い始めた

色んな人が集まった飲み会だったので彼は職人だった

親の会社にいるので行く行くは跡継ぎ

生活スタイルも違うし一緒にいれる時間は少なかったけど当時は幸せだったと思う

そして付き合って1年も経たないころ子供が出来た

私はただ正直に嬉しかった

彼も喜んでくれて結婚することになった

彼の親も私の親も心配はしたものの賛成してくれた

私は早くに母を亡くしていて父は私の就職と共に再婚したため離れて暮らしていた

安い給料だったので小さな部屋しか借りれなかった

色々と話し合った結果、新しい部屋を借りる余裕もないしとりあえず彼の家で同居をすることに

それと同時に母体を大事にしたい思いから仕事をやめることになった

残念だったけど元気な赤ちゃんを産み、落ち着いたらまたいつでも戻ればいい

今は新婚生活を楽しもうという気持ちでワクワクしていた


しかし。。。

幸せな気持ちはすぐに消え去った

原因はわからないけどいきなりの流産

泣いた。。。とにかく泣いた

その日は元旦那も泣いた

そんな私達を元旦那の両親はかける言葉もなく見ているしかなかったと思う

しかし落ち込んでる日々が2~3日経ったころ

元旦那と両親の態度は急変した

「いつまでもゴロゴロしてても何もならないからまた仕事始めれば?

これには言葉を失った

そしてしまいには元養母に

「あなたはもうきっと子供は無理よね?

あの子の子供で私たちの初孫だからと思って渋々受け入れていたけど

もういなくなってしまったから意味がないの

老人介護をしていて面倒見も良さそうだし

私達が不自由な体になったらお世話してもらおうと思ってたけどねぇ

自分のお腹の中の子供を守れないほど無責任な人に

息子や私達のことを任せるなんて怖いわ」

冷たい目で淡々と語られたことは今でもしっかりと覚えている

私は

「どうすればいいんですか?このままここにいてはいけないんですか?

また時間が経って今の悲しみがなくなった時にもう一度赤ちゃんを作ってはいけませんか?」

泣くまいと思っても自然に涙は溢れ出す

あんなに優しくて温かかった私の新しい家族はどこへいったの?

「今日から1ヵ月、社員みんなで出張に行く事になってるから

あの子には会わずにここからおとなしく出て行ってちょうだい

これにしっかりサインをしてね」

出されたものは離婚届け。。。

元旦那の名前もしっかり書かれていてあとは私だけが名前を書く状態

いつの間に。。。

「お願いです!

たとえ別れる話でもいいのであの人ともう1度話をさせて下さい!」

必死に訴えても養母は聞く耳を持たず

「期間も短いからこんなことする必要はないんだけど

あなたも今すぐじゃ住む場所もお金もないから1週間時間をあげる

お金も少しだけど用意してあるからこれで行き先を探しなさい」

100万円を手渡された

こんなの。。。おかしい。。。

私は泣きながら家を飛び出した

アドレスを教えあってしんが店から帰ってすぐにメールが入った


「今日もありがとう

店に行く以外でやっとこうして連絡をとることができるようになりました

でも大切なことは文字ではなく直接伝えようと思います

でも毎日お店に行けるわけではないし

忙しい時は全く行けなくなることもあるからこまめに送ってもいいかな?」

「こちらこそありがとうございました!

これからはメル友としてもよろしくお願いします(笑)」


こんな文章から始まった2人のメール

翌日からも送りあうようになったけどメールの内容はいたって普通

「今日は〇〇へ来ています」

「私はこれからご飯を食べます」

などなど。。。


忙しい日はメールがない日も当然あった

私は気になるものの事情があるのだろう?もしかしたら家族といるかもしれないと思い

自分からしずらい時もあった

そんな日々を送って1週間ほど経ったころ連絡なしに来店!!

「メールしようかなと思ったけど突然来ちゃった

でも実はメールが苦手で面白い内容を送れなくてごめんね」

「とんでもないです

私が気になっていたのはメールをしてもいい時間なんですが

家にいる時はまずいと思うから平気な時間帯を教えて下さい」

「いつでもいいよ

ただ寝ているときは返せないけど(笑)」

今まで結婚生活のことを聞いたこともないし話したがらないけど

こんな会話をしていて夫婦関係はうまくいってない?と勝手に想像した私汗

聞いていいのか悪いのかわからないけど思わず

「奥さんはどんな方なんですか?

子供はいないの?」

「どんな人。。。普通の人だよ

子供は1人いるよ」

あまり多くは語りたくなさそうなカンジ。。。

そして話は私の方へふられて

「聞くのが怖くて聞けなかったけどせなさんは彼氏はいないの?」

こういう仕事で「います」と答える人はなかなかいないだろうガーン

そう思いながら「いませんよ」と答えると

「そうなんだ。。。そんなに素敵なのになんでだろう」

なんて疑うこともなく答えた

「今までこういうお店でいますって答えた女の子っていますか?」

「聞いたことないからわからない

今まで会った人達はいてもいなくてもどうでもいいと思ってたから」

興味がない人には聞かないらしい。。。


実際の私は「いない」と答えるしかなかった

営業がなかったわけではない

でも店でしか会えない状況だからこのまま会えなくなるのが怖くてしょぼん

こういう場で嘘をつくことに初めて胸が痛くなった日だった