第60話((一人前に)) | **我が人生の旅路**

**我が人生の旅路**

                     英 満(はなぶさ みつる)

 九州福岡に戻り、何のつてもないまま仕事(今思えば、らしきものだったような)を始め、
何とか軌道に乗ってきたかな、と思えるようになったのは、3年過ぎてからの事であった。
 そんな中、先輩にあたる方から一本の電話をもらった。
 話の中身は、「そろそろクレジットカードをもたないか!?」、というものであった。
 京都にいた時は、そんなものとは無縁の世界に身をおいていたので、クレジットカードは必要無い、と思っていた。
 しかし、ビジネスをして生きている今を考えた時、いるんだろうな、やっぱり、と思った。
 それで、先輩を通して、クレジットカードの申込をする事にした。
 当時は、ネット利用での申込ではなく、紙媒体を通じてのものだった。
 先輩に任せておけばいいか、と、申込書を郵送した。
 その後、暫くして、先輩から電話があった。
 「ゴールドで大丈夫だったから、それを送るので。」、と言われた。
 年収一千万には、まだ到達していないのに、ゴールドとか、いいんかいな、と思ったが、先輩が決めたんだから、致し方無し、年会費1万円払うか、となった。
 そして、クレジットカードが届いた。
 が、特に使用する用途がないので、クレジットは、私の財布の中に入りっぱなしだった。
 そんな中、先輩から電話が。とある年末前の事であった。
 「カード使ってないぞ。使わな。」、と。
 年始、外出した際、夜遅くコンビニに入った。(トイレをかりるためだった。)
 そこで、カード、使ってみよう、との気持ちになった。
 チロルチョコ1個をクレジットカードで買ってみた。(買えるのかな、と疑問もあり。)
 ちゃんと、買えた、チロルチョコ1個♪
 以来、幾度となく、クレジットカードを利用してきた。
 さて、月日が経ち、カード会社からのインビテーション(招待)があり、カードの種類を「PLATINUM」に変更した。
 『一人前に』なれたのかな、私もと、やっと思えるようになった40代(後半)であった。
<対応年代:30代~40代>