第59話((二つ)) | **我が人生の旅路**

**我が人生の旅路**

                     英 満(はなぶさ みつる)

 自分がまだ稚児の時亡くした両親、今の私はその当時の両親よりもだいぶ長生きした事になる。
 私を育ててくれた祖父が亡くなった年に京都から九州福岡の地に戻り、右も左も分からぬまま、その時に与えられたわずかな光(チャンス)を何とかものにして働いたものだ、実によく。
 今思えばあっという間の30年だったような気がしている。
 死期の近い祖父から「達成しろよ。」言われた二つの事柄(学位取得と経済的自立)は無事に果たす事ができたようである。
 そう、学位を取った後は経済的に自立するという事を自分なりに考えて、大卒(一般)の生涯賃金超え、次に出身大学(学部)の生涯賃金超え、更に院修了(一般)の生涯賃金超え、そして出身大学(院)の生涯賃金超えを突破してきた。
 何とか還暦にはならずに自身の目標を突破できてよかったとの思いである。
 飛び抜けた(特殊)な才能のない私にはコツコツやり続ける「地道な努力」以外、二つの事柄を成す事はできなかった。
 亡き両親よりも長生きさせてもらえた事に感謝し、死から生を見据え、残りの人生、静かに過ごしていけたら本望である。
<対応年代:20代~50代>