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スポーツにおける力とは何か?みたいな意味合いで前回書いてみましたが、改めて読むと全然説明が足りてないなと思いましたので、また書いてみます。
ぶっちゃければスポーツだろうが武術だろうが、あるいはスポーツ以外だろうが、物理的、力学的な力とは質量に加速度が加わった状態を指します。
よく「あの人はパワーがある」という表現を聞きますが、この場合のパワーには色々な意味があって物理的力学的現象以外のことも含まれていると思います。が、それはここでは除外します。ここで言う「力」「パワー」は身体動作にまつわる現象に限定します。
大谷翔平選手や村上選手などのホームランバッターはパワーがあり、イチロー選手などはパワーがない、みたいに思われているかもしれませんが、ある意味正解だと思います。それは体重つまりは筋肉量が違うから、です。しかしながらイチロー選手でもホームランとなる飛距離は出せています。これは何故でしょうか?この謎を2回に分けて考えてみます。
先ずは1回目ですが、質量、体重について考えてみます。
質量が大きい方が力は大きくなります。しかし力は加速度と質量の掛け算ですから、もし押し引きするような状況だと、体重が大きくても引いてしまえば小さい体重の人に容易に押されてしまいますね。体重が大きい方の加速度がマイナスですので。一方、押し押しであれば両者とも加速度が等しければ体重が大きい方が押すでしょう。これは簡単な例です。
このように自分の体重を全て活かすことが出来れば体重が重い方が力は大きくなる可能性がありますが(しつこいですが加速度が同じであれば)、運動、身体操作はそう単純ではないようです。
体重計に載ってみれば分かります。普通に載った時の体重と、手を窓枠などに置いて計った場合とでは後者は体重が軽くなるはずです。
または、体重計に載ったまま膝を曲げて地面を押すように(スクワットの動作)してみると、体重計の数値は増減するはずです。自分の体重より重くなるのはほんの一瞬で前後は自分の体重より低い数値であることが分かります(最終的には自分の体重に落ち着きます)。
自分の体軸を傾けて何かに触れたり、または地面を押したりすると反発を受けるので足裏では体重があたかも増減したように変化します。つまり、動くと体重が増減するような変化が起きるわけです。
押し引きの例に戻ります。
先程は体重が重たい人が引いてしまったら体重の軽い人に押されてしまう、と言うことでした。これは加速度がマイナスになったからでした。一方で体重、つまり質量も身体の動かし方によってはあたかも増減するような現象が起きます。これは重心の移動によるものと思いますが、この場合でもぶつかる瞬間に体重の重たい方が重心移動であたかも軽い状態になってしまうと、軽い体重の人に押される場合もあるでしょう。
過日とある番組で古武術の紹介をしていました。
普通の状態で立っている女優さんの肩を押すとあっけなくよろめいて動いてしまいました。
一方、その後で女優さんに首の付け根を押される側にずらすよう(実際にずれるわけではなくイメージ)アドバイスをした所、ほぼ微動だにせず、くらいに激変しました。
もし足裏の体重の感覚を両足均等かもしくは身体の真ん中に置くような意識を持てば更に壁の如く強くなったのではないかと思います。
これは、普通に立っているつもりでも押された瞬間には全体重の何割程度まで減ってしまったから簡単に押されてしまっているわけです。
力とは筋肉による力もありますが、先ずは自分の体重の全てを使えるかどうか、によるのだと思います。そのためには重心の移動する向きを有効な方向に向けられることが重要と考えます。
次に、局所的、あるいは全身、に力みがあると残念ながら簡単に押されてしまいます。それはその力みの発生している所から柔軟性を失い、よって全身のバランス調整力が機能不全に陥いり、結果、体重減少のようなことが起きている、のではないかと推測しています。試しに伸ばした腕を思いっきり力ませてついでに足も踏ん張ってみて、その状態で誰かに腕の拳を押してもらえばよくわかると思います。簡単に押されてしまうと思います。次は腕や足の力みを無くした状態で同様に押してもらえば、全く違うことが起きる(というか押されないので起きない)と思います。恐らく若干の肩の動きで押される力を逃がせるのではないかと思います。
事ほど作用に人間の身体は面白いもので、おおよそ力みは好ましい結果をもたらさないことが分かると思います。