体内で起こるさまざまな現象(化学反応)の仲人役として活躍してくれる酵素。オールマイティーな万能選手のように思えますが、実は意外にブキッチョなのです。
生体の中では何千ともいわれる化学反応がありますが、酵素のはたらきは基本的に一つに対して一つ。あれもこれもこなすような一人何役はできないのです。ということは、酵素もまた何千種類も存在するということです。
そして興味深いのは、元は一つということ。
つまり、元々幹となる酵素があり、その人その人の状態によって必要な酵素が作られたり分配されるようなしくみになっているのです。
これってiPS細胞に似ていると思いませんか?

たとえばある人が何かの症状や病気を抱えているとします。その症状を修復したり元に戻そうとするような反応が起こるためには、その反応に費やす酵素の量や種類が必要になります。
ところが、この人がお腹いっぱい食事を摂ると、その消化・吸収に膨大なエネルギーを要し、そこに酵素が配分されてしまいます。本当は、危機が迫っている部分の修復反応に使いたい酵素が、消化に回されてしまうということです。放っておけば消化器官の中で腐敗し、また次の症状が現れてしまいますから。
病気になると「しっかり栄養を摂らなければ…」と考えがちですが、実は逆のことをしていることになります。実際、体調が良くない時、食欲は落ちてきます。体は「欲しがっていない」状態なのです。
消化にエネルギーや酵素を浪費しているどころでないにもかかわらず、私たちは反対のことをしていることが多いのですが、「酵素の元は一つ」ということが分かってくると、少し考え方を変えられるのではないでしょうか。

さて、酵素に効率よく働いてもらうために注目したいことに「体内時計」があります。

図のように一日が三分割され、それぞれの時間帯によって体内の営みが決まっているのです。

明け方4時~正午までは不要なものを「排泄」する時間帯。正午~20時は「摂食」と「消化」、20時~翌4時は「吸収」とその活用としての「代謝」です。
本来、不要物や毒素を「排泄」する時間帯に食物を「補給」したり「消化」しなければならないことになると、体内のリズムと実態のバランスが狂ってしまうのです。具体的には、午前中は何も食べないか、もしくはほんの軽く、たとえば果物や生野菜ぐらいがbestといわれます。
私自身も、もう何年もこのリズムを実践していますが、なかなか調子はいいですね。当初はお腹の音が恥ずかしかったのですが^_^;

シリーズも最後になりました。
酵素一つとっても私たちのカラダは、それを作り出し、補給し、節約し、配分を考え、愛おしいくらいに頑張ってくれています。
体内時計にリズムを合わせることは理想的ですが、そこまでいかなくてもせめて夜は十分な休息をとって、このカラダを労わってやりたいものです。