プライマル(primal)という言葉には「初期の、根本的な、最も重要な」などという意味があります。
プライマルヘルスとは、赤ちゃんのとき初期設定された健康状態のことで、その後の適応能力の振り幅や未来の健康を左右するとても重要な概念です。

大切なことは、産まれた後だけでなく生まれる前(つまり妊娠期間)、さらには妊娠以前の環境がすべて繋がっているという点です。

妊娠期間は約280日ですがこの期間は、地球上に最初の生命が誕生してから陸に上がる進化を遂げるまでの28億年を凝縮しているそうです。
実際、妊娠後の成長を追ってみると、初期段階は人類も魚類も爬虫類もすべて同じような姿カタチ。進化の過程をすべて辿って、最終段階になってはじめてそれぞれの姿になっていきます。

誕生後はおよそ400日をかけて、這い這いから四つん這い、つかまり立ちを経て二足歩行ができるようになりますが、これは生命が陸に上がってからの4億年の進化(両生類→爬虫類→小型哺乳類→猿→ヒト)の凝縮です。
換算すると、妊娠期間の1日は生命の進化の1000万年、誕生後の1日は100万年に相当するのです。

仮に私たちの感覚で安易に過ごした「たった3日間の不自然」な期間といえども、それは生命の進化に照らせば途方もないリスクを伴うことになるのです。

人智を超越した「自然の摂理と生命との連動」がプライマルヘルスのポイントといえそうです。