ふたりの方の話を聴く機会がありました。
ひとりは末期がんを克服した俳優。もうひとりは、そんな患者たちと現場で向き合う医師。
共通するのは、
たったひとつの『いのち』、そしてたった一度の『人生』を見つめること。
現実の体験談には、どんな理論・理屈をも超越したSTORYがあります。

余命宣告を受け絶望の淵に突き落とされて、初めて自らの人生やいのちの尊さに気づき、その尊さを人々に伝えることに限られたいのちの使いみちを見出したというSTORY。
同じく、日一日と迫りくる死に絶望を感じて緩和病棟にやってきた患者が、人の温かさに触れて「今、生きていること」を実感し、笑顔が生まれ、立ち上がり、庭に出て若い研修医と談笑し、やがては家族と温泉旅行に行けることになったというSTORY。
人間の内にあるチカラは実に偉大です。そして不思議です。

私たちは、ともすると日々の生活や足元ばかりに視線を落とし、本当に大切なことは何かを忘れがちなのかも知れません。
もしかしたら、毎日の生活を考えることで精一杯という社会に生きているということなのかも知れません。
でも、時には少しだけ距離をとって『いのち』や『人生』という大きなものを見つめることも必要だと思うのです。

『健康であること』は何においても大切なことです。
しかし、「健康のために生きている」のではなく、何ものにも代え難い『いのち』『人生』のために健康であることが大切なのではないかと思うのです。

「生活があって人生のない一生ほどわびしいものはない」
遠藤周作の言葉です。

大切なことを大切に伝えていける私たちであり続けようと思っています。