普通人の映画体験―虚心な出会い -40ページ目

普通人の映画体験―虚心な出会い

私という普通の生活人は、ある一本の映画 とたまたま巡り合い、一回性の出会いを生きる。暗がりの中、ひととき何事かをその一本の映画作品と共有する。何事かを胸の内に響かせ、ひとときを終えて、明るい街に出、現実の暮らしに帰っていく…。

2017年6月20日(火)吉祥寺オデヲン(東京都武蔵野市吉祥寺南町2-3-16、JR吉祥寺駅東口徒歩1分)で、19:55~鑑賞。

作品データ :
原題 FREE FIRE
製作年 2016年
製作国 イギリス フランス
配給 REGENTS
上映時間 90分


「フリー・ファイヤー」

マーティン・スコセッシ製作総指揮の下、『ルーム』のブリー・ラーソン、『インセプション』のキリアン・マーフィ、『第9地区』のシャールト・コプリー、『ソーシャル・ネットワーク』のアーミー・ハマー、『シング・ストリート 未来へのうた』のジャック・レイナー、『マレフィセント』のサム・ライリーらが結集した異色のクライム・アクション・コメディ。拳銃の密売取引をしようとする2組のギャングが、あるトラブルを契機に壮絶な銃撃戦を繰り広げる。クセ者ぞろいの悪党たちが罵声を放ちながら銃を撃ちまくる姿を90分間ワンシチュエーションでハイテンションに描き、2016年(第41回)トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門で最高賞にあたる観客賞を受賞した。銃撃戦映画の博物館に飾りたい怪作である。監督は『ハイ・ライズ』のベン・ウィートリー。

ストーリー :
舞台は70年代のボストン。とある荒れ果てた倉庫に2組のギャング・グループが集結する。目的は30挺のライフルを巡る取引だ。ライフルを買う側はアイルランド人(明言されないけど確実にIRA)の4人組に仲介役の女が1人。売る側は武器商人の南アフリカ系イギリス人に元ブラックパンサー党員、プロの用心棒に運転手役のチンピラ2人というバラバラのメンツ。
それは簡単な銃取引のはずだった…。しかし、用意された銃が注文と違うなど、いくつかの行き違いが重なり…、そして取引が終わりそうに思えたその時、両グループのチンピラ同士が昨晩殴り合いのケンカをしていたことが判明!ブチ切れるチンピラ2人を止める周囲のメンバーだったが、片方が衝動的に拳銃を発砲したことで、さあ大変!倉庫という密室で、銃弾飛び交い現金を奪い合うバトルロイヤル状態に!
全員瀕死の発狂状態の中で、最後まで生き残るヤツは一体誰だ!?

▼ Trailer



▼特別映像 - ブリー・ラーソン(Brie Larson、1989~) インタビュー :
[『ルーム』(2015年)でアカデミー賞主演女優賞に輝いたオスカー女優の新たな挑戦は、まさかの女ギャング役!従来までの優しい女性のイメージを180度覆し、敵対するギャング相手に罵詈雑言を浴びせ、銃をぶっ放す!ひときわ目を引く紅一点の“ハッチャケ”演技ぶりに注目!(cf.本ブログ〈June 26, 2016〉)]

2017年6月20日(火)TOHOシネマズ新宿(東京都新宿区歌舞伎町 1-19-1 新宿東宝ビル3階、JR新宿駅東口より徒歩5分)で、17:00~鑑賞。

作品データ :
原題 鉄道飛虎
製作年 2016年
製作国 中国
配給 プレシディオ
上映時間 124分


1941年の中国を舞台に、日本軍に立ち向かう名もなき英雄たち“レイルロード・タイガース”の活躍を描くジャッキー・チェン主演のアクション・コメディ。日本軍の物資輸送を阻止するべく、対岸へかかる橋の爆破を目論むメンバーたちの姿をユーモラスに描く。レイルロード・タイガースと敵対する日本人指揮官役に『イップ・マン 序章』でも海外映画に出演経験のある池内博之が抜擢され、ジャッキーと1対1のアクションシーンを繰り広げる。監督は『ラスト・ソルジャー』『ポリス・ストーリー/レジェンド』のディン・シェン。

ストーリー :
1941年、中国。鉄道で働くマー・ユエン(ジャッキー・チェン)ら地元の男たちは度々、鉄道内に潜入しては日本軍の物資を盗むなどの行為を働いていた。いつしか彼らの噂は広がり、“レイルロード・タイガース”と呼ばれ、日本軍の目の敵とされていた。ある日、マーの元に負傷兵ダーグオ(ワン・ダールー)が逃げ込んでくる。日本軍から追われていたが、危機一髪のところでマーたちに助けられる。彼は日本軍の物資輸送を阻止するための橋の爆破作戦のメンバーだったが、作戦は失敗。唯一の生き残りであった。怪我を負っている状態では、作戦を再度行なうことは不可能。その作戦をレイルロード・タイガースに委ねることに。
しかし、レイルロード・タイガースのメンバ-は鉄道職員のマーはじめ、仕立て屋のダーハイ(ファン・ズータオ)、鉄道インターンのダークイ(サン・ピン)、シャオフウ(ン・ウィンラン)など至って“普通の男”たち。作戦はレイルロード・タイガースを目の敵にしていた日本軍の指揮官・山口(池内博之)にすぐ気づかれてしまう。鉄道に乗り込み橋の爆破を目指すが、爆破までの計画などないに等しい状態だった。何とかキセルや裁ちばさみなど身近な道具を駆使しながら、行き当たりバッタリで日本軍と戦うが、爆破計画を阻止しようとする山口が不死身のように追いかけてくる。
成り行き任せの出たとこ勝負!すぐそこまで迫る橋!あるのは勇気と勢いだけ!果たして彼らは爆破計画を遂行することができるのか!?町の職人たちの土壇場ミッションの行方はいかに!?

▼予告編


2017年6月20日(火)シネマカリテ(東京都新宿区新宿3-37-12 新宿NOWAビルB1F、JR新宿駅東南口および中央東口より徒歩2分)で、14:40~鑑賞。

「ローマ法王になる日まで」

作品データ :
原題 CHIAMATEMI FRANCESCO - IL PAPA DELLA GENTE
製作年 2015年
製作国 イタリア
配給 シンカ/ミモザフィルムズ
上映時間 113分


2013年3月19日、第266代ローマ法王に就任したフランシスコは、サンピエトロ広場に集まった20万人の信徒に歓喜の熱狂によって迎えられた。その期待を裏切ることなく、新法王は貧しさや困難にあえぐ人々に寄り添う活動を展開、環境問題や人種差別や金融システムにも言及し、壁を作ると発言した選挙中のトランプ大統領候補(当時)に苦言を呈するなど、今や世界で政治家以上の影響力を持つ。ローリング・ストーン誌の表紙まで飾ったその人気は、“ロックスター”のようだと喩えられるほどだ。本作は一人の心優しきアルゼンチンの青年ホルヘ・マリオ・ベルゴリオが、史上初のアメリカ大陸出身のカトリック教会長となるまでの激動の半生を、事実に基づき再現した実話の映画化である。
若き日のベルゴリオを『モーターサイクル・ダイアリーズ』のロドリゴ・デ・ラ・セルナが、コンクラーベ(法王選挙)直前のベルゴリオを、『グロリアの青春』のセルヒオ・エルナンデスが演じる。監督は、『我らの生活』のイタリアの名匠ダニエーレ・ルケッティ。
なお、「イタリア映画祭2016」(<東京会場>2016年4月29日~5月5日、<大阪会場>5月7日~8日)では、『フランチェスコと呼んで―みんなの法王』のタイトルで上映された。

ストーリー :
コンクラーベ(法王選挙)のためにバチカンを訪れたベルゴリオ枢機卿(セルヒオ・エルナンデス)は、運命の日を前に自身の半生を振り返る―。
1958年、アルゼンチンのブエノスアイレス大学で化学を学んでいたべルゴリオ(ロドリゴ・デ・ラ・セルナ)は、家族や友人、恋人と別れ、神に仕えることを選びイエズス会に入会。神学を学び始めると瞬く間にその指導力が認められ、1973年、36歳の若さでアルゼンチン管区長に任命される。ときはビデラ大統領による軍事独裁政権下。謎の失踪者が百人単位で増え始め、反政府の動きをした者は容赦なく殺害された。神学校の院長でもあったベルゴリオのもとには問題を抱えた一般市民や彼らを支援する神父たちが次々と相談に訪れるが、神学校にも軍のスパイの神父がおり、軍の圧力がじわじわと迫ってくる。ベルゴリオは同じく不当拘束や行方不明者の家族の訴えに耳を傾けるオリベイラ判事(ムリエル・サンタ・アナ)に助言を求めるも、彼女も軍に目を付けられ、職場を追われてしまう。さらに再会した恩師エステルの妊娠中の娘も失踪したままだと知ったベルゴリオは、たった一人でビデラ大統領官邸を訪れる。しばらくしてエステルの娘が痛々しい姿で戻ってきたのもつかの間、行方不明者家族の会のメンバーとして活動していたエステル(メルセデス・モラーン)と友人らは、潜入していたスパイの密告により逮捕されてしまうのだった―。
1985年、暗黒時代が遂に終焉。再び神学を学ぶためドイツに招かれたベルゴリオ。ある日、引き寄せられるように足を踏み入れた教会で「結び目を解く(ほどく)聖母マリア」の絵と出会う。「誰もが結んでしまう苦悩の結び目を解いてくれる」というマリア様に、自分の“結び目”を心で唱えたベルゴリオは、涙が止まらなかった。アルゼンチンに戻り、田舎の一神父として穏やかな日々を送っていたベルゴリオをクアラチノ枢機卿が訪ねてくる。首都に戻ることを断るベルゴリオに枢機卿は、法王ヨハネ・パウロ2世の任命書を手渡す。補佐司教としてブエノスアイレスに戻ったベルゴリオは、立ち退きを迫られた貧困地区の住民たちに寄り添うこととなる―。

2013年、枢機卿となっていたベルゴリオは、質素な自宅アパートでラジオから法王ベネディクト16世の辞任表明を聴く。そして、コンクラーベに参加するためにバチカンへと向かった―。

★ ≪ローマ法王フランシスコ(ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ)とは?≫
1936年:12月17日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスにイタリア移民の子として中流の労働者階級の家庭に生まれる。
1958年:3月11日、イエズス会に入会。
1969年:12月13日、司祭に叙階。
1973年:7月31日、イエズス会アルゼンチン管区長に選出、同職を6年務める。
1992年:5月20日、ヨハネ・パウロ二世によりブエノスアイレス補佐司教に任命。
1998年:2月28日、アントニオス・クアラチノ枢機卿の死去により後継としてブエノスアイレス大司教となる。
2001年:2月21日、ヨハネ・パウロ二世により枢機卿に叙任。
2005年:コンクラーベで次点(ベルゴリオ枢機卿の得票数はラッツィンガー枢機卿の次席となり、勝者となったラッツィンガー枢機卿は第265代ローマ法王ベネディクト16世として2013年まで在位する)。

▼予告編




▼胸を締めつける抒情豊かな劇中音楽 :
(「タンゴの幻影」で知られるスペイン出身のアルトゥーロ・カルデラス(Arturo Cardelús、1981~)の音楽が、ベルゴリオの波乱の人生の陰影を静かに奏で上げ、余韻と感動を深めている。)

2017年6月15日(木)立川シネマシティ(シネマ・ワン:東京都立川市曙町2ー8ー5、アクセス:JR立川駅北口から徒歩5分)で、20:10~鑑賞

作品データ :
原題 THE LIGHT BETWEEN OCEANS
製作年 2016年
製作国 アメリカ オーストラリア ニュージーランド
配給 ファントム・フィルム 
上映時間 133分

「光をくれた人」

『ブルーバレンタイン』のデレク・シアンフランス監督が、オーストラリア人作家、M・L・ステッドマンの世界的ベストセラー小説『海を照らす光(The Light Between Oceans)』(2012年)を映画化したヒューマンドラマ。オーストラリアの孤島に流れ着いた赤ん坊を我が子として育てる灯台守夫婦の愛と葛藤が描かれる。主人公のトムをマイケル・ファスベンダー、その妻をアリシア・ヴィキャンデルが演じる。

ストーリー :
1918年、トム・シェアボーン(マイケル・ファスベンダー)は戦争の英雄として帰還するものの、心に深い傷を負っていた。彼は俗世から逃げるように、オーストラリアの西部パルタジョウズ(Partageuse)岬から160キロも離れた絶海に浮かぶ孤島、ヤヌス島(Janus Island)の灯台守の仕事に就く。ヤヌスとは、JANUARY(一月)の語源で、二つのものを見つめ、二つの物事の間で引き裂かれるヤヌス神から取られた名前。インド洋と南極海がぶつかる大海に浮かぶ、誰一人住む者のいない孤島だ。
3か月後、正式採用となったトムは、契約を結ぶために本土の港町パルタジョウズへ。そこで彼は、初めてこの地に赴任した際に歓待を受けた一家の娘イザベル(アリシア・ヴィキャンデル)と再会する。眩しいほどの生命力に輝くイザベル。トムの心にさざなみがたった。束の間の休日をイザベルと過ごすことになった彼は、彼女もまた戦争で二人の兄を亡くし、“兄を失った妹”とは別の生き方を求めていることを知った。
ヤヌス島に戻ったトムは、イザベルとの出会いが、人生に光を取り戻させてくれたことに気付き、彼女に感謝の手紙を送る。二人は想いを綴った手紙をやり取りするうち、心を通い合わせ、やがてトムはイザベルにプロポーズ。二人は結ばれ、孤島での結婚生活を始める。島と外の世界をつなぐのは3か月に1度の定期便だけで、本土に戻れるのは3年に1度。親の愛情にも恵まれなかったトムは、惜しみなく愛を与えてくれるイザベルとの暮らしに、初めて幸福とは何かを知る。二人にとって、何者にも邪魔されない孤島での暮らしは楽園だった。
しかし、流産という試練がイザベルを襲う。1度目の流産を乗り越え、再び身ごもったが、またも流産。失意から立ち直れないイザベル。そんな時、島に1隻のボートが流れ着く。中には男性の遺体と泣きじゃくる女の赤ん坊が乗っていた。すぐに保全局へモールス信号を送ろうとするトムを、「赤ちゃんを少し休ませてあげて」と制するイザベル。一晩赤ん坊と過ごしたイザベルは、もはやその子を手放すなど考えられなくなっていた。自分たちの子供として育てようという彼女の強い懇願に負けたトムは、それが間違っていると知りながら、「赤ん坊が早く生まれた」という信号を送り、男の遺体を埋めるのだった。
それから2年、赤ん坊にルーシー(フローレンス・クレリー)と名付け、ありったけの愛情を注ぐイザベルとトム。ところが、洗礼式のため、初めてルーシーを連れてバルタジョウズに戻った日、トムは教会の墓の前でむせび泣く女性を見かける。その墓は、ボートで海に消えたまま消息がわからなくなった彼女の夫と娘の墓だという。
彼女の名前はハナ・ロエンフェルド(レイチェル・ワイズ)。地元で一番の資産家セプティマス・ポッツ(ブライアン・ブラウン)の娘だが、親の反対を押し切って当時の敵国ドイツ出身の貧しい男性フランク・ロエンフェルド(レオン・フォード)と結婚した。ある時、戦争で家族を失った者たちにドイツ人と言う理由だけで絡まれたフランクは、生まれて間もない娘グレイスとボートに乗って海へ逃げた。その結末が、ヤヌス島に流れ着いたあのボートだった。罪悪感に苛まれたトムは、島に戻る前に「夫君は神の御許だが、娘さんは大切にされている」とだけ記した匿名の手紙をハナの家に届ける。驚いたハナは、その手紙を警察に持っていくが、何の手がかりもないまま時は過ぎた。
さらに2年後。トムはハナのことは自分だけの胸に秘め、イザベルには何も知らせていなかった。親子3人だけの楽園で過ごす幸福と、ハナの悲しみを思い返す時の苦しみ。ある日、トムは島の灯台設置40周年を祝う式典に出席するため、イザベルとルーシーを連れ、パルタジョウズに渡る。式典の会場には灯台建設に当たって多額の寄付金を出資したセプティマス・ポッツが、ハナと妹のグウェン(エミリー・バークレイ)とともに出席していた。式典の後、ハナとグウェンがイザベルとルーシーに話しかける。その会話で、ついにイザベルもハナがルーシー(グレイス)の実の母親と知ることとなった。
「打ち明けるべきだ」「今さら手遅れよ」「彼女は母親だ」「あの子にとって母親は私よ」―自分たちのしたことの重大さにおののきながら対立するイザベルとトム。そして、トムは島へ戻る前に、思いがけない行動をとるのだった…。

▼予告編



▼ Go Behind the Scenes :



▼ マイケル・ファスベンダー(Michael Fassbender、1977~)&アリシア・ヴィキャンデル(Alicia Vikander、1988~)インタビュー映像 :

2017年6月15日(木)立川シネマシティ(シネマ・ワン:東京都立川市曙町2ー8ー5、アクセス:JR立川駅北口から徒歩5分)で、18:15~鑑賞。

作品データ :
原題 ARRIVAL
製作年 2016年
製作国 アメリカ
配給 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
上映時間 116分


「メッセージ」(1)「メッセージ」(2)

人気SF作家テッド・チャンの短編小説『あなたの人生の物語』(Story of Your Life、1999年)を、『プリズナーズ』『ボーダーライン』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映画化した感動のSFドラマ。ある日、突然地球に飛来した異星人(地球外生命体)との意思疎通という重責を託された女性言語学者を待ち受ける衝撃の運命を描く。主演は『魔法にかけられて』『アメリカン・ハッスル』のエイミー・アダムス、共演にジェレミー・レナー、フォレスト・ウィテカー。

ストーリー :
湖畔の家に独りで住むルイーズ・バンクス(エイミー・アダムス)は言語学者。時おり娘ハンナとの何気ない日常が脳裏に浮かぶが、ハンナの年齢はその都度違う。反抗期のティーンエイジャーだったり、いたいけな赤ん坊だったり、どうやらハンナは癌で亡くなり、今はもういないようだ…。
ある日、地球の様々な場所(米国・中国・ロシアなど12か所)に巨大なシェル状の宇宙船が突如姿を現わし、そのまま上空に静止し続ける。交戦の準備をし始める国、相手の出方をうかがおうとする国…、対応は様々で互いに協力し合って事に当たろうという気運は高まらない。
そんな中、ルイーズはアメリカ軍のウェバー大佐(フォレスト・ウィテカー)から協力を要請される。宇宙船内にいる異生物(異星人)が発する音や波動から彼らの言語を解明し、彼らに何らかの手段でこちらのメッセージを伝えること。相手に明確な言語があるかどうかわからないまま、ルイーズの試行錯誤が続く。宇宙船の近くの宿営地に招集されたスタッフには、物理学者のイアン・ドネリー(ジェレミー・レナー)もいた。スタッフはウェバー大佐に急かされながらも、少しずつ相手との距離を縮めていく。

忙しくなるほどに、ハンナの思い出が色濃く蘇るルイーズ。なぜ、あの時ハンナの宿題を見てあげなかったのか、数学なら別れた夫(ハンナの父)のほうが詳しいから、「彼に電話して聞いて!」と、心ない言い方をしてしまった。でも、私の夫って…?
相変わらずTVは世界各地からの宇宙船の映像を映している。世界中に不安と動揺が広がる。しびれを切らした中国は、宇宙船が撤退しなければ核攻撃を始めると宣言し、それに追随する国も出てきている。
ルイーズはまるでターザンとジェーンの会話のように、謎の知的生命体が自分を指して「人類」というところからコミュニケートの端緒をつかむ。彼らにはタコの足に似たものがあったため、彼らを「ヘプタポッド(heptapods)」と呼ぶようにした。彼らはその先端から図形(複雑な円)を吐き出す。これが彼らの言葉?刻々と変化する図形には、ある規則性が見られることもわかった。それらをコンピュータに打ち込み、ついに会話もできるようになると、ルイーズとイアンはそれらの2体にアボットとコステロというニックネームを付ける。一方、政府や軍は依然として、ヘプタポッドの目的が地球への攻撃ではないかと疑っていた。

そんな時、ヘプタポッドと会話をするうちに、彼らの時間の概念と自分たちのそれが大きく違っていることに気づかされる。まるでアインシュタインの相対性理論の進化形のごとく、彼らは驚くべき真実をルイーズたちに伝える。それは、3000年後の地球も現在と同じ座標軸にあるというものだった。そこでは過去は過去ではなく、未来は未来でもない。ルイーズは彼らの言語を研究し理解するにつれ、自分の人生における経年も今まで生きてきた時間軸の概念を超越したものになることを知る。今知った過去が未来に起こるとわかっても、自分は愛することをやめないし、運命を受け入れるだろう―彼女の心は変わっていった。

【ヘプタポッド=異星人たちは、時間を“直線的”に認識する人類=地球人とは異なり、過去・現在・未来のすべてを“並列的”に認知する種だった。ルイーズは彼らとコミュニケーションを図るなか、同様に未来の自分を認知できるようになっていた。】

ルイーズは予知夢の映像を見る。その中で、彼女は国連のパーティーで、中国軍のシャン上将(ツィ・マー)から世界を救ったとの謝意を表される。彼女が電話で、ヘプタポッドへの攻撃をやめるよう促してくれたと語る彼…。瞬間、現実に戻った彼女は、中国軍による開戦が迫る中、必死の思いでシャン上将に電話して説得を試みる。誰も知らないはずの妻の死ぬ間際のメッセージを伝えられた彼は説得に応じ、戦争は食い止められる。そして、地球上のすべての宇宙船が無事に地球から去っていくのだった。
異星人たちが立ち去ったあと、世界各国には平穏が戻り、未来のために互いが習得したヘプタポッドの言語を公開。ルイーズも本を出版して広く伝えていく。
ルイーズはイアンから“愛の告白”を受ける。これまでフラッシュバックで見てきた娘との日々も、これから起こる未来の出来事と知りながら、彼女はイアンの心からの愛を受け入れる―。

▼予告編


2017年6月15日(木)吉祥寺オデヲン(東京都武蔵野市吉祥寺南町2-3-16、JR吉祥寺駅東口徒歩1分)で、14:50~鑑賞。

作品データ :
原題 PATRIOTS DAY
(「Patriots Day(愛国者の日)」とは、アメリカ合衆国のマサチューセッツ州、メイン州、ウィスコンシン州の3州において4月の第3月曜日に制定されている祝日で、毎年ボストンマラソンが開催される日である。)
製作年 2016年
製作国 アメリカ
配給 キノフィルムズ
上映時間 133分


2013年に発生したボストンマラソン爆弾テロ事件の裏側に迫る実録サスペンス。犯人逮捕に挑むボストン警察の刑事の目を通して、事件解決までの過程~わずか102時間で犯人逮捕に至った顛末~が生々しく描かれる。主演は『ディパーテッド』『ザ・ファイター』のマーク・ウォールバーグ。さらに、ケヴィン・ベーコン、J・K・シモンズ、ジョン・グッドマンらハリウッドの実力派俳優たちが脇を固める。メガホンを取るのは、『キングダム/見えざる敵』『ローン・サバイバー』など、社会的な事件をベースにした実録ドラマが好評のピーター・バーグ。

ウォールバーグ主演&バーグ監督は、『ローン・サバイバー』(2013年)、『バーニング・オーシャン』(2016年)から三たびのタッグとなり、いずれも実話ベース。ただし、前2作ではウォールバーグが実在の人物を演じたのに対し、本作の主人公である警察官のトミー・サンダースは架空の人物である。事件に対応した大勢の警察官の献身的な捜査活動と危機に立ち向かう勇気が1人のキャラクターに統合され、映画はトミーの視点を通じて事件を追う。
主人公を創作したことに加え、本編中に実際の監視カメラなどのアーカイブ映像を多数挿入したり、終盤で当事者らのインタビューに相当な尺を割いたりと、従来の実録映画の型にはまらない挑戦が際立つ。トミーの活躍だけでなく、高圧的だが慎重さも併せ持つFBI特別捜査官リック・デローリエ(ケヴィン・ベーコン)、老保安官のような風格と覚悟を見せる巡査部長ジェフ・ピュジリーズ(J・K・シモンズ)のほか、爆発で大けがを負うカップルや、犯人の逃走に巻き込まれる中国籍の若者など、関係者たちのエピソードが適宜紹介され、群像劇の味わいもある。

ストーリー :
2013年4月15日。ボストン警察殺人課の刑事トミー(マーク・ウォールバーグ)は、朝からボストンマラソンの警備に駆り出されていた。オリンピックの次に歴史の古いこのマラソン大会は、毎年「パトリオット・デイ」に開催され、117回目を迎えるこの日も50万人の観衆で賑わっていた。そして、次々と走者がゴールし、最高潮の盛り上がりを見せる中、トミーの背後で突如として大規模な爆発が発生。歓声は悲鳴に変わり、煙が立ち込める中に血を流した負傷者たちが折り重なって倒れる。トミーらボストン警察の面々は事態が飲み込めないまま、必死の救護活動を行なう。そんな中、現場に到着したFBI捜査官リック(ケヴィン・ベーコン)は、事件を「テロ」と断定。管轄はFBIへ移るが、犯人に対する怒りがふつふつと沸き上がるトミーは、病院に収容された負傷者たちから丁寧に話を聞いてまわるのだった。9.11同時多発テロ以降の事件にアメリカは震撼、爆発時の映像はまたたく間に世界中に配信される。やがて、監視カメラに映る不審な“黒い帽子の男”と“白い帽子の男”が容疑者として浮上する…。

★ ≪ボストンマラソン爆弾テロ事件≫
【米国マサチューセッツ州ボストンにて、第117回ボストンマラソンの競技中だった2013年4月15日14時45分頃(現地時間)(日本時間16日3時45分頃)にフィニッシュ地点付近で発生した爆弾テロ事件】
・死亡者―5名
  4月15日の爆弾により死亡した一般人3人
  4月18日にMIT(マサチューセッツ工科大学)付近で射殺の警官1人
  4月19日の銃撃戦による容疑者側死亡1人
・負傷者―合計299名
  4月15日の爆弾により負傷した一般人282人
  4月19日の銃撃戦による警察側負傷16人
  4月19日の銃撃戦による容疑者側負傷1人
・容疑者―2002年頃に難民としてアメリカに移民したチェチェン人の2人兄弟  
  タメルラン・ツァルナエフ(Tamerlan Tsarnaev、1986~、事件時26歳)(死亡)
  ジョハル・ツァルナエフ(Dzhokhar Tsarnaev、1993~、事件時19歳)(逮捕)
   
▼予告編




▼特別映像 - パトリオット・デイとは?



▼特別映像 - 事件現場の再現



▼特別映像 - 犯人追跡の裏側



▼特別映像 - ウォータータウン(Watertown、マサチューセッツ州)での銃撃戦



▼特別映像 - “ボストン・ストロング”とは?



爆弾 cf. 第117回ボストンマラソンでの連続爆発の瞬間(2013年4月15日公開) :



クラッカー cf. 爆弾テロから1年 ― 第118回ボストンマラソン厳戒態勢で2014年4月21日(月曜日)に開催 :

2017年6月9日(金)新宿バルト9(東京都新宿区新宿3-1-26 新宿三丁目イーストビル9F、JR新宿駅南口徒歩5分)で、19:00~鑑賞。

作品データ :
製作年 2017年
製作国 日本
配給 東映
上映時間 127分


鬼塚忠の小説『花いくさ』(2011年)を基に、戦国の世の日本で豊臣秀吉と華道家元・初代池坊専好の伝説に着想を得た物語が描かれるエンターテイメント時代劇。天下人となった秀吉に対して刃(やいば)ではなく花で戦いを挑む専好の姿を描く。専好を狂言師で『のぼうの城』などの野村萬斎が演じるほか、歌舞伎俳優の市川猿之助、佐藤浩市、佐々木蔵之介、中井貴一らが出演。監督は『小川の辺』『起終点駅 ターミナル』などの篠原哲雄。

ストーリー :
時は戦国。京の中心・頂法寺六角堂に、池坊専好(野村萬斎)という花僧がいた。
出世も名誉も興味なし! 何よりも花を愛する“けったいな”この男、人々の幸せと世の安寧を祈って、花をいける日々を送っていた。
ある日、“物騒”と噂される時の権力者・織田信長(中井貴一)の御前(岐阜城大座敷)で、専好はいけばなを披露することに。いけたのは前代未聞の巨大な松。
信長は専好に問う。「何ゆえ、このような松を?」
「昇り竜でございます!天に向かってこう、ぐわわゎゎあーっと!」
息をのむ家来たち。中には若き豊臣秀吉(市川猿之助)、前田利家(佐々木蔵之介)、そして千利休(佐藤浩市)の姿も。
松を見上げた信長はなんと…「見事なり!」「武人たるもの、茶と花を、人の心を大事にせよ」
その評判は、たちまち京の町に響き渡った。

運命の出会いから十数年―。天下人・秀吉の茶頭となった利休と再会を果たした専好。茶と花の違いはあれど、共に美を追い求める者同士として友情を深め、互いの道を高め合っていった。
やがて時代に暗い影が…。秀吉は圧倒的な権力を笠に、民を締め付け、意に沿わない者を、次々と死に追いやった。そしてついに、利休までがその毒牙にかかって命を落としてしまう。
専好は立ち上がった。民のため、友のため、暴君と化した秀吉に挑んだ一世一代の大勝負!
手にしたのは刃でなく、花!? 秀吉ギャフン!びっくり仰天の秘策とは?
前田利家邸で、花の美しさを武器に、「秀吉!いざ、ショウブ!!」

▼予告編



▼特別映像

2017年6月8日(木)目黒シネマ(東京都品川区上大崎2-24-15 目黒西口ビルB1、JR山手線目黒駅西口から徒歩3分)で、17:30~鑑賞。『シン・ゴジラ』 15:15~と2本立て上映。

※『シン・ゴジラ』は再見。2016年9月9日(金)新宿ピカデリーで初見(本ブログ〈September 12, 2016〉)。

作品データ :
原題 KONG: SKULL ISLAND
製作年 2017年
製作国 アメリカ
配給 ワーナー・ブラザース映画
上映時間 118分


「キングコング」

ハリウッドを代表する巨大モンスター“キングコング”を壮大なスケールでリブートした怪獣映画。太平洋に浮かぶ謎の孤島を訪れた調査隊が、想像を絶する巨大生物たちと遭遇し、決死のサバイバルを繰り広げるさまを迫力のアクション満載に描き出す。『マイティ・ソー』シリーズのトム・ヒドルストンが調査遠征隊のリーダーを演じ、『ルーム』のブリー・ラーソン、サミュエル・L・ジャクソン、ジョン・グッドマン、ジョン・C・ライリー、リチャード・ジェンキンスらが共演する。監督はTVを中心に活躍し、本作が長編2作目のジョーダン・ヴォート=ロバーツ。

ストーリー :
泥沼のベトナム戦争が終結を迎えつつある70年代前半。南太平洋上に未知の孤島・髑髏島が発見され、米国政府特務機関“モナーク”によって編成された調査隊が派遣される。リーダーを務めるのは、ジャングルでのサバイバルに精通した英国陸軍特殊空挺部隊の元兵士コンラッド(トム・ヒドルストン)。メンバーはほかに研究者にカメラマン、ベトナム帰りの米軍ヘリ部隊を率いるパッカード大佐(サミュエル・L・ジャクソン)といった面々。だが、そこは決して人間が足を踏み入れてはならない場所だった。島に着くとすぐに、そこがただの島ではないことが明らかになる。至るところに散らばる骸骨。そして、岩壁には血塗られた巨大な手の跡が…。やがて姿を現わしたのは、巨大な守護神キングコング。そして、脅威はこれだけに止まらなかった。続いて現われる正体不明の凶暴な巨大生物たち。島を破壊した人間たちは、なすすべもなく逃げ惑うばかり。髑髏島の秘密とは…?彼らは島から生きて脱出できるのか…?果たして、コングは人類の敵なのか、それとも味方なのか…?

▼予告編




▼特別映像

2017年6月6日(火)吉祥寺プラザ(東京都武蔵野市吉祥寺本町1-11-19、JR吉祥寺駅北口サンロード突き当たり左)で、14:50~鑑賞(再々見)。
同年4月28日、新宿ピカデリーで初見(本ブログ〈May 01, 2017〉)。
同年5月26日、同館で再見(本ブログ〈May 30, 2017〉)。

■ 私はこれまで、 《美女と野獣》と、どのように出会ったか。

ひらめき電球 私がフランスの異類婚姻譚である「美女と野獣」の話を初めて聞き知ったのは、1950年代の小学生の時分だったように思う。ある日~たしか停電の夜だった?~、私より7歳上の姉は滔々と、その昔話のあらましを私に語ってくれた。当の物語の仕入れ先が映画or書物or伝聞だったか、彼女が11年前に亡くなった今となっては知る由もない。

ひらめき電球 私は1970年代の半ば、当時付き合っていた女性に薦められて、ボーモン夫人(Jeanne-Marie Leprince de Beaumont)版『美女と野獣』(La Belle et la Bête)』(1756年)の“訳書(鈴木豊訳・角川文庫・1971年)”を初めて読了した。

ひらめき電球 私はボーモン版を元に1991年に製作されたディズニーの長編アニメーション映画『美女と野獣(Beauty and the Beast)』(監督:ゲーリー・トゥルースデイル、カーク・ワイズ)を、1992年9月23日の日本公開直後に初めて鑑賞した。
『美女と野獣』といえば、まず多くの人が思い浮かべるのはディズニーのアニメーション映画だろう。1991年に公開された同作は、世界中で大ヒットし、アニメ映画史上初めて第64回アカデミー賞作品賞にノミネートされ、またアカデミー賞作曲賞(作曲者:アラン・メンケン)と歌曲賞(主題歌:「美女と野獣」、作曲:アラン・メンケン、作詞:ハワード・アッシュマン)を受賞、人気と評価の両面で不朽の名作と呼ぶにふさわしい実績を残している作品である。

宝石赤 cf. Original Theatrical Trailer :


音譜 主題歌「ビューティー・アンド・ザ・ビースト~美女と野獣」:
第64回アカデミー賞歌曲賞(Academy Award for Best Original Song)を受賞した同曲は、劇中ではポット夫人演じる(声優)アンジェラ・ランズベリー(Dame Angela Brigid Lansbury/1925~)が歌唱しており、ベルと野獣が城でダンスをするシーンで流れる(↓ Original Version)。

また、セリーヌ・ディオン(Céline Dion、1968~)とピーボ・ブライソン(Peabo Bryson、1951~)のバージョン(デュエットソング)が映画のエンドクレジットで流れる(↓ Music video)。


音譜 1991 Academy Awards Show “Disney's Beauty and the Beast” :
第64回アカデミー賞(1991年の公開映画を対象に選考される)の授賞式は、92年3月30日に、ロサンゼルスのドロシー・チャンドラー・パビリオン(Dorothy Chandler Pavilion)で開催された。歌曲賞にノミネートされた5曲のうち3曲-「Belle」、「Be Our Gest」、「Beauty and the Beast」は『美女と野獣』の挿入歌。授賞式で上演された10分間のミニショー“Disney's Beauty and the Beast”は、ペイジ・オハラ(映画のベル役〈声〉)、リチャード・ホワイト(ガストン役)、ジェリー・オーバック(ルミエール役)、アンジェラ・ランズベリー、それにセリーヌ・ディオンとピーボ・ブライソンという豪華絢爛な顔ぶれを披露する。ペイジ・オハラ(Paige O'Hara、1956~)とリチャード・ホワイト(Richard White、1953~)が「Belle」の、ジェリー・オーバック(Jerry Orbach、1935~2004)が「Be Our Gest」の、それぞれパフォーマーを務める。そして、アンジェラ・ランズベリー、セリーヌ・ディオン、ピーボ・ブライソンの3人が揃ってテーマソング「Beauty and the Beast」を歌うという粋なパフォーマンスも実現している。


ひらめき電球 私は1999年8月3日(火)、NYのパレス・シアター(Palace Theatre)で、ブロードウェイ・ミュージカル『美女と野獣(Beauty and the Beast)』を初めて観劇した。
ディズニー初の劇場ミュージカルとして製作された同作(作曲:アラン・メンケン、作詞:ハワード・アッシュマン、ティム・ライス、脚本:リンダ・ウルバートン)は、1994年4月18日から1999年9月5日、ブロードウェイのパレス劇場で上演され、11月11日にラント・フォンテーヌ劇場(the Lunt-Fontanne Theatre)に移行し、11月16日に正式に開幕。2007年7月29日、プレビュー公演46回、公式公演5461回上演後閉幕し、ブロードウェイ史上9番目に長いロングラン公演となった。

音譜 1994 Tony Awards Show “Disney's Beauty and the Beast” :
1994年(第48回)トニー賞の授賞式は、同年の6月12日に、NYのガーシュイン劇場(Gershwin Theatre)で開催された。ミュージカル『美女と野獣』は、9部門にノミネートされ、衣装デザイン賞を受賞。授賞式で上演された5分半のミニショー“Disney's Beauty and the Beast”における主要キャスト(オリジナル・ブロードウェイ・キャスト)は、ベル:スーザン・イーガン(Susan Egan、1970~)、野獣:テレンス・マン(Terrence Mann、1951~)、ガストン:バーク・モーゼズ(Burke Moses、1959~)、ルミエール:ゲイリー・ビーチ(Gary Beach、1947~)、コグスワース:ヒース・ランバーツ(Heath Lamberts、1941~)、ポット夫人:ベス・フォウラー(Beth Fowler、1940~)。


ひらめき電球 私は2014年のフランス・ドイツ合作の実写版『美女と野獣(La Belle et la Bête)』(監督:クリストフ・ガンズ、出演者:レア・セドゥ〈ベル役〉、ヴァンサン・カッセル〈野獣役〉)を、2014年11月1日の日本公開直後に初めて鑑賞した。

宝石ブルー cf. 予告編 :


クラッカー 本作、ディズニー実写版には「100年語り継がれるエンターテイメント」とのキャッチコピーがつけられている(cf. Disney Movie「作品情報」)。
しかし、このラブストーリーは実は100年どころではなく、紀元前から語り継がれているものだ。
その源流は、古くはギリシア神話にまで遡ることができる。神であるゼウスが獣に姿を変えて人間を魅了するエピソードに着想を得ていると言われ、そこから幾多の時を経て18世紀のフランスで、1740年にガブリエル=スザンヌ・ド・ヴィルヌーヴ(ヴィルヌーヴ夫人、Gabrielle-Suzanne de Villeneuve)が、6人姉弟の末娘と人里離れた城の主である野獣とのロマンスを書いた。そして程なくして1756年に、ジャンヌ=マリー・ルプランス・ド・ボーモン(ボーモン夫人、Jeanne-Marie Leprince de Beaumont)がアレンジを加えた短縮版を発表。その二つが、現代に語り継がれる『美女と野獣』の原作とされている。
今日、『美女と野獣』を有名にしたのはディズニーだが、この物語は幾度も実写映画化されている。最も古い映画化は1946年、フランスのジャン・コクトー監督・脚本によるモノクロ作品(出演者:ジョゼット・デイ〈ベル役〉、ジャン・マレー〈野獣役〉)である。フランスでは2014年にもクリストフ・ガンズ監督により映画化(前掲作品)されており、さらにオーストラリア、ドイツ、スペインでもそれぞれアレンジを加えて実写映画化されている。ギリシャ神話の頃には神の話だった物語が、時代を経てロマンスへと変貌を遂げ、映画の時代にはさらにその内容が時代的状況に応じて徐々に変化している。
そこでは端的に言って、主人公ベルのキャラクター像の、受動性(おとなしく慎ましく謙虚な性格)から能動性(積極的で自発的で活発な性格)への変化が注目される。2017年版のベル(=エマ・ワトソン)が知的にして力強いヒロイン像【ex.野獣の城に囚われの身になった時、己の運命をいたずらに悲観して泣いてしまう1946年版のベル(ジョゼット・デイ)とは異なり、決して一度として悲しみの涙を流したりはしない】を刻んだ点は、既述の通りである(cf. 本ブログ〈May 30, 2017〉記事「映画『美女と野獣』再見」)。

宝石緑 cf. 1946年公開のフランス版『美女と野獣(La Belle et la Bête)』【鬼才ジャン・コクトー(Jean Cocteau、1889~1963)が18世紀のおとぎ話(ボーモン版)を「映像の詩」に昇華させたラブ・ファンタジー映画 】 冒頭5分間 (このコクトー版は、私にとって未見の映画である) :


[※追記(2017/12/07):2017年12月5日(火)12:40~、本作を早稲田松竹で、4度目の鑑賞]
2017年6月2日(金)新宿ピカデリー(東京都新宿区新宿3-15-15、JR新宿駅東口より徒歩5分)で、18:05~鑑賞。

作品データ :
原題 LOGAN
製作年 2017年
製作国 アメリカ
配給 20世紀フォックス映画
上映時間 138分


『X-MEN』シリーズ(マーベル・コミックの同名のスーパーヒーローチームをベースとしたスーパーヒーロー映画。2000年の『X-メン』に始まり、本作が10作目に当たる)を代表するキャラクターで、ヒュー・ジャックマンが演じるウルヴァリン/ローガンを主役に描く『ウルヴァリン』シリーズ第3作[第1作『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009年)→第2作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013年)]。不死身の治癒能力が失われつつあるウルヴァリンことローガンが、絶滅の危機にあるミュータントの唯一の希望となる少女を守るため、命をかけた壮絶な最後の戦いに身を投じる様を描く。監督は、シリーズ前作『ウルヴァリン:SAMURAI』も手がけたジェームズ・マンゴールド。プロフェッサーX役のパトリック・スチュワート、物語の鍵を握る少女ローラ役の新星ダフネ・キーンが共演。

ストーリー :
すでにミュータントの大半が死滅した2029年。超人的な治癒能力を失いつつあったローガン(ヒュー・ジャックマン)も、もはや不死身の存在ではなく、長年酷使してきた肉体の衰えが目立った。彼はアメリカとメキシコの国境付近で雇われリムジン運転手として働き、年老いたプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)の面倒を見ながら、ひっそりと暮らしていた。ある日、ローガンの前にガブリエラ(エリザベス・ロドリゲス)と名乗る女性が現われ、謎の少女ローラ(ダフネ・キーン)をノースダコタまで送り届けてほしいと依頼する。そんなローラを追って冷酷非情な男ピアース(ボイド・ホルブルック)が武装集団を率いて迫り来る。ローガンは渋々ながらもローラ、チャールズとともに、過酷なアメリカ大陸縦断の旅に出るのだったが…。

▼予告編



▼ Behind the Scenes & visual effects :



▼ウルヴァリン(Wolverine)【2000年の『X-メン』公開以来、ウルヴァリン=ローガンと共にキャリアを歩んできたヒュー・ジャックマン】の“17年”を収めた映像:



[※追記(2017/08/19):2017年8月17日(木)、本作を目黒シネマで、17:15~再見]