映画『ドッグマン』 | 普通人の映画体験―虚心な出会い

普通人の映画体験―虚心な出会い

私という普通の生活人は、ある一本の映画 とたまたま巡り合い、一回性の出会いを生きる。暗がりの中、ひととき何事かをその一本の映画作品と共有する。何事かを胸の内に響かせ、ひとときを終えて、明るい街に出、現実の暮らしに帰っていく…。

2019年10月17日(木)「アップリンク吉祥寺」(東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目5−1 吉祥寺パルコ地下2階、吉祥寺駅北口から徒歩約2分)で、15:10~鑑賞。

「ドッグマン」⑵

作品データ
原題 DOGMAN
製作年 2018年
製作国 イタリア
配給 キノフィルムズ
上映時間 103分


「ドッグマン」⑴

『ゴモラ』で知られるイタリアの鬼才マッテオ・ガローネ監督が、1980年代にイタリアで起こった実在の殺人事件をモチーフに描いた不条理ドラマ。イタリアのさびれた海辺の町で、“ドッグマン”という犬のトリミングサロンを経営するマルチェロは、娘と犬を愛する温厚な男だった。だがある日、暴力的な友人シモーネの儲け話を断れず、片棒を担ぐ羽目に。…全てを失った男が、もとの生活を取り戻して再起しようとする。主演のマルチェロ・フォンテが第71回カンヌ国際映画祭で主演男優賞を獲得したほか、イタリア版アカデミー賞と言われるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で作品賞・監督賞など9部門受賞。

ストーリー
イタリアのさびれた海辺の町で、「ドッグマン」という犬のトリミングサロンを営むマルチェロ(マルチェロ・フォンテ)。店は質素だが、犬をこよなく愛す彼には楽園だ。妻とは別れて独り身だが、彼女との関係は良好で、最愛の娘ともいつでも会える。地元の仲間たちと共に食事やサッカーを楽しむ温厚なマルチェロは、ささやかだが幸せな日々を送っていた。
だが、一つだけ気がかりがあった。シモーネ(エドアルド・ペッシェ)という暴力的な友人の存在だ。シモーネが空き巣に入る時に無理やり車の運転手をさせられ、わずかな報酬しかもらえなかったり、コカインを買わされ金を払ってくれなかったりと、小心者のマルチェロは彼から利用され支配される従属的な関係から抜け出せずにいた。自分の思い通りにいかないとすぐに暴れるシモーネの行動は、仲間内でも問題になり、金を払ってよその人間に殺してもらおうという話さえ出ていた。ある日、シモーネから持ちかけられた儲け話を断りきれず片棒をかついでしまったマルチェロは、その代償として仲間たちの信用とサロンの顧客を失ってしまう。そして、娘とも自由に会えなくなったマルチェロは考え悩んだあげく、ついに元の平穏だった日常を取り戻すため、ある驚くべき行動を起こす…。

▼予告編



▼本編映像 ― 迫力の冒頭3分