映画『マチルド、翼を広げ』 | 普通人の映画体験―虚心な出会い

普通人の映画体験―虚心な出会い

私という普通の生活人は、ある一本の映画 とたまたま巡り合い、一回性の出会いを生きる。暗がりの中、ひととき何事かをその一本の映画作品と共有する。何事かを胸の内に響かせ、ひとときを終えて、明るい街に出、現実の暮らしに帰っていく…。

2019年4月1日(月)ユジク阿佐ヶ谷(東京都杉並区阿佐ケ谷北2-12-19-B1 JR阿佐ヶ谷駅北口から徒歩3分)で、13:40~ 鑑賞。

「マチルド、翼を広げ」

作品データ
原題 DEMAIN ET TOUS LES AUTRES JOURS
英題 Tomorrow and Thereafter
製作年 2017年
製作国 フランス
配給 TOMORROW Films./サンリス
上映時間 95分


情緒不安定な母親に振り回されてばかりの9歳の少女マチルドを主人公に、大人びた少女の葛藤と親子の絆をファンタジックなタッチで描いたヒューマンドラマ。女優としても活躍する『カミーユ、恋はふたたび』のノエミ・ルヴォウスキー監督が、自ら母親役も演じて自身の子ども時代を映画化。マチルド役を本作が初演技となる新星リュス・ロドリゲス、マチルドを優しく見守る父親役を『潜水服は蝶の夢を見る』などのマチュー・アマルリック、そして成長したマチルド役を『彼は秘密の女ともだち』などのアナイス・ドゥムースティエが、それぞれ演じている。

ストーリー
9歳のマチルド(リュス・ロドリゲス)は、ちょっと変わり者のママ(ノエミ・ルヴォウスキー)と、フランス・パリのアパルトマンで暮らす。ママと一緒に向かった学校での面談では、友達のいないマチルドを心配する先生をよそにママの会話は何だかチグハグ。奇行や意味不明な会話が続くそんなママでも、マチルドは彼女のことが大好きだ。親に甘えたい年頃のマチルドは、戸惑いの中、不安を抱きながらも、日々明るく強く生きる。ある日、家に帰ると、マチルドはママから大きな包みのプレゼントをもらった。中には鳥籠(とりかご)に一羽の可愛い小さなフクロウが。その日の夜、マチルドがベッドに入ると、どこからか「おやすみ」の声。自分一人しかいないはずの部屋で、その声の主は、あのフクロウだった。驚いたマチルドは、母親に話すも、フクロウと会話できるのはマチルドだけである。彼は孤独なマチルドにとって親友であり家族の様であり、心の拠り所になっていった。フクロウは守護天使のようにマチルドを気遣い、常に彼女に寄り添い、危うい場面ではアドバイスを送るのだ。フクロウと幸せな時間を過ごすマチルドだったが、やがてママがボヤ騒ぎや引っ越し騒動など、目まぐるしく事件を引き起こす。そして、ついには離れて暮らすマチルドのパパ(マチュー・アマルリック)が彼女らを案じてやってくるのだが…。

▼予告編