映画『第三世代』 | 普通人の映画体験―虚心な出会い

普通人の映画体験―虚心な出会い

私という普通の生活人は、ある一本の映画 とたまたま巡り合い、一回性の出会いを生きる。暗がりの中、ひととき何事かをその一本の映画作品と共有する。何事かを胸の内に響かせ、ひとときを終えて、明るい街に出、現実の暮らしに帰っていく…。

2019年2月5日(火)「アップリンク吉祥寺」(東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目5−1 吉祥寺パルコ地下2階、吉祥寺駅北口から徒歩約2分)で、18:00~鑑賞。

作品データ
原題 DIE DRITTE GENERATION
製作年 1979年
製作国 西ドイツ
配給 アイ・ヴィー・シー
上映時間 109分

日本初公開 2018年10月27日

「第三世代」

ニュー・ジャーマン・シネマの担い手の一人として知られるライナー・ヴェルナー・ファスビンダー(Rainer Werner Fassbinder、1945~82)の劇場未公開作を渋谷ユーロスペースで国内初上映。革命への理念を持たず、“意志と表象としての世界”で目先のスリルだけを追い求める「第三世代」のテロリストたちを描いた作品。出演は『13回の新月のある年に』のフォルカー・シュペングラー、『アルファヴィル』のエディ・コンスタンティーヌ、『ミモザの島に消えた母』のビュル・オジエ、『マリア・ブラウンの結婚』のハンナ・シグラ、『ダウンサイズ』のウド・キアー。ファスビンダー自身は製作、監督、脚本、撮影の4役を兼任。

ストーリー
1970 年代末のベルリン。企業家P・J・ルーツ(エディ・コンスタンティーヌ)は、自身の事業であるコンピューター販売の不振を憂う中で、一つの着想を持った。この都市でテロ事件が起これば、警察が捜査用にコンピューターを導入する、というものであった。そのルーツの秘書ズザンネ(ハンナ・シグラ)は、地下組織のメンバーで、仲間ととともにテロを企てていた。夫のエドガー(ウド・キア)もそのメンバー。そのグループには「革命」のような思想や理念はなく、ただ目先のスリルに耽溺した遊びであった。リーダーはアウグスト(フォルカー・シュペングラー)という男であるが、このアウグストはルーツと通じており、全ては企業と権力の手中にあった。「第三世代」※のテロリストたちは、やがて企業と警察の煽動に乗って誘拐事件を引き起こす…。

※本作のタイトルに示された「世代分類」に関するファスビンダー自身の解説:「近代ドイツ史の大きなスパンでは第一世代は1848年の革命以降の時代、第二世代はヴァイマール期からナチズムの時代、そして第三世代が戦後の現代ということになるが、短いスパン1960年代以降の政治の季節における過激主義の世代分類としても捉えられる。第一世代は世界を変革する理想と権力に対する絶望の中で夢と大義をもって行動した60年代の活動家たちを指す。だが67~68年の運動の過熱化と分断の中で一部の過激な者たちは地下活動としてテロ行為を行っていった。それが第二世代すなわちバーダー・マインホフ・グルッペ(Baader-Meinhof-Gruppe)を中心とした者たちを指す。その後に来るのが第三世代であり、彼らはテロ行為を自己目的化し大義もなくただ活動する者たちである。しかも、それは元来敵対者だった資本家や権力の手法を真似るという状況まで生み出すことになる。」(『13回の新月のある年に』『第三世代』 | 公式サイト

▼予告編