映画『ザ・サークル』 | 普通人の映画体験―虚心な出会い

普通人の映画体験―虚心な出会い

私という普通の生活人は、ある一本の映画 とたまたま巡り合い、一回性の出会いを生きる。暗がりの中、ひととき何事かをその一本の映画作品と共有する。何事かを胸の内に響かせ、ひとときを終えて、明るい街に出、現実の暮らしに帰っていく…。

2018年4月4日(金)目黒シネマ(東京都品川区上大崎2-24-15 目黒西口ビルB1、JR山手線目黒駅西口から徒歩3分)で、17:35~鑑賞。『女神の見えざる手』15:05~と2本立て上映。



作品データ
原題 THE CIRCLE
製作年 2017年
製作国 アメリカ
配給 ギャガ
上映時間 110分


デイヴ・エガーズ(Dave Eggers、1970~)のベストセラー“The Circle”(2013)(吉田恭子訳『ザ・サークル』早川書房、2014年)をエマ・ワトソン主演で映画化したサスペンス。憧れの巨大SNS企業“サークル”に就職したヒロインが、すべての情報が共有されていく社会の闇に直面する恐怖を描く。SNS企業のカリスマ経営者をトム・ハンクスが演じる。監督は『人生はローリングストーン』のジェームズ・ポンソルト。

ストーリー
世界No.1のシェアを誇る超巨大SNS企業“サークル”。 創始者でカリスマ経営者のイーモン・ベイリー(トム・ハンクス)が掲げる理想は、全人類が隠し事をせず、あらゆる個人情報をオープンにする社会だ。大きな輪を意味する「サークル」では、誰もがいつでも繋(つな)がり合い、互いの体験をシェアしあい、最高に刺激的な毎日を送ることができる―。
憧れの最先端企業「サークル」社に採用された24歳の新人、メイ・ホランド(エマ・ワトソン)は、ある事件をきっかけにベイリーの目に留まり、新サービス“シーチェンジ(SeeChange)”のモデルケースに大抜擢される。それは、サークルが開発した超小型カメラを使って、日常生活を全て記録し、リアルタイムで世界中に配信するというものだった。自らの24時間をカメラに晒したメイは、瞬く間に1000万人を超えるフォロワーを集め、アイドル的な人気を博していく。
「全人類を透明化する」というベイリーの理想・信念を素直に全肯定するメイは、更なる新サービス「ソウルサーチ(soul search)」の公開実験に臨む。これは、世界中に仕掛けてある超小型監視カメラを利用して、どんな人物でも約20分以内に見つけることができる…というもの。だが、そこには思わぬ悲劇が待ち受けていた。あまりにも膨大な善意の渦~透明性への異常なまでの情熱~に隠された「サークル」の重大な欠陥に次第に気づき始めるメイだったが…。

▼予告編