コラムでは、本編の流れとは少し違うお話しをします。

感情消化メソッド
コラム

 

目次

シリーズの概要

第1部:心の仕組み

     ―苦しさと解消の仕組み―

第2部:感情消化メソッド

     ―未処理感情解消の考え方と手順―

第3部:人生の問題の解消

     ―未処理感情との関係と解消方法―
 

 

 

「自分を変えたいのに、どうしても同じパターンを繰り返してしまう」
「頭では分かっているのに、不安や緊張が止まらない……」
皆さんは、こんなふうに自分の心が思い通りにならず、もどかしい思いをしたことはありませんか?

こうした悩みの背景には、すべて「無意識(潜在意識)」の働きが関係しています。
 
ネットや本では「潜在意識を書き換えれば人生が変わる」といった説明が沢山ありますが、
仕組みを知らずに無理やり変えようとすると、
逆効果になることが多いと私は思います。

この記事では、心理学や脳科学の視点から、
  • 「潜在意識」と「無意識」の違い
  • 無意識が持つ「すごい力」
  • なぜ「気合」や「ポジティブ思考」では書き換えられないのか

を、説明してみたいと思います。


あなたの心を「困った敵」から「最強の味方」に変えるヒントを見つけていきましょう。

 

上手に味方につけるとスポーツや楽器演奏も上達しやすくなります。

 

 

 

 「潜在意識」と「無意識」の違いとは?
 


ちょっと魅力を感じるこの2つの言葉。
私も心理学を学び始めのころは、

良く調べていました。

同じような意味で使われがちですが、
心理学や脳科学の視点で見ると少しニュアンスが異なります。

潜在意識(Subconscious)
主に自己啓発の文脈で使われ、
「眠っている才能」や「引き寄せの源」など、
意識の下に隠れたポジティブなパワーとして語られることが多い言葉です。

無意識(Unconscious)
心理学や脳科学で使われ、「自覚できない脳の自動処理」全般を指します。

  • 高速処理:考えるより先に反応する
  • オートメーション:24時間フル稼働(心拍や呼吸、危険検知など)
  • 超省エネ:意識しなくても勝手にやってくれる


このブログシリーズで注目するのは、
後者の「高速・自動・省エネで動く、リアルな脳の仕組みとしての無意識」です。

 

この無意識を上手く使えるようになると、人生が豊になります。

 

 
実はすごい!無意識が持つ「自動最適化」の力

「無意識は自分ではコントロールできなくて不便だ」と思っていませんか?

いえいえ、実は私たちは日常生活の9割以上を
この無意識のパワーに支えられているんです。

例えば、自転車に乗ることや、お箸を使うこと。
ひとつひとつ「右手の筋肉をこれくらい動かして……」なんて考えませんよね。
過去に繰り返し経験したことが「学習」として無意識に定着し、
自動運転されている状態です。

これは対人関係でも同じです。
自律神経が「腹側迷走神経優位(安心・つながりモード)」のとき、
私たちは特別な努力をしなくても、表情が柔らかくなり、
自然と相手と打ち解けることができます。

スポーツや芸術で言われる「ゾーン(フロー状態)」も、
意識が引っ込んで無意識が100%主役になった状態のこと。
 
このとき、私たちは自分でも驚くようなパフォーマンスを発揮できます。

 
なぜ「無意識の書き換え」は失敗するのか?

 
「潜在意識を書き換えてポジティブになりたい!」と願う人ほど、
逆に苦しくなってしまうことがあります。
 
そこには無意識の「ある性質」が関係しています。

意識が介入するほど、動きはぎこちなくなる
例えば、歩いている時に「膝の角度はどうかな?」と意識しすぎると、
急に変な歩き方になってしまいますよね。

不安な時に「落ち着け!」「ポジティブになれ!」と
意識(理屈)でコントロールしようとするのは、これと同じ状態です。

特に脳の警戒システム(扁桃体)が動いているときは、
無意識は「身を守ること」を最優先します。

そこに理屈で説得しようとしても、
無意識は「それどころじゃない!」と反発し、
かえって緊張を強めてしまうのです。

 
無意識を「味方」にするためのアプローチ


では、どうすれば無意識を良い方向に導けるのでしょうか。
 
鍵は「直接変えようとせず、無意識が学習しやすい環境を整えること」にあります。


私の体験:トランペット上達を支えた「無意識の学習」

「無意識の学習」というのは、
一般的には「体が覚える」という現象です。

私は趣味でトランペットを吹いていますが、
心理学や行動分析の知識を取り入れてから、
難易度の高いことを、短期間で習得できるようになりました。

以前は、速くて難しいフレーズを覚えたいとき
「根性で何度も繰り返すしかない!」と
自分を追い込んで、がむしゃらに練習していました。
これでは、無意識はほぼ覚えません。

今は、無意識の学習が進みやすいように、
次のステップを踏んでいます。
  1. できる速度まで落とす
    テンポを50%まで下げ、少ない小節ずつ練習。
  2. 脳に報酬を与える
    うまく吹けたら、「できた!」と実感する
  3. 少しづつ難易度をあげる
    緊張したり、力まない範囲で、
    できるギリギリで、テンポを上げたり
    小節数を増やす。
前回の行動分析でお話したとおり、
無意識は、「できた!」と快を感じた前の行動を増やします。
 
無意識は最適化しますから、速度を上げやすくなります。
また「手ぐせ」となって、細かく考えなくても手が動くようになります。
 
あとは、緊張や力みで無意識が
危機対応モードにならないように気を付けながら
テンポを上げたり、フレーズを長くしていきます。
 
そうすると、短期間で無意識が覚えてくれて、
上達していきます。
上達が早いので、練習が面白くなっていきます。
 
 
まとめ:無意識は「変えるもの」ではなく「育てるもの」

どうですか?

無意識って、実はものすごく有能で、愛すべき相棒だと思えてきませんか?
  • 「変えなきゃ」で自分を追い込まない
  • 緊張せずに、脳が安心できるようにする
  • 小さな「できた」を積み重ねて再学習させる

無意識は、あなたを困らせようと
しているのではなく、
ただ懸命にあなたを守り、
支えようとしているだけなのです。
 
さて、本編のほうは、もう少し心の仕組みのお話をした後に、
この無意識の力を使って、
「苦しさが消えていく」ためのワークについてお話しします。
どうぞお楽しみに!

 

 

 

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