前回の記事で触れた「禁止令・ラケット感情・本来の感情・ドライバー・人生脚本を変えようとしない」という話は、心理的柔軟性と深く関係しています。
今回はその重要なポイントを改めて詳しく説明します。
あわせて、現代社会は生きづらさを生みやすい要素があると思いますので、それについてもお話しします。
禁止令やラケット感情、ドライバー、人生脚本は、時に不都合に働くことがありますが、状況によっては役立つ場合もあります。
例えば、「自分の意見を言ってはいけない」という禁止令は、多くの場合不都合に働きますが、時には意見を控えた方が良い場面もあります。
大切なのは、状況に応じて柔軟に選択できることです。
これが「心理的柔軟性」です。
考えや感情を「嫌がる」「消そうとする」「変えようとする」ことは、すべて回避行動です。
また、何かを強く身につけようとすると、それがドライバーとなり、行動を縛る要因になります。
つまり、特定の考えや感情を捨てようとするのも、握りしめるのも選択肢が減り、心理的柔軟性を下がりますから、生きづらさの要因になります。
特定の考えや感情が悪いのではなく、無自覚に影響を受けることで不都合が生じます。
まずは、無自覚ではなく自覚する、つまり「気づく」ことが重要です。
考えや感情に気づいたら、それをただの現象として客観的に観察します。
ただな現象として観察できるようになると、良いも悪いもなく、ただの現象として受け止められるようになります。
これが「距離をとる」ということです。
ACTやマインドフルネスでは「脱フュージョン」や「非同一化」と呼び、RAINという手順で教えられています。
- Recognize(認識する)
- Accept(受け入れる)
- Investigate(観察・検証する)
- Non-Identification(同化しない、距離を取る)
RAINの詳細は「RAIN:感情を整える方法」を参照してください。
この手順を踏むことで、状況に適した健全な判断や言動を選択しやすくなり、心が自由になって心理的柔軟性が高まります。
少し話が逸れますが、現代社会では生きづらい心に誘導する要素が増えていらので、それについてお話しします。
昨今、ハラスメントへの過剰な反応や、コロナ以降の衛生面への強迫的な意識が強まっていますね。
※強迫的:気になって仕方が無いこと
会社内ではハラスメント防止の研修や通達が増え、誰もが注意せざるを得なくなり、ますます強迫的になっていきます。
これは禁止令やドライバーと同じような働きをします。
また、SNSで他人の楽しそうな情報が共有されることで、「人生を充実させなければ」「楽しまなければ」という気持ちになりやすく、これもドライバーを育てやすくなります。
かと言って、このような社会を憂うのは、回避行動になり、心理的柔軟性を下げます。
重要なのは、社会から無自覚に影響を受けないように「気づき」、「距離を取る」ことだと思います。
