このシリーズで紹介するワークは偏桃体の活動を鎮めるものなので、偏桃体の影響が大きい精神疾患にも効果があるはずです。
特に、暴露療法やマインドフルネスを勧められている方には、お勧めです。
紹介するワークは、イメージ暴露療法とマインドフルネスを組み合わせて、取り組みやすくしたものだからです。
暴露療法や暴露反応妨害法に取り組む前の練習にもなり、効果も得やすくなると思います。
- うつ病
- 不安障害・対人恐怖(社交不安障害)
- パニック障害
- 強迫障害
- PTSD
- 適応障害
- 摂食障害
このシリーズでは、「認知のゆがみ」を三毒の内の癡(ち)として扱い解消します。
ここで挙げた精神疾患は、薬で症状を抑えることはできるようですが、薬では治りづらいはずです。
なぜなら、これらの疾患は、心の使い方や脳の使い方の癖によるものだからです。
この癖は無意識が体験の中で学習したもので、薬で変わることは少ないので、薬を止めると症状が再発します。
癖を変えるのは、行動分析が得意する分野です。
このシリーズのワークは、行動分析の手法も考慮しています。
行動分析は、動物が持つ体験することで行動を学ぶ仕組みを研究したり活用する分野です。
人にもその仕組みがあり、意識しなくても行動を覚えるのはこの仕組みによるもので、意図しない癖、手癖を作ります。
感情の傾向、思考癖、偏桃体を活性化させやすいのも、手癖と同様に体験により「無意識の学習」で身に着けたものです。
暴露療法
上記の精神疾患の多くは、暴露療法やそれと類似するイメージ暴露療法、暴露反応妨害療法を勧められると思います。
このシリーズで紹介するワークは、イメージ暴露療法をアレンジをして、マインドフルネスや行動分析の手法を足したものです。
暴露療法は、症状の引き金になる場面にあえて身を置き(暴露)、それに慣れる(症状が出ないようにする)療法です。
成功体験が必要
私の推測ですが、「偏桃体を鎮めるコツ」を掴まずに暴露療法に取り組んでも上手くいかず、失敗する人も多いと想像します。
なぜなら、行動分析的に考えると「症状の引き金となる場面に直面しても、偏桃体が鎮まっていた」という成功体験がないと体が覚えてくれないからです。
つまり、暴露する前に「扁桃体を鎮める」もしくは「扁桃体を活性化させない」スキルを身につけた方が効果が期待できます。
このシリーズのワークは、マインドフルネスのテクニックで扁桃体を積極的に鎮めて、「引き金となる場面でも扁桃体が鎮まる」という体験をして無意識に学習させます。
取り組みやすい引き金から練習することで、「扁桃体を鎮める」コツを掴むことができますので、成功する可能性が高まるのです。
症状の引き金以外の対処も必要
暴露療法は対象になる症状の引き金に着目させることが多いようですが、実際は症状には繋がらないストレスが症状の遠因になっているケースは多いので、その対処も必要だと思います。
この対処のためにマインドフルネスが進められるのだと思います。
このシリーズのワークは、遠因となっているストレスを感じさせる引き金も減らしていくので、この面でも有効です。
心の中の引き金も対象にする
うつ病では暴露療法があまり使われないようですが、それはうつ病の症状の引き金は勝手に湧き出る思考(自動思考)で、可視化しづらいためだと思います。
また、どの精神疾患も、実際には自動思考が引き金の一つになっていると思います。
このシリーズのワークは、引き金となる自動思考を見つけて対応する工夫をしています。
このシリーズのワークでは、偏桃体を鎮めるコツを、やりやすい対象(引き金)から練習することになり、徐々に上達することができます。
自分で取り組めるように工夫しているので、他者には引き金が見えづらいうつ病にも使えます。
また、これらの症状は症状の引き金でないけれど、偏桃体を活性化させる要因があって、症状が起きやすい状態にしている場合も多いと思います。
例えば、「仕事のストレスから、パニック障害の症状がでるようになった」といったケースでは、パニックの引き金だけでなく、遠因の「仕事のストレス」の解消が必要になります。
このシリーズのワークは、こういうケースにも効果を発揮できると思います。
