人生を邪魔する感覚を取り除く

目次

 

 

心の調整を考える上で、仏教の三毒の考え方は分かりやすく、扱いやすいように思います。
 
以前、三毒について記事を書きましたが、詳しく書きすぎて分かりすづらかたように思うので、もう少し短く整理してみます。
仏教的な正しさは分かりませんが、心を整える上でわかりやすいように、私の解釈も追加しながら書いてみます。
 
人生を苦しくするのも、うまく回らないのも、人間関係を悪くするのも、みんな三毒のせいです。
次の記事以降で、その三毒の退治の仕方も書きますので、楽しみにしていてくださいね。
 

 

三毒は煩悩の元
 
煩悩はご存じですか?
煩悩は仏教用語で、人を苦しめる欲や感情、考え方のことです。
 
三毒はその煩悩を構成する根本的なもので、以下の3つが含まれます。
 
貪(とん):過剰な欲、依存、執着などの欲
瞋(しん):怒り、不安、嫌悪、悲しみなどのネガティブ感情
癡(ち):思い込み、偏見、などの偏った考え
 
瞋(しん)が人を苦しめるは、想像しやすいですよね?
憎しみ、後悔、罪悪感、劣等感なども、怒りや悲しみなどから派生したもので、瞋(しん)です。
 
 
三毒は互いに関係する
 

三毒は互いに関係していることが多くあります。

 

何かを強く欲しい(貪)と感じているので、それを得られない時に、不満や嫌悪(瞋)を感じます。

失いたくないという執着(貪)が、失う不安(瞋)を感じさせます。

愛を失う不安(瞋)が、金銭欲や名誉欲(貪)につながる場合があります。

 

アルコール依存症・ギャンブル依存症(貪)は、不安や悲しみ(瞋)から解放されたいという欲(貪)が関係していることも多いです。

 

劣等感(瞋)があるから、「私は、本当は優秀なのに、周りは認めてくれない」という考え(癡)にしがみついたり、今まで信じてきた価値観(癡)が否定されると、不安や悲しみ(瞋)に繋がります。

 

三毒は肥大化しやすい

 

また、勝手に肥大化しやすい性質もあります。

 

貪は満たせば満たすほど強くなりやすいです。アルコール依存症やギャンブル依存症などがその例です。

 

精神疾患などは、瞋が肥大化したものです。

例えば、不安症は「また自分が不安になりそうなのが不安」、ウツは「自分がウツなのが悲しい」という悪循環が症状を重くします。

三毒解消に取り組むと症状が軽減する精神疾患はたくさんあり、治療としてマインドフルネスを勧められることが多いのはこのためです。

 

偏った考え(癡)はそれを正当化するために、無理なストーリー(癡)を生み出す必要が出てきて、歪んだ世界観を広げる場合があります。

 

 

三毒は執着を生む

 

三毒が強くなってくると、以下のような状態になりやすくなります。

  • どうしても欲しい。絶対手放したくない。もっと欲しい
  • どうしても許せない。嫌いで仕方がない。心配でしかたがない。
  • この考え方を理解させなきゃ。どうしてみんな理解できないんだ?
  • きりきり、ひりひり、がつがつ、緊張

こういう状態になっているとき、三毒の影響を強く受けています。

仏教では、これらを「執着」と呼び注意するよう教えます。執着も煩悩の一つです。


 

三毒の影響が少ない時、以下のように感じられるようになります。

  • ま、いっか
  • なんとかなるさ、ケセラセラ
  • ほんわか、リラックス

これらの感覚は、寛容さや自信につながっていることが分かりますね?

こういう状態が多い人は、精神疾患になりづらいですし、人間関係の悩みも少ないはずです。

 

何かを「これが好き!」という好みやこだわりが心を豊かにしてくれるなら問題ありませんが、それが「絶対、これ!」「そうでないと我慢できない」と不満や他者への強要になると、煩悩化したことになります。

この時、三毒の影響が大きくなっています。

 

三毒は葛藤や迷いを生む

 

迷ったり葛藤したりするのは、異なる執着がぶつかっている状態です。

つまり、これも三毒の影響を受けています。

三毒を解消して「まいっか」「なんとかなるさ」と感じられる状態になると、葛藤や迷いは消えます。

 

重要な判断を真剣に検討するのも重要ですし、いろいろな改善を検討するのも、豊かな人生にはとても重要です。

それに向き合わずに考えることを放棄したり、いつまでも決められない時も、三毒が関係しています。

 

「良い判断をしなきゃ」という貪が強くなったり、瞋や癡が「どうせ、うまくいかない」と思わせがちなのです。

三毒を解消すると、判断すべきことは判断し、保留にすべきことは保留にするということがしやすくなります。

 

 

三毒は人間関係を悪くする

 

人間関係の問題の多くは、互いの執着のぶつかり合いや、不安や警戒心から生まれる攻撃です。

それぞれ、「価値観の不一致」「性格の不一致」と感じるかもしれませんが、お互いに三毒を高めあう関係になっている場合があります。

「愛してほしい」が(貪)になると、「愛されていないかもしれない」と不安(瞋)になり、「どうして、xxしてくれないの?」という怒り(瞋)に代わっていきます。ちなみに、怒りは不安や悲しみが変形したものです。

 

人間関係が増えない深まらないと感じるのも、「受け入れてほしい」「受け入れてもらえないかも」が貪や瞋になっています。

 

三毒が減ると、意識しなくても自然に人間関係が円滑になり、友人が増えていきます。

 

 

三毒は疲れさせる

 

三毒は、瞋:ネガティブ感情に繋がってくるので、体を緊張させ疲弊させます。

鍼灸師に聞きましたが、ウツの人は体がガチガチなことが多いそうです。

 

貪:過剰な欲・依存症は、体調を無視して何かをさせようとしますから、やはり疲弊させます。

 

三毒を消す方法はいろいろありますが、どれも取組むとリラックス効果があります。

それは、緊張の基になっていた三毒が減るからです。

 

三毒は能力を発揮させない

 

「試合や試験の本番で力を出せなかった」というのは、多くの人が経験していると思います。

これにも三毒は関係します。

 

「絶対勝ちたい」「うまくやらなきゃ」という貪(とん)が大きくなると、不安や緊張などの瞋(しん)に大きくなって、能力を発揮することができなくなります。

これも、三毒の処理が上手になると解消します。

 

だれにも苦手な場面がありますね?

たとえば、私はプレゼンが苦手で演台の前に立っただけで緊張していました。

このような苦手な場面も、三毒の処理が上手になると解消します。

 

三毒は人生を邪魔する

 

三毒はどれも、人を偏った動きをさせるようにはたらくのは分かりますね?

つまり、現実と不適合な動きや考えを生みやすいのです。

 

幸せになるコツのひとつに「いまここ」というのがありますね?

三毒はそれを邪魔します。

 

三毒は仏教用語ですが、「いまここ」という考え方も仏教的な考え方が元になっているんですよ。

禅宗が元になっているマインドフルネスというのも、「いまここに集中する」という意味が込められています。

 

 

三毒を減らしましょう

 

けっきょく長くなってしまいましたが・・・

三毒がいろいろな場面で人生を邪魔をしていることや、

三毒が減ると幸せになることは、ご理解いただけましたか?

 

お坊さんが目標とする「悟る」というのは、煩悩から解放されることで、それは三毒から解放されるもしくは、コントロールできるということです。

つまり、幸せになれる心つくる術を身につけることが目標です。

 

そのための修行はいろいろありますが、瞑想(座禅も瞑想の一種) はその中でも重要な修行の一つです。

瞑想の上達は幸せになるための極意ということになります。

 

でも、瞑想は難しそうですよね?

私がウツから自力で回復した時の方法は、もっと簡単に三毒を減らす方法です。

 

その方法を次の記事で紹介しますね。

この方法は、目標を実現したり本番で力を出し切ったりするのにも役立ちますから、お楽しみに!

 

 

私の実体験を以下でご紹介しています。

これを書いたときは三毒という概念知る前でしたが、やっていたのは三毒の解消です。

こちらも参考にしてくださいね。