アドラー心理学で心を整える

アドラー心理学をヒントに、自分の心の健康や歪みに気づく方法を考えるシリーズです。

 

【目次】

 

 

アドラー心理学では、人が幸せに生きていくために重要な感覚として、共同体感覚を上げています。

共同体感覚というのは、「仲間と共に生きている感覚」といったものです。

 

共同体感覚を感じられている時、人は幸せを感じ、前向きで建設的な生き方ができます。

共同体感覚を感じられないと、その代替えの感覚を得ようとして非建設的な行動をとりやすくなります。

 

自己否定感からの不健康な生き方 (1/2)もそれです。

 

 

私たちが幸せな条件としてあげがちな、経済的な成功、会社の昇進、リッチな遊びなどは、関係ありません。これらを求めるのは、むしろ共同体感覚から遠ざける感覚から来ることが多いと思います。

共同体感覚の重要さを知ると、「自分の幸せ」を考え直すきっかけにもなるかもしれません。

 

 

そでは、まず共同体感覚について、考えてみましょう。

 

 

 

人は仲間を強く求める

 

自殺する動物は、人だけと言われます。こうなるのには、人特有の共同体感覚への強い欲求が関係します。

 

 

動物には、生存本能という強い本能があり、どうにかして生き残ろうとします。人にもあります。「死にたくない」とか、死への恐れは生存本能が関係します。

 

この本能がない種は、すぐに死んでしまい絶滅してしまいますから、生き残っている種には、強い生存本能があるはずです。

 

ところが、人は自殺する場合があります。

つまり生存本能の欲求よりも、強い欲求があることになります。

 

それが、「仲間と一緒にいたい」という欲求です。

 

自殺というのは、「自分は、社会に受け入れられない」と強く感じ、その苦痛から逃れたいという感覚が、生存本能よりも強くなったときに起きるものです。

 

 

ウツなども、「社会に受け入れられない」という感覚が関係します。コロナで人と交流が減りがちな今は、特に共同体感覚を意識する必要があるのかもしれません。

 

 

力の弱い人間は、厳しい自然のなかで孤立したら生きていけず、仲間と一緒にいることを優先するように進化したのかもしれません。

 

 

 

共同体感覚

 

共同体感覚というのは、以下のような感覚です。

  • 仲間に生かさられている(所属感)
  • 仲間に貢献できている(貢献感)

仲間から気にかけてもらっている。大切に思われている。

家族の心遣いで、リラックスできている。

社会に生きる人々の努力で、安心して便利に暮らせている。

 

といった人とのつながりや、仲間の存在などへのありがたさを感じられている時、人はリラックスして幸せを感じます。これらは色々な心理学でも重視される考え方です。

 

 

もう一つアドラー心理学の特徴として、貢献感が重要と考えます。

貢献感というのは、「仲間から役割を期待されている」「仲間に貢献できてる」と言ったものです。

 

この貢献感は、「仲間に受け入れられる」条件ではなく、幸せを感じ生きる為の条件として重視されます。

 

 

貢献感の欠如
生かされているだけでは、幸せじゃない

 

以下の著書の中で、優秀な社員がいて経営が安定している会社の後を継いだのに心と健康を崩してしまう人の例がでてきます。

 

 

会社の後をついだのですが、なんなでも社員がやってしまい、自分のやることがありません。

そして会社の経営が上手くいっているので、口出しする必要もありません。

 

社長というだけで、「好きにしていて良い」といわれ役割を与えられず、自分でも見つけられません。

本人は学校の成績がよく優秀な大学をでていて色々な知識を持っていますが、役立てる場面を見つけられません。

 

そして、毎晩のように飲みにでかけるようになり、体を崩していきます。医者や関係者から止められてもやめることができません。

 

 

この問題は「貢献感の欠如」と考えることができます。

 

 

上で挙げた著書の中では、子供に対しても手伝いなどの役割を与えて、「家族のために役立っている」と感じさせることが自立や健康な心を育てるために重要としています。

 

現代は昔と違って、意識しないと手伝わせることがないことが、子供の自立を阻害したり、心の成長を歪める一つの要因でもあるようです。

 

ただし、役割を強要し子供を服従させて「何かをさせる」というのは貢献感は育ったたず、不健康な心を育ててしまいます。この問題はべつの機会にお話をします。

 

これらにも、勇気、横の関係、課題の分離が関係します。

 

托鉢は信者のため

 

仏教で托鉢というものがありますね。

僧侶が信者の家を周り、食事などの施しを得るものです。

 

托鉢は僧侶や寺院のためだけのものではなく、信者の心の幸せのためだと言われ、飢饉や戦争なとで信者の心が疲弊したときこそ、托鉢をするのだそうです。

 

 

また、「一日一善」というのも、世の為ではなく、自分の心のためにするのだそうです。これも貢献感に関係すると思います。

 

 

これは、アドラー心理学が重視する貢献感とあわせて考えると理解しやすいと思います。

 

 

 

共同体感覚を呼び起こす

 

アドラー心理学では、共同体感覚に満ちた生き方のコツなども示されていますが、それは別の記事でお話をするとして、まず共同体感覚を呼び起こすことを考えてみましょう。

 

友人や家族といる時、その心地良さに意識を向けてしっかり味います。そして、その人達のために出来ることにも思いを巡らしましょう。応援する、勇気づけるも「出来ること」の一つです。

 

 

また、朝晩や時間が空いたときに、「他人からしてもらってうれしかったこと」と「誰にかに喜んでもらったこと」を思い出して、その時に感じた気持ち良さを思いだして味わいなおします。

 

少しだけコツがあります。

「他人からしてもらってうれしかったこと」の時は、してもらった内容ではなく、そうしようとしてくれた人そのものや、その関係に感謝します。

「誰かに喜んでもらったこと」の時は、自分がしたことではなく、自分がしたことで喜んでいる人に着目します。

 

 

このコツは、勇気、課題の分離、横の関係などが関係します。共同体感覚を呼び起こす詳しい方法は、それらの後にお話ししたいと思います。