前の記事で、暴走する思考や、肥大化する欲の仕組みについて書きました
それらに対処するには、まず気付かなければなりません。
気付くために、それらの特徴を整理しましょう。
肥大化した欲には、不快だったり、苦しい感じの感覚を伴います。
これらの感覚に気づくのが、もっとも気づきやすいと思います。
例えば以下のような感覚です。
- 不満、不足感、欠乏感
- 悲しみ、喪失感
- 不安、恐れ、猜疑心
- 怒り、批判、他者への攻撃
- 嫌悪、拒絶、抵抗
- 焦り、駆り立てられる
- 緊張、深刻、構える
- 頭がスッキリしない
- 無力感、やる気がしない
など。
次にあげる肥大化した欲の特徴に関心をもって、自分の中で起きる感覚に注意を払っていると、この他の感覚にも気づけるようになっていくと思います。
また、感情が高ぶっていると、欲にも思考にも対応ができないので、感情を鎮める技術が必要になります。
肥大化した欲には以下の4つの特徴を持った考えや感覚を伴います。これらの考えや感覚が欲を肥大化させているとも言えます。
- GET:
取りたい。知りたい。勝ちたい。なりたい。 - MORE
もっともっと。より多く。もっと上手くやりたい。成長したい。 - HOLDE:
持ちたい。保ちたい。忘れたくない。変えたくない。守りたい。失いたくない - COMPARE
どっちが良いか?これが正解か?
1,2が満たされないと、不満足や満たされない不安になります。駆り立てられる感覚にもつながります。
3が満たされないと、喪失感や悲しみになります。奪われたり失う恐れや、減ることや変わることへの嫌悪にもなります。現状や自分の考えや価値観への執着にもつながります。
4はそれらを実行するために、よりよい事柄を選別しようとする感覚です。
こう書くと欲は悪者に見えますが、私達が自分を成長に駆り立てたり、人類が文化をや社会を作ってきた原動力でもあります。
要は "欲は使いよう" ということになります。
うまく、欲を「使いこなすこと」が重要になりますが、不快に感じるときはうまく「使いこなせていない」ので、対処が必要になります。
肥大化した欲を鎮めたり、欲が肥大化させない技術が必要になります。
思考が暴走すると、自動思考の仕組みの影響もあって、アッという間に考えでアタマを埋め尽くします。
納得できる答えがあれば、思考は止まりますから、アタマには余裕が残ります。
つまり、考えで頭がいっぱいになる時、思考は答えが出せいない状況を続けています。
肥大化した欲がそうさせていますし、答えが見つからない不満足が欲を肥大化させます。
この「答えのない思考」には、以下の3つのパターンがあります。
無限型
「もっともっと」「どうしても欲しい」など、そもそも答えがなかったり、ほとんど不可能なことを考える思考です。
過去を取り戻そうとしたり、起こるかどうかわからない未来について答えを出そうとするのもこれです。
結構を出そうとして「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」というのもこれです。
相反型
「Aを買おうか、Bを買おうか」「挑戦しようか、やめようか」といった迷いや葛藤する考えです。
「Aも欲しいし、Bも欲しい」という別の欲求からも来ている場合もし、同じ欲求のなか「欲しい」と「失いたくない」がぶつかっている場合もあるとあると思います。
循環型
「金持ちになるために勉強に沢山お金をかけなきゃ。その他ためにもお金を稼がなきゃ」といった、堂々巡りの思考です。
後で冷静になったときに、「なんて馬鹿なことを考えたものだ」と気づけても、ことが起きている最中に思考経路に気づけないと、あっという間に思考が暴走して「あぁぁ、どうしよう」と感情的になったり、欲を大きく育てたりします。
まずは、思考に気付てい止める技術が必要になります。
上のような3つの着眼点は、仏教の煩悩の三大要素とされる三毒に相当するように思います。
三毒というのは以下を指していて、これらを解消すると悟れる(幸せになれる)とされているものです。
瞋(しん):ネガティブな感情
貪(とん):貪欲、渇望
癡(ち) :妄想
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