何か不安で心配している時に、「不安になる必要はない」という根拠を集めても、不安は無くなりません。

理屈を理解する脳の部分と、恐れを感じさせる脳の部分が違うからです。

 

同様に、幸せになる考え方や、生き方を学んだだけでは、幸せになりません。逆に、それができない自分をイヤがって偏桃体が働き始め、苦しくなることの方が多いと思います。

 

 

仏教では特定の考え方に執着することを諫め、「自分の心に向き合え」と教えます。

 

 

 

恐れを感じさせる心のクセ

 

恐れを感じるときに、「xxだから危険」という理屈は直接は関係ありません。

恐い思いをした過去の経験があると、それに似た場面にであった時に、過去に感じた恐れを再生しているだけです。

 

有名な「パブロフの犬の実験」を思い出すと理解しやすくなります。

犬に餌を与える時にブザーを鳴らすことをつづけると、ブザーがなっただけで涎や胃液が出るようになるというものです。

行動分析という分野で研究されいて、レスポンデント条件付けと言います。

 

つぎに、ブザーを鳴らしても餌を与えないことを続けると、涎や胃液が出なくなります。

 

 

この実験からは、以下のことが分かります。

  • 犬にもある脳が覚える現象
  • レスポンデント条件付けは消すことができる

これは、以下の考えにつながります。

  • 恐れは、理屈を考える脳とは別のことろで覚えている
  • 恐れは、消すことができる

 

 

心のクセに関する脳

 

 

 

理屈を理解するのは、大脳新皮質で行われます。

感じ方のクセや行動のクセは、大脳辺縁系で作られます。

 

スポーツや芸能はノウハウを教えられただけでは上手くならないように、適切な考えを学んだだけでは感情のクセは変わりません。

どちらも練習や体験が必要になります。

 

 

大脳辺縁系は、感情とその時の刺激(見たもの、聞いたもの、嗅いだもの、体感、自分の動作)をセットに覚えます。そして、またその刺激を受けた時にセットになった感情を再生します。

 

恐れを感じるクセは、ある刺激(人の態度、状況、考えなど)と「偏桃体が働く」ということを大脳辺縁系が覚えることで起きます。

 

 

職場で上司に怒られることが続くと、職場についただけでピリッとしたり、上司の写真を見たけでピリッとするのはこうした仕組みによります。

 

 

人生を邪魔する感覚を消す仕組み

 

人生を邪魔する偏桃体の働き 」で偏桃体の働きが人生を邪魔をしているお話をしました。

 

その偏桃体はある刺激で動き始めます。

その刺激というは、出来事、考え、環境、自分の中の感覚など色々なものがあります。

 

その刺激を受けた時に、「偏桃体が働かない」という体験を何度かすると、偏桃体が働かなくなっていきます。

 

 

私がお勧めする方法は、偏桃体が働いた状況を思い出し、それをイメージしながらRAIN によって偏桃体を鎮める方法です。

 

例えば、以下のように取組みです。

  • 苦手な場面や人を思い浮かべ、出てくる緊張などを RAIN で鎮める
  • 辛かった経験を思い浮かべ、出てくる悲しみ・怒りを RAINで鎮める
  • 不安になる考え(例:「試験に合格するのだろうか・・」)を思い浮かべ、出てくる不安をRAINで鎮める

この "思い浮かべて" の部分は、書き出しながらやったほうがやりやすいかもしれません。

 

これに取組むと以下のように感じるようになります。

  • 嫌いなものが嫌いでなくなった
  • 恐かったことが恐くなくなった
  • 苦手だったことが苦手でなくなった

実際には、嫌いなもものが嫌いでなくなったり、恐かったことが恐くなくなったわけではなく、「許し難いことが、許せるようになる」「向き合い難いことが、向き合えるようになる」と言いうことです。

 

「感情で反応しなくなった」ともいえるかもしれません。

 

これは、扁桃体が働くきっけが減り、前頭前野が活発になりやすくなって、人生が良い方向に回りやすくなるということになります。