私の方法は、自分の中で起こる感情や考えを客観視できる必要があります。
でも、多くの人は普段「腹立つー!」となっている時、感情に飲まれて自分を客観視できていません。
まずは、この状態から離れる必要があります。
そのスキルをしっかり磨くには、瞑想などがよいと思いますが、それでは習得に時間がかかります。
ここでは、習得しやすい簡単な方法を紹介します。
これを繰り返して慣れると上達していきます。
方法の説明の前に、「感情に飲まれる」という状態がどういうものかを整理しましょう。
私が「感情に飲まれる」と表現する状態は、ACTやゲシュタルト療法では同一化とかフュージョンと言います。
私たちは感情に心を委ねると、考えも周囲の見え方大きな影響を受けます。
たとえば「怒り」に心を委ねると、周囲は腹立たしいことばかり目につき、考えは批判的で攻撃的な考えばかり出てきます。
考え方も見え方もある方向性が強くなってしまい、また冷静にありのままに自分の状態を観察することができなくなります。
まずは、この状態から抜ける必要があります。
もっとも簡単な方法は、自分の状態を中継するような要領で、心の中で呟く方法です。
例えば、「私は、"XXX" と感じている」「私は、"XXX" という考えがある」という要領です。
これを心の中でつぶやいた後、自分が感じていることに意識を向けてしっかり観察します。
これをせずに、考えを追うと飲まれていきます。
「あいつは腹立たしい」という考えを「だって・・・」「そういえば、あのときも・・・」と追うとどんどん感情に飲まれていきます。
ですから、感情や考えに気付いたら、言葉にした後はすぐに感覚に意識を向けると客観視できるようになっていきます。
言葉は声に出した方が上手くいく場合も多いと思います。
この方法が難しい人は、もっと他人ごとのような表現が良いかもしれません。
たとえば、「おや、また怒りさんでてきましたね」「今度は、不安がでてきましたね」といった要領です。
この方法は、私がセルフヘルプ系の方法を覚え始めた時に、試した方法で効果を感じました。
当時の私は、ネガティブ感情がいっぱいになることが多く、苦しんでいましたが、上の方法で瞬間的にはネガティブ感情から抜けることができました。
ネガティブ感情が生まれないようにするには、他のステップも必要になり、それがこのシリーズのテーマでもあります。
可能であれば、書くのも効果があります。
私は会社では自分へのメールに書き出したり、スマホにメモをしたりしていました。
可能であれば小さいメモ帳に書き出すのも良いと思います。
言葉を吐き出して、目で見るとより客観視できるようになります。
とくに、"ぐるぐる思考" になっている人は、効果があります。
"ぐるぐる思考" は、自動的に考えを追いまくる状態ですが、湧きだす考えを書きだすことで、冷静さがもどってきて落ち着いてきます。
"ぐるぐる思考" も、私が苦しんだ状態ですが、この方法で抜けていました。
ある程度コツをつかんだら、マインドフルネスの練習がお勧めです。
根本的なスキルとしては、マインドフルネスが必要になると思います。
以下の本では、瞑想以外の練習もいろいろと紹介されています。
マインドフルネスの本は沢山ありますが、この本はマインドフルネスに取り組むときのコツなども詳しく書かれていて、読んでいて腹落ちすること多くありました。
前の記事でお話をした、内部領域・外部領域への意識を向ける練習方法がいろいろ紹介されていますよ。