仏教の心理学の話は少しお休みをして、難しい人との付き合い方を考えてみます。

 

どこにも他人を攻撃してくる人がいます。私は法人相手の営業をしていますが、社内にも顧客にもそういう人がいて、対応に頭を悩ませます。

私の元妻もこのタイプです。私は、この手の人のターゲットにされやすい傾向があるのかもしれません。

 

 

そういう人の攻撃をかわしながら、自分の目的を果たすにはどうしたらよいのでしょう?

 

対策を考える前に、敵を知ろうと思います。

対策を考えるのに必要な、他人を攻撃する人の性質を整理してみます。

 

 

以下の本を参考に、仏教心理学的な解釈も加えて、考えてみます

 

 

 
他人を攻撃する人の特徴

 

ここでは、以下のような人たちを想定します。

  • 何かと批判したり、難癖をつける人
  • 難しい注文を付けて、人を困らせる人
  • クレイマー
  • パワハラ
  • モラハラ
この人たちの言動の特徴として以下があげられます。
  • 突然、怒り出したり、「違うでしょ!」と批判を始める
  • 他人の意見を聞こうとしない
  • 建設的な議論よりも、どちらが正しいかの議論を優先する
  • 自分の負けやミスを認めない
  • 重要な場面では謝らない
  • 他人の気持ちや都合への配慮をしない
  • 自分の満足だけを重視する
上で挙げた特徴は、仏教でいう慢の典型で、それが強く表れることが多い人です。

 

※「慢」については、以下の記事をご参照ください。

関連記事:要注意の貪欲:刺激への欲求、承認欲求

 

 
困った性格が大きくなる時

 

慢は、怒りの理由を探し誰かを悪者にして、「やっぱり自分が正しい」と思うことで膨らんでいきます。

 

つまり、この困った人たち以下のように感じると、その慢が膨らみ、より頑なになり攻撃的になるということです。

  • 議論に勝った。意見を押し通せた
    (やっぱり、私が正しい)
  • 私に意見を求められた。私が判断した
    (やっぱり私が優れている)
  • 気分の悪い思いをさせられた
    (やっぱり、あいつが悪い)

少し考えると、一度議論になってしまったら勝っても負けても、困った人の性格を強くすることになることが、わかると思います。

 

しかも、人の意見を聞くこともなければ、相手の価値観や都合への配慮はありません。

ですから、この人たちとは戦っても良いことはありません。

 

また、その人にとって困ったことが増えると、怒りが増えますので、こちらの言動とは関係なく攻撃が増えてきます。

 

 

ですから、このような性格を持った人とは、付き合わない方がよいのですが、この手の人に悩む人が多いのにも事情があります。

 

 
ターゲットの選び方

 

この手の困った人は、誰をも攻撃するわけではありません。

攻撃のターゲットの選び方には、以下のような傾向があります。

  • 関係を切りづらい人
    (家族、恋人、上司部下など)
  • 反撃力が弱い人
    (口論に勝てない人、立場の弱い人)

こういう人見つけると、その人の不出来を見つけて攻撃を始めます。

人は色々な都合で理想的な対応ができないことがありますが、そのような面は考慮せずに「ダメな人」という部分を見つけて攻撃してきます。

 

つまり、こちらに不出来があるから怒っているのではなく、攻撃したいから不出来な部分をほじくり返すのです。

 

それを指摘して相手が凹むと、「ほら、やっぱり私が正しい」となり慢を育てます。

 

 

ちなみに、このような人とうまく付き合えているからといって、油断をしていけません。

今は、相手が「関係が不安定」「相手の立場が上」と思っているだけかもしれません。このようなケースでは、困った人たちは気持ち悪いぐらい従順だったり、愛想がよかったりします。

 

この場合は関係が変わると、態度が激変する場合があります。

 

私の元妻は結婚前と、結婚して子供が生まれてからは態度が大きく変わりました。おそらく本人はその変化には気付いていません。強い慢の状態の人は、自分の状態を客観的に把握できないからです。

 

 
対策のポイント

 

対策の主なポイントは以下のようになると思います。

  • 議論をまともに受けない、挑まない
  • 相手の意見を尊重も否定もしない
  • 相手を頼りにもしない、邪魔とも思わない態度
  • 相手の都合や気持ちに合わせることも、邪魔することもしない

要は「貴方の影響を受けずに生きていける」という態度、という感じです。

 

でも、相手はこれをさせないように、色々と仕掛けてきます。影響力を行使したり、確認してきます。

 

ターゲットにされやすい人は、そういった仕掛けへの対処が不適切だったり下手な人と言えます。

 

そうなってしまうのには、やっぱり承認欲求や慢が関係するように思えます。

これについては、次の記事で。