私の紹介する方法は、考えとセットになっている感情を変えていくものですが、そもそも感情は何のためにあるのでしょうか?
- 不安:
初めてのことや危険なことに向かうときに、慎重になるための状態 - 悲しみ:
慣れ親しんだものを喪失したときに、喪失した環境にあった考え方に変えるために、新たな情報を減らそうとしている状態
などのように、感情はある言動をしやすい状態にします。
感情は、体や神経に影響するので、体の中の "感じ" としても感じ取ることができます。
この体の中の "感じ" を観察するようになると、通常私達が "感情" と呼んでいる喜怒哀楽だけではなく、「xxに駆り立てられる」「xxが、気になって仕方がない」「xxに、気持ちが向かない」といった感覚も、感情とよく似たものであることが分かってきます。
この "xx" を頭に思い浮かべたときに、体の中の "感じ" が変わるからです。
感情は心が体をある状態にしようとしているものなので、心の意図が隠れています。
心の意図には、
- 何かをさせようとする
- 何かに注意を向けさせようとする
- 何かに気づかせようとする
と言ったものがあります。
例えば
- ある考えに注意を向けさせようとしている
- 隠している自分の本音に気づかせようとしている
なども含まれます。
これらが、体の中の"感じ" に現れています。
心の意図は不適切なものも含まれますが、心の意図である "感じ" をしっかり観察すると、心は不適切なものは修正します。
つまり、ネガティブな考えに注意を向けているのが不適切だと心が知れば、注意を向けなくなり、ネガティブな考えが無くなります。
昔よく聞いていた曲を聴くと、その時の感情が蘇ってくるという経験されたことはないでしょうか?
例えば、昔の恋人と良く効いていた曲を聴くと、ほろ苦い気持が湧いてくるとか・・・
つまり、ある曲にその時の感情がくっついたのです。
これは、音楽だけではなく、味や匂い、イメージ、肌触りなどの情報ともくっつきます。
食中毒を起こすと、その食材(イメージ)や味、匂いが苦手というのも、それらの情報と苦痛がくっつたいからです。
そして、感情は考えにもくっつきます。
不適切な感情が考えとセットになってしまうと、効果的な言動を制限されます。
牡蠣にあたってしまったために、牡蠣が食べれなくなってしまった・・・というのと、心の仕組みとしては同じものです。
私の紹介する方法では、感情に心の意図が現れていることに着目します。
つまり、「感情が動く」=「体の中の"感じ" が変わる」のを見つけたら、その変化をしっかり観察して心にその意図が適切なものかどうかを再考させます。
ここでいう再考というのは、意識で考え直すということではありません。
意識ではコントロールできない、心の奥底での再考です。
心の奥の方は、私達を幸せにするために最善を尽くします。
しっかりとした情報と機会を与えると、心は私達を幸せにする選択をしてくれます。
心が不適切な調整をしてしまうのは、心にそういう機会が不足していたということです。