家 | ここは

ここは

あたりまえだったこと達が
あたりまえではなくなった時

寝坊した

君のいない
密閉されたリビングは

空気の流れも
時の流れも止まっていた



私の眠りを阻止し続けた
振り払っても消えない
右腕の気怠い鈍痛が


今朝もまだ
小さく息をし
住み着いている




よく眠る君の携帯を盗み見たから?



ネットの閲覧履歴を見たかった



眠る前の君は
私に注意を払いながら
どこかのページを眺めていた




尋ねる私に
なんでもないよと
静かに目を伏せた




なんとなく



君がこのページの存在を
知ったのだと悟ったんだ



誰も知らない私の隠れ家



君は私の心を覗いて
なにを思うだろう





閲覧履歴は 真っ白だった