ロンドン朱文金とブリストル朱文金
ロンドン朱文金とブリストル朱文金は、どちらもイギリスで開発された金魚ですが
その元になった朱文金は日本の秋山吉五郎氏が
中国で作られた三色(キャリコ)出目金とフナ尾のワキンと
ヒブナ(使われなかった説も)から19世紀末から20世紀初めに開発したものでした。
そして明治35年(1902年)に松原新之助氏によって”朱文金”と命名されました。

アメリカで1909年に出版された「JAPANEASE GOLDFISH」中の
松原新之助氏による朱文金のイラスト (金魚道 VOL.78引用)
20世紀初め頃から朱文金は、太平洋を船便でアメリカの西海岸まで輸出され、
アメリカ人の好みに合い非常に流行したといわれます。
次いでアメリカの西海岸から大陸横断鉄道などにより東海岸まで運ばれてから
今度は大西洋を船便でイギリスまで輸出されたものと思われます。
そしてイギリスでも寒冷な気候にマッチして好まれる金魚になり、
第一次世界大戦(1914~1918年)から第二次世界大戦(1939~1945年)の間に
フナ尾ワキン(素赤)と交配されて出来たのがロンドン朱文金だそうです。

The London Shubunkin as illustrated by Merlin Cunnliffe
体型と尾は、ほぼフナ尾ワキンで三色(キャリコ)ワキンと表現されても
違和感は無いと思います。
イギリスのThe Goldfish Council(TGC)での評価基準では
体の25%~35%が墨(黒色)であることと、全てのヒレに墨(黒色)が
含まれることが高評価と決められています。
日本でも近年にフナ尾三色ワキンが流通して私のようなフナ尾好きに
好評を得ていますが、いつごろから開発されたのかは知りません。
1934年にBristol Aquarist's Society(BAS)でブリストル朱文金の
スタンダードが作られたそうなので、ロンドン朱文金とブリストル朱文金の
どちらが先に開発されたか不確かですが、
ロンドン朱文金がブリストル朱文金の元になったという説も一部にあります。

The Classic Bristol Shubunkin as illustrated by Merlin Cunnliffe
ブリストル朱文金は "Bristol Blue Shubunkin"とも表現される程に
青色を重要視していて BASのスタンダードでは
体の25%以上が青色(浅葱)であることとしています。
上のイラストは"The Classic Bristol Shubunkin"となっていますが
下のイラストは”The Modern Bristol Shubunkin"となっています。

The Modern Bristol Shubunkin as illustrated by Merlin Cunnliffe
"Classic"と"Modern"は色柄も違いますが、特に尾に明確に変化が見られます。
"Modern"タイプは2004~2005年に日本へ輸入されたブリストルから
改良された寿恵廣錦の尾に近いと思います。
BASが寿恵廣錦を以前から認識していたので、
若しかすると寿恵廣錦の影響があったかもしれない(?)と思いました。
中国→日本→アメリカ→イギリス→日本と発展しながら
伝わって行く金魚達です。