人違い | ちらこれさらり

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駅前で人を待っていたら、近くで同じような人待ち風の老紳士に男性が声をかけた。

男性「○○先生。着いていらしたのですか」

老紳士「? いえ、○○ではありません」

人違いだったようだ。

そんなこともあるだろう、の光景をうかがっているうちに

幼い頃、スーパーで母親に「お菓子をひとつだけ買ってやるから選んでこい」と言われて、

好きな菓子を取って、母親の元に戻りカゴに入れた、つもりが知らない女性のカゴに入れていた

ことをぼんやりと思い出した。

人違い系で2つ印象深いことがある。

 

コロナ禍以前の冬。老齢の叔母が市場に行きたい、というので一緒に。

私は細身だ。その時は、毛糸の帽子・マスク・長髪(普段は角刈り、秋冬は伸ばすことも)。

「これなんかいいんじゃない?」とあれこれ選んでいる私の横で、おじさんが試食コーナーを

開いていた。

「奥さん、食べてみて。食べてって」

その声が近くなってくる。

「奥さん、美味しいよ。奥さん!」

!? まさか、私に言っている?

私はおじさんに顔を向けマスクを外して「俺?」

おじさんは営業顔から素に戻って「なんだよ!男かよっ!」

豹変振りが可笑しくて笑ってしまった。

つられたのだろう、おじさんも笑顔に。叔母に事情を話すと爆笑。

女性に間違えられたことはこれ一度きり。今でも叔母はこの時のことを笑って語る。

 

2つ目もコロナ禍以前の冬、都内で仕事関係の宴席に出た。立食パーティーだったと思う。

きちんとした服装で、みたいなことだったのでスーツにコートで。

会場の近くに某有名神社があった。

「久しくご挨拶していないな」と会場に行く前に参拝した。夕方だった。

参拝中に「5時に閉門です」と放送が流れた。夏期期間の夕方6時閉門と思い違いをしていた。

閑散としていたはずだ。閉門まで残り5分か10分だったはず。広い境内なので足早に。

門は人一人通ることができるぐらいまでに閉まりかけていた。その近くで神社を警備する警察官

の方が数人、境内をうかがっていた。私はそこを抜ける際、気持ち「すみませーん」的に

頭を下げた。頭を上げると警察官の表情が「はっ」となって直立不動になった。

私にビシッと敬礼!

びっくら仰天。

やばいやばいやばい、神社庁の偉い人に間違えられている。多分、頭を下げたことを

「君たちご苦労」と捉えられたのだろうか。

驚いたけれど、だんだんと気持ちが良くなってきた。人違いとはいえ、敬礼をされるなんて初め

てだし、これからもない。今思い出しても気持ちふわふわしてしまう。

あの時の警察官のみなさん、勘違いさせてごめんなさい。