関根ジローは、全国の超党派地方議員と連携し「生活保護のしおり書きっぷり調査プロジェクト」を立ち上げ、全国の自治体が作成する「生活保護のしおり」の内容を改善する取り組みを推進しています。詳細はコチラ⇒https://ameblo.jp/sekine-jiro/entry-12724638136.html

 

松戸市が作成する生活保護のしおりの改善にむけて、関根ジローは市議会会派「立憲民主党」を代表して、3月市議会で質問しています。質問をきっかけに、少しずつではありますが、着実に松戸市の生活保護のしおりが改善してきています。議事録を転載します。

 

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◆質問:関根ジロー

 

長期化するコロナ禍のなかで、生活に困窮する方が増えています。生活困窮のセーフティネットが生活保護です。しかしながら、生活保護の申請にあたって「扶養照会」が大きなハードルの1つになっています。「扶養照会」とは、福祉事務所が、生活保護を申請した人の親族に対して、申請者への援助が可能かどうかを問い合わせるものです。

 

親・兄弟等に知られたくないと申請を妨げる要因となっていた「扶養照会」のあり方が国会等で議論された結果、厚労省は令和3年3月に「扶養が期待できると判断される者に行うこと」と見解を改め、その内容を全自治体に事務連絡しました。

 

しかしながら、昨年9月議会において、当時、松戸市福祉事務所が策定し申請希望者に配布している「生活保護のしおり」には、厚労省の通知が反映されておらず、「扶養調査を行い、生活保護を受けるための要件が満たされているかを調査します。」という記載があり、「例外なく扶養調査が行われるという誤解を申請希望者に与えかねない表現」となっており、昨年9月議会で、改善を求めました。その後の改善状況をお答えください。

 

◆答弁:松戸市

 

コロナ禍における生活保護行政の改善についてですが、本市では、生活保護の申請時に、扶養照会の趣旨をご本人に丁寧に説明し、その方の生活歴等を聞き取った結果、長年の音信不通により交流が断絶している場合や扶養義務者からの暴力や虐待を受けていた場合等は、扶養調査を行わない等の配慮をしております。

また、「生活保護のしおり」については、9月議会での議員からのご指摘を踏まえ、例外なく扶養調査が行われるという誤解を招かないよう、「扶養親族であっても扶養が期待できない者と判断した場合やDV・虐待等の被害を受け居所を知られたくない場合等には扶養調査を行わないこともあります」と、令和3年10月改定版に追記しました。

今後も引き続き、丁寧に生活歴等を聞き取り、個々の要保護者に寄り添った対応をしてまいります。

以上、答弁とします。

 

◆再質問:関根ジロー

 

早速の改善をありがとうございました。さらなる改善にむけて2点の再質問をします。

1として、2022年1月21日参院本会議で社民党の福島瑞穂党首が扶養照会に関する代表質問を行い、岸田文雄首相はその答弁として「扶養照会の弾力的運用について周知徹底する」と答弁しました。私はこの「弾力的運用」という言葉は非常にわかりやすく、生活保護のしおりに取り入れるべき表現だと思います。神奈川県海老名市では生活保護のしおりに「扶養が期待できない方への照会は行わないなどの弾力的な運用を行っていますので、担当者にお問い合わせください」と記載しています。そこで、現在の松戸市の生活保護のしおりの表現を「但し、扶養調査については扶養親族であっても扶養が期待できない者と判断した場合や、DV・虐待等の被害を受けた居所を知られたくない場合等には扶養調査を行わないなど、弾力的な運用を行っていますので、担当者にお問い合わせください」に改善してはどうか、ご見解をお答えください。

2として、生活保護申請する際のフォーマットのなかに扶養義務者を書く欄があると思いますが、東京都足立区では、その欄に「扶養照会しないでほしい理由を記載する欄」を追加することを区議会で明らかにしたと伺っています。松戸市においても同様の取り組みができないか、ご見解をお答えください。

 

◆答弁:松戸市

 

生活保護のしおりに「弾力的な運用を行っています」と記載することについて、しおりには具体例を上げつつも、わかりやすさの観点から簡潔に記載をすることが望ましいと考えております。「弾力的運用」という言葉がわかりやすいかどうかは様々なご意見があると思いますので、現時点では追記することは考えておりませんが、今後、他市の状況等を注視して参ります。

また、「扶養照会をしないでほしい理由を記載する欄を追加すること」については、申請者が書面に記載すると、扶養照会が実施されないと誤解する等、新たな問題が生じる可能性があると考えております。

本市では丁寧な聞き取りにより申請者の生活歴等から扶養照会の実施について慎重に検討し対応しております。

今後とも国・県・他市等の動向を踏まえながら、適切に対応して参りたいと存じます。

以上答弁とします。

 

◆要望:関根ジロー

 

今朝の千葉日報にも「親族照会の説明不十分」という記事が掲載されています。この記事で、厚労省は「制度を誤認して申請をちゅうしょするようなことがあれば問題だ。しおりの書き方に留意するよう自治体に呼び掛けたい」としていることが紹介されています。

 

先ほどの私の再質問でご提案した内容を含め、今後とも国・県・他市等の動向を踏まえ、生活保護行政の改善にむけて引き続きご検討を頂きますことを要望します。