読後の清涼感 | 香散見草

香散見草

三者三様徒然記+
~テーマごとに綴る三人の随筆PLUS ONE~

【最近読んだ本】

【syusei】


最近はまっている作家が有川ひろ、だ(有川浩から有川ひろに改名した)。『阪急電車』や『三匹のおっさん』から読み始めたが、登場人物の心情の機微が絶妙に上手く書かれていて、読み終わった後に、自分自身が明るくなれるような、ちょっとした爽快感がある。最近お疲れモードの自分に、程よい清涼感も与えてくれるのだ。

そこで、デビュー作『塩の街』から、自衛隊三部作といわれる『空の中』『海の底』を立て続けに読んで、ちょうど『海の底』を読み終えたところだ。
作者本人が大人向けライトノベル作家だと自称している。ライトノベルは日本で考えられた言葉のようだが、その定義は決まっていない。作者がデビューした頃は「ライトノベル=若者向け」という認識が強く、出版社側から、子どもを登場させるよう注文がついたらしい。だから、デビュー三部作はいずれも子どもも主人公のうちの一人、のような書き方になっている。
この三部作はいずれもSFものである。大人になってからあまりSFは読んでいなかったが、久々に子供時代に戻って読んだ感もあった。