【木ノ下歌舞伎チリ公演】本番のこと | 歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

俳優、ダンサー、歌舞伎ライター関亜弓による大衆向日記です。

前置きが長くなりましたが、本番のことを。
全三日間、本当にたくさんの拍手をいただきました。

どの回もトリプルアンコール、ブラボーの嵐で、
これを成功といわずしてなんというのでしょう。

 

 ケータリングのサンドイッチ、とにかく大きい!
この楽屋前のスペースがあったことで、皆が憩えて嬉しかった。



 地球の裏側にいる先生と交信する京極さん


村上大使夫妻との記念写真。本当に素晴らしかったとのお言葉に、
木ノ下歌舞伎゛JAPAN゛、ほっとしました。
アンコール時の衣装である、ダンサーさん達が自ら見つけてきてくれた
チリTシャツも現地のお客様に大うけでした!



初日はロビーでワインがふるまわれました!
大興奮のお客さんが写真をとって!と。
キノカブT着ていてよかったです

 神々とイバカッチェさんとコーディネーターの西さん!
初日後はGAMがディナーを主催してくださいました。


スープとピスコサワー
ピスコサワーはチリやペルーでおなじみのお酒だそうで、よくどっちの国のものか
議論になるそう。「でも本当はペルーのものなのよ~」とこっそり教えてくれましたが(笑)

 公演を終えて

初海外公演がチリだったことは必然だと思えた。

なぜなら私たちがチリという国や文化に決まった先入観がなく、
変におもねるようなことなく作品を披露できたから。

そしてチリ人と日本人がとてもよく似ていることも、
今回木ノ下歌舞伎が受け入れられた要因の一つだったと思う。

誠に恥ずかしながら、私を含む、日本人の大多数が
なんとなく「南米である」こと位しか、
チリのことについてよく知らないんじゃなかろうか。

だから隣国のブラジルのイメージに引きずられ、
とりあえず「陽気」という言葉が先行する。

ところが

チリ人の方々はもちろん明るく気さくだけど、
とっても思慮深くて上品。

わかりやすい例えでいうと、
ブラジル人の女性は体の線を強調したデザインや
露出度の高い洋服を好むイメージだけど、
チリの女性は皆、色づかいもシックで、
とってもエレガント。

通訳をしてくれたバレンティーナにそのことを話したら
「それはよくいわれる。あと、ブラジルの友達からどうしてチリの人は
みんな踊らないの?」と不思議がられるらしい(笑)


あとチリ人はみんなシャイだというところも。

そんな彼らが、「三番叟/娘道成寺」を観て
このようにダイレクトな反応を見せてくれたことは
本当に誇らしいことだし、カンパニーとしての自信に繋がった。

今回はいわゆる、海外公演を経験したカンパニーというハクをつけるための公演では決してなかった。

海外だから、という妥協も力みも一切なく、なるべく沢山の、
今日来られるお客さんに最高のパフォーマンスを
観てもらい、満足して帰ってもらうというスタンス。

それはスタッフも出演者も誰もが同じだったことが、
何よりも素晴らしいことだと思った。


色々連ねましたが、最高の初・海外公演だったことはこの笑顔が、すべてを物語っているのでは





そしてアンコールで必ず涙があふれたことも。