なぜ、踊るのかの回答 | 歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

俳優、ダンサー、歌舞伎ライター関亜弓による大衆向日記です。

コンテンポラリー作品を
古曽志先生の指導の下、
地元のホールで踊らせていただいた。
とても短い曲だったが、弦楽器の調べに体を預けてきた。

 

広いステージで、
たった一人

立たされることは
こわくもあり
どちらに転んだとしても
責任の所在がはっきりしていて、うそがつけない。
磨き上げられた鏡の前のような状況でもある。

 

前作品では「精神病棟」という設定があったが
今回は更に枠がない。

音と、ステップと、身体

の提供。


詳しく解剖していくとただの説明になるので
多くは記しませんが、とにかく
破綻せずに踊れてよかった。

 

 

本番直前、
誰より私のバレエ舞台を観てきてくれた母に


「なぜ踊るの」と問われ


「堕落しないため」

 


と私は脳を経由せずに回答していた。


多分、この舞台に出ると決めたのは
表現とか、問題提議とかとは少し違っていて

「踊る身体」を過去形にしないための
一つの確認作業のようなものだったと思う。

 

人生は下りのエスカレーターと
形容した若いバレリーナがいた。

常に努力をしないと堕ちてしまう。


それは、バレエに限ったことではない。