新春浅草歌舞伎第二部 | 歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

俳優、ダンサー、歌舞伎ライター関亜弓による大衆向日記です。

初芝居見物は毎年恒例、新春浅草歌舞伎。
まずは二部から攻めます。

海老蔵さんが昼夜全演目に出演ということを聞き、
お父さまが入院、休演というタイミングもあり、
大丈夫なのだろうかと心配が募った。
もう、全力疾走中の歌舞伎役者の背中を見送るのは嫌だよという気持ち。

でも、そんなことは幕が開いてから、
すべて吹っ飛ばされた。

終始、海老蔵という役者の圧倒的な華・豪胆さ、
立ちはだかる敵を、「芸で威圧する力」を見せつけられっぱなし。

特に勧進帳。一昨年前、日生劇場での弁慶とはまるで別人。

山伏問答も、うわべだけでないし、
目使いも必然性があった。

私は花道七三の真横に座っていたせいもあり、
最後の飛び六法の前の息を飲む瞬間、体が動かなくなってしまった。
それ位の内面が伴った、説得力と迫力のある弁慶。



昨年の浅草歌舞伎の配役発表第一弾では、
海老蔵・孝太郎・愛之助・亀鶴の四人しか掲載されていなかったので、
浅草歌舞伎は若手の研鑽の場ではなくなったのか?と
一瞬思ったが、蓋を開けてみると
松也・壱太郎・米吉・隼人・新悟・種之助・梅丸(敬称略)といった
脂の乗った若手衆が大活躍。


それに右之助師匠や市蔵さん吉弥さんなど、
ベテランが脇を固め、お正月にふさわしい、
華やかな芝居だった。

一部も楽しみ。

それにしても、上記若手の半数以上の方が
ぴんとこナビでインタビューさせていただいた若手役者の方々。
本当にありがたい。

また改めて述べたいのだが、
今年、木ノ下歌舞伎をはじめ、「歌舞伎」を軸に頑張りたい。

その気持ちが余計に増幅された初芝居だった。

=======================================================--
 彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)

一、毛谷村(けやむら)

               毛谷村六助  片岡愛之助
                  お園  中村壱太郎
                  お幸  上村吉 弥
          微塵弾正実は京極内匠  中村亀 鶴
               杣斧右衛門  市川海老蔵


二、寿初春 口上(こうじょう)

        
口上  市川海老蔵


三、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)

               武蔵坊弁慶  市川海老蔵
               富樫左衛門  片岡愛之助
                亀井六郎  尾上松 也
                片岡八郎  中村壱太郎
                駿河次郎  中村種之助
               常陸坊海尊  片岡市 蔵
                 源義経  片岡孝太郎
=======================================================--