名古屋は県ではありません。【御園座吉例顔見世】 | 歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

歌舞伎ライター 関亜弓「そば屋のカレー日記」

俳優、ダンサー、歌舞伎ライター関亜弓による大衆向日記です。

私は昔、京都の隣が名古屋だと思っていて、かつ名古屋は県だと思っていました。

(そしたら地図帳を支給されました)

さすがに隣じゃないことは知ってたけど、
京都からだったら東京からより近いじゃん!

という

浅はかな動機と、

未開拓な劇場に
足を踏み入れたいという思いと

染五郎さん、歌昇さんペアは必見と思い。

初の稽古オフ日に、思惑通りいってきましたよ

御園座!



ちょっとびっくりしたのは、御園座では
歌舞伎会で予約したチケットの発券ができないということ。。

関東の歌舞伎会会員は、事前に
発券してからいきましょう。


と、そんな事務的ミスはさておき、

駅からタクシーで横付けして、
派手に登場しようと思うたら。

あれ、以外と地味なのね、正面口。

御園座
と思ったら

こっち側じゃん!
御園座2 


当月は襲名披露に顔見世のダブルでおめでたなのです。

だからまねき看板が上がってるのです。

ということで気を取り直して
いざ侵入。
(あ、チケットちゃんと持ってますよ)

御園座ひろー

にぎやかー

席の間隔ゆたーり

お客さんもおしゃべり多くて(笑)
気取らない雰囲気だったな。


演目は

じゃん
=================================================
南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)                
犬塚信乃  種太郎改め歌 昇                 
犬山道節       海老蔵                
犬田小文吾       廣太郎                 
犬塚毛野       米 吉                 
犬村大角       吉之助                
犬江親兵衛       種之助                 
犬川荘助       松 江                 
犬飼現八       染五郎
=================================================

演舞場に続き、染五郎&歌昇丈の麗しいコンビによる一幕。


前回の三番叟もそうだったけど、このお二人、実に息がぴったり。

ダンサー的な上、下の切り替わりの俊敏さ、
身体能力の高い者同士だからか、ほんと壮観。

稽古による息の合い方というより、
無意識の息づかいが一緒なのかなと思ってしまった。

三演目の中で一番好きだったかも。

=================================================
二、一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)  檜垣   奥殿
 一條大蔵長成       吉右衛門              
鬼次郎女房お京       芝 雀                
吉岡鬼次郎       染五郎                
八剣勘解由       由次郎              
勘解由女房鳴瀬       家 橘                 
常盤御前       魁 春
=================================================

播磨屋やばいっす。

作り阿呆って、シドコロ満載で、微妙な
匙加減によって稚拙になってしまう。

ところご吉右衛門さんのきちっとした芝居
のおかげで、
愛せる大蔵卿がそこにいる。

阿呆からの切り替わりも、
わざとらしくなく、
やりすぎず、
上品。

そんでもって染五郎さん&芝雀さん夫婦のリアルさ。

満足。


襲名披露口上は、東京とはまた違うメンバーでの贅沢さ。

海老蔵さんの第一声
「みなさまお久しぶりでございます」

に会場からどっと笑いが起きて
びっくりしたわ。。

口上は全体的に、
新•又五郎さんの人柄の良さを皆が証明
してくれたんじゃないでしょうか。

歌昇さん、今回も噛んでなかったです(笑)
立派に務めていらっしゃいました。

平成生まれの役者さんたち、今後が本当に楽しみなのです。

さて、ここで観劇記は終わり。

続きはまた次回に。


東京を追われ、京都を追われ、名古屋へ逃亡中の関の顛末やいかに!?