医療に関する過去の考え方について、データを元に再検証する必要があることを、以前の記事に書いた。

 

https://ameblo.jp/sekainokesiki/entry-12849701805.html

 

データを元に、検証を重ねていくことは、様々な分野で役に立つ。今回の記事は、医療従事者に関する、教育の重要性について書きたい。

 

この記事では、有名な看護師であるフローレンス・ナイチンゲール(敬称略)と関連する具体例について、記していく。以下、「代替医療解剖」(サイモン・シン、エツァート・エルンスト著、青木薫訳、新潮文庫)の内容を参考に書く。

 

過去には、多くの人々が、看護師の教育は必要ないと考えていたという。それは、教育を受けていない看護師のケアを受けた患者よりも、教育を受けた看護師によるケアを受けた患者の方が、死亡率が高かったことが理由らしい。

 

しかし、このような考えについて、ナイチンゲールは異議を唱えた。

 

まず彼女は、重篤な患者が、教育を受けた看護師のいる病棟に送られることが多いということを指摘した(言うまでもないことだが、重篤な患者の方が、死亡率は高くなるだろう)。

 

そして、看護師が受けた教育の効果を調べるのであれば、教育を受けた看護師がケアを行うグループと、教育を受けていない看護師によるグループに、患者が無作為に割り振られる必要があると考えた。

 

そして、上記のような方法で実際に無作為化比較試験を行ったところ、教育を受けた看護師のケアを受けたグループの方が、遥かに良い経過を辿ることが示されたという。

 

教育の大切さについて、現代であれば、多くの人々が同意してくれると思う。しかし、こういったことも、実際に検証を行い、効果を分かりやすい形で示すことが必要になる。そうした努力のおかげで、教育の重要性が、次第に理解されるようになっていったと思われる。

 

卒前教育だけでなく、卒後教育も含めて、教育は大切である。定期的に知識の更新を行うことで、医療の分野の国際的な変化についていけるようになる。これは、医療従事者を続ける限り、ずっと必要なことである。教育の重要性を、今後も示していきたいと思う。

 

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