彼は以前、日本の高校野球について、坊主頭を止めた方がよいということを書いた。
https://ameblo.jp/sekainokesiki/entry-12803472885.html
8月17日付のスポーツ報知のオンライン記事に、興味深い内容があった。甲子園のベスト8に残ったチームのうち、3チームが丸刈りではなくなっているという。
このような傾向は、全国的に広がりを見せているらしい。5年ごとに行われている「高校野球実態調査」によると、5年前には76.8%のチームに丸刈りの規則があったのに、今年の調査では26.4%に減っているという。
そして、今年の夏の甲子園の優勝校は、丸刈りではない慶応義塾高校。ある意味では、変化の象徴と言えると思う。
そして、同校については、髪型以外にも、興味深いことがある。
以下、2023年8月24日の読売新聞の記事から一部引用する。
栄冠に導いたのは「エンジョイ・ベースボール」の精神だ。関係者によると、慶応大で古くから提唱されていた。高校では1990年代に就任した前監督の上田誠さん(66)が米国留学時に個々に楽しむ本場の野球を目にし、「野球は上から押しつけるものではない」として、広く使われるようになったとされる。監督の指示が絶対とされた時代に異端ともいえた。
新聞の記事によると、同校では、自主性が重んじられているという。練習内容について、監督に意見を言う選手もいる。相手投手の対策を選手間で相談して、良い結果を出した試合もあった。
日本では、運動部以外でも、会社などの組織で上意下達(組織の上の人間の考えや命令を下の者に知らせる)や年功序列などの習慣が強く残っていることが多い。分かりやすい例を以下に示す。
https://ameblo.jp/sekainokesiki/entry-12815090992.html
選手の自主性を重んじて、創意工夫ができるような環境を作り出したことは、今回の結果に良い影響をもたらしたと思う。
野球に関するこのような変化、そして変化を結果に繋げた慶応義塾高校の優勝について、嬉しく思う。今後も、こうした変化が続いてほしい。
数多くある伝統には、残すべき価値があるものもある。しかし、野球部の坊主頭や、上意下達が支配するシステムのように、変えていく必要がある伝統もある。
伝統について、「そういうものなのだ」と思考停止せずに、時折考えてみることが大切だと思う。
(この記事について、当ブログの管理人が運営しているサイトにて、管理人自身が執筆した記事を見直して修正を加えたものです。https://www.tclassroom.jp)