高学年の仲間入りをする小学校4年生は、6年間の小学校生活の中で、親と子にとっての“節目”が重なる時期であるようです。
今回は、小学校4年生以上のお子さんを育てている女性135人に、子どもが小学校4年生に進級したときに苦労したことについて聞いてみました。
5人に1人が「小4の壁」を経験
小学校4年生は、“自分”と”あの子”の差が少しずつ明確に見えてくる年頃。客観的な物の見方が少しずつ身についてくる一方で、劣等感を抱きやすくなる時期ともいわれ、「9歳の壁」と表現されることがあります。
と同時に、学力の難易度があがり、勉強に追いつけなくなる「小4ビハインド」、学童に通い続けられなくなる「小4の壁」といった言葉もあります。
つまり、子どもが9歳~10歳の頃は、子どもの情緒面や親子関係において、変化が訪れやすい時期だと言えます。
そこで、『kufura』編集部は135人の女性に、子どもが小学校4年生になったときに、学力面、精神面、生活面において何らかの困難を感じた経験があるか聞いてみました。
結果は以下のようになっています。
ある・・・22.2%
ない・・・51.1%
わからない・・・26.7%
およそ5人に1人の女性が子どもが小4のときに何らかの困難を感じていました。働く女性が直面した「小4の壁」!学童退所後の放課後はどうやって過ごさせた?
続いて、どんなきっかけで小4時に困難を感じ、それに対してどんな対応をしたのか聞いてみました。
今回、多く寄せられていたのが仕事を持つ女性たちによる「小4になったら学童を退所しなければならなくなった」という声です。
自治体によって学童のキャパシティは異なりますが、中には新しく入ってくる低学年の子を優先的に入所させるために、
小4以降の子どもが通い続けるのが難しくなるケースもあります。一方で子ども自身が「もう学童には通いたくない」と言い出すケースもあるようです。
このような経験をした女性は、以下のような回答を寄せています。
「小4で学童に通えなくなり、仕方なく塾へ通わせるようにした。なんとかなだめて塾に行かせた」(49歳・総務・人事・事務)
「小学3年生までは学童保育に入れることができたので5時まで仕事をできたが、4年生と言ってもけっこう早く帰ってくる水曜日などは落ち着いて仕事ができなかった。
決して乗り越えたわけではないが、そうこうしているうちに夏休みになり、だんだんしっかりしていって、時計を見て自分でおけいこにも行けるようになった。
5年生になるともっとしっかりしたし、学校からの帰宅時間も遅くなった」(59歳・主婦)
「学童が終わり、一人で留守番をしていたら勝手に友達を家に入れていた。二度としないように注意し、自分も気を付けるようにした」(52歳・主婦)
「留守番時間が長くなり、することをせず、遊んでいることが多くなった。宿題など 必ず確認するようにした」(41歳・その他)
子どもたちに留守番をさせたり、習い事をさせたりして“なんとか”乗り切ったという声が目立ちました。続いて、これから同様の悩みを抱えるかもしれない女性に向けて自身の体験をもとにしたアドバイスを頂きました。
「親が思っているより子どもはしっかりしてます」(49歳・総務・人事・事務)
「はじめは心配かもしれないがこの機会を子離れの一つの階段を上がると考えたら、子どもも自立の階段を一つ登ることができる」(59歳・主婦)
「子どもはだんだん自立していくのでしっかりと見ていれば大丈夫」(52歳・主婦)
「心配は尽きないだろうけどこっちが思ってるより意外とケロっとしてるから過保護になりすぎないように」(39歳・主婦)
フルタイム勤務の場合、子どもが帰宅する15時~16時半から親の帰宅までどうやって安全に過ごさせるか……というのは悩みの種になるようですが、子ども自身が少しずつ自立していくきっかけにもなったとの声がありました。
親に口答えも…情緒面の変化にはどうやって対応した?
これまで絶対的だった親の存在をある程度客観的に見られるようになる9歳~10歳。子どもの口答えに悩んだという声もありました。
「成長するにつれ言葉遣いや態度などが荒くなる反面、すぐ泣いたりする。勉強も難しくなるのでついていくので精一杯な時があった。
ある程度は聞き流していた。反抗してもスルー。時が経てば落ち着いたのでそれがよかったのかもしれない」(41歳・主婦)
「自我が出てきて親の言うことに素直に従えなくなってきた。とりあえず、子どもを信じて見守るのが一番だと思うが、ついつい『宿題、勉強すませたの?』などとまだ確認してしまう……」(50歳・主婦)
「急に言うことを聞かなくなった。放っておいた」(49歳・その他)
「小学校4年生になってから急に『学校に行きたくない』『おもしろくない』と連呼するようになった。将来の夢に当てはめて、そのようになるには学校でのお勉強は必要だと問いかけた」(49歳・主婦)
「やると言ったことをやっぱりやらない。一度は否定したい。言葉遣いが悪くなった。こちらから声掛けをするとやる気がなくなるので自分からできるまで辛抱した」(39歳・主婦)
続いて、子どもの情緒面での変化を経験した女性から、アドバイスを頂きました。
「毎日、一生続くわけでない。そのうち、落ち着く」(47歳・主婦)
「これは、自分自身への言葉がけでもあるが、『自分の子どもを信じてあげよう!』この一言につきると思います」(50歳・主婦)
「あっという間に過ぎていくから大丈夫」(49歳・その他)
「お互いにストレスがたまると思うが子どもと一緒にどうするか決めたら良い」(39歳・主婦)
「グダグダとお説教をしない」(46歳・主婦)
「一歩下がって、口を出さないで見届けるようにする。将来きっと役に立ちます。大学以降ですが……」(59歳・主婦)
24時間、身を削るようにして子どもをお世話してきた経験を持つからこそ、「親と子は別人格」と割り切って考えることはとても難しいことです。
とはいえ、この時期の子どもの“プチ反抗”については、“そういうもの”とどっかり構えているくらいが心の平静を保つためにもちょうどいいかもしれません。
勉強の難易度がアップ!「小4ビハインド」にどう対応した?
1~3年生の基礎を応用しながら、少しずつ難易度がアップしていく小4の学力。子どもの学力に不安を覚えたことがある女性たちの声です。
「学力に追いつけなくなったので、塾に通わせた」(31歳・デザイン関係)
「勉強が難しくなったので、親も宿題を見るようにした」(40歳・主婦)
「スポーツ系の習い事が夜遅くまであり勉強との両立が大変だった。おだてて、おだてて、とにかくモチベーションを上げた」(50歳・技術職)
「学力や勉強への取り組みに差が出るとき。何度も言い聞かせるしかない」(40歳・主婦)
子どもにとっても“得意”と”苦手”がクリアになってくる小4の時期には、親の踏ん張りが必要となってくるようですが、以下のようなアドバイスが寄せられています。
「子どもにあう方法を子ども本人ときちんと話し合うこと」(31歳・デザイン関係)
「あまり干渉しすぎないようにサポートする」(40歳・主婦)
「少しずつ、子どもと成長」(41歳・その他)
子ども自身が「この問題は難しくて無理」と感じた瞬間に、その分野への関心の扉が閉じられてしまうこともあるかもしれません。「なんのためにこの学習をするのか」「どんな楽しさがあるのか」という点もシェアしながら親と学校が二人三脚でサポートしていければ理想的ではありますが、現実的には苦労を強いられている女性は少なくないようです。
今回は、小4進級時に親が感じた困難をどうやって乗り越えたのか、皆さんの回答をご紹介しました。
筆者もまもなく小4になる男児と小6になる男児を育てていますが、たった2つのサンプルであっても、そして同じ家庭で育っていても、性格も、学力の苦手ポイントも、悩みも全く異なっています。
”小4の子ども”の傾向と対策を踏まえ、子どもの変化を成長と自立の一歩と考えることができればいいのですが、毎日の生活に追われていると、なかなかすべてを受け止める心の余裕を持つのは難しいですよね。今回のアンケートのように、同じような悩みを抱くお母さんの声を聞いて、ある程度心の準備をしておくと、「どうしたらいいか」というのが少しずつ見えてくるかもしれません。