食物繊維の種類。注目したいのは★印の3種
厚生労働省の調べによると、日本人の食物繊維 の摂取量は、約60年前と比べて激減しているという。しかし食物繊維は「第6の栄養素」としてその有用性が見直されている。新たな知見も増えてきた今、食物繊維のことを正しく知って、必要なものを効率よく摂取したい。
大妻女子大学 家政学部 食物学科教授の青江誠一郎 さんに話を聞いた。 食物繊維は人の消化酵素で消化しにくく、小腸を通って大腸まで達する成分で、現在は「第6の栄養素」と考えられている。
ごぼうなどの筋っぽい繊維質から、海藻のようなネバネバしたぬめりの成分、水に溶けてゲル状になるものなど多くの種類があり、それぞれ性質や働きが異なる。
「特に注目してほしいのは『水溶性食物繊維』と『不溶性食物繊維』、そして食物繊維と同じように働く難消化性デンプン『レジスタントスターチ』です。
これらをバランスよく摂取することで、美容や健康の増進効果がさらに期待できます」(青江先生) 日本食物繊維学会では食物繊維と同じような働きをするものを、「ルミナコイド」と定義している。特に注目したいのが図の★印の3つだ。
食物繊維による健康効果は大きい。食物繊維はその種類により、さまざまな働きをする。小腸では余分な糖質や脂質などの吸収を抑え、大腸では便のカサを増やし、ぜん動運動を促して不要物を排出。
便秘の改善は美肌や肥満解消につながる。また、腸内細菌のエサになり、短鎖脂肪酸を産生することで腸内環境が整い、そのいい影響は全身に及ぶ。 「生活習慣病 やがん、認知症の予防、うつ症状の改善に役立つことも報告されています」 「腸内の掃除」をし、
また腸内細菌のエサになる働きをする食物繊維。その効果は肌から内臓、脳にまで及ぶ。糖質オフダイエットで食物繊維が不足がちな人は特に、現在の食生活を今一度見直す必要がありそうだ。 イラスト/斎藤直樹(ベリーマッチデザイン) 取材・原文/山村浩子