息苦しさを感じたら、それは“スマホ巻き肩”かも! | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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もはや生活に欠かせなくなったスマートフォン。スマホを使用するときに肩が前に入り込んでネコ背になる姿勢を「スマホ巻き肩」と呼ぶが、この姿勢が体にさまざまな悪影響を与える可能性があることが分かってきた。

 一般的には、肩コリや首のコリ、自律神経の乱れなどの不調が知られている。しかし、20~50代の働く男女300名を対象にしたピップの「スマホとカラダの不調に関する調査」によると、スマホ使用時に息苦しさを感じ、呼吸が浅くなっている人も増えているという。 そこで、浅い呼吸が体にどのような影響を及ぼすのか、呼吸器専門医である池袋大谷クリニックの大谷義夫先生に話を聞いた。
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“浅い呼吸”が体に及ぼす影響とは?

 普段の生活の中で、呼吸を意識することはあまりないかもしれない。しかし、呼吸によって体内に十分な酸素を取り込むことは、健康を維持するために大きな役割を担っている。

 

「酸素は、脳や心臓など、体内の重要な臓器が正常に働くために必須です」(大谷先生)

 呼吸は、肺を取り囲む横隔膜(呼吸筋のひとつで、肺のある胸腔と大腸や小腸がある腹腔をつなぐ筋肉)や肋間筋(肋骨の間にある筋肉)といった呼吸筋が肺を収縮・拡張することで行われている。

 しかし、「スマホ巻き肩(ネコ背)になると、胸部が圧迫されて呼吸筋の動きが阻害される。毎日何時間もスマホを使用し、スマホ巻き肩が常態化してしまうと、呼吸筋はどんどん衰えて肺年齢(呼吸機能の程度)も上がってしまう」と大谷先生は言う。

 実際に、33歳の男性を対象にスマホを使用しているときとそうでないときの肺活量と気道抵抗(気道の空気の通りづらさ)を測定し、肺年齢を比較したところ、通常の姿勢のときは肺年齢が18歳だが、スマホを使用しているときは41歳という結果になったという。「スマホ巻き肩が肺年齢を大幅に上げていることが分かりました」(大谷先生)

 「肺年齢の上昇とともに、肺活量は低下していきます。そうすると、体内に必要な酸素を取り込めなくなり、さまざまな不調が引き起こされる可能性が高まります」(大谷先生)

 たとえば、スマホ巻き肩による肩コリや首コリも、原因の根本は酸素量の低下であるケースがあるという。「酸素が足りないと、脳や心臓といった重要な臓器へ優先的に酸素が運ばれるため、肩や首の筋肉の血流が滞り、血液中から老廃物が排出されず、コリがなかなか解消されないのです」(大谷先生)

 そのほかにも懸念されるのが、慢性的な疲労感だ。「炭水化物などの栄養素をエネルギーに変換するために必要な酸素が足りないので、エネルギー生成がうまくできずに、疲れやすくなると考えられます」(大谷先生)

 また、脂肪を燃焼するには酸素が必要なので、酸素不足だと脂肪燃焼が阻害されてやせづらい体質になったり、横隔膜の動きが鈍くなって腸への刺激が減り、便秘になりやすくなったりすることもある。

 「人は1分間で約15回、1日で約2万回呼吸をしているといわれています。人生を80年と仮定すると、一生の内で約6億回も呼吸をしていることになります。

 

一日だけ呼吸が浅くなっても、体にはそれほど影響がありませんが、スマホを使い続けることで浅い呼吸が日常化すれば、体はつねに酸素不足の状態になり、さまざまな不調が表れてくるのです」(大谷先生)


肺年齢をアップさせる、呼吸筋ストレッチ

 それでは、浅い呼吸はどのように改善すればよいのだろうか。まずは、スマホを使用中に息苦しさを感じたときは、いったんやめて姿勢を正すなど、日頃から姿勢に意識を向けることが大切だ。

 さらに大谷先生がすすめるのが、手軽に実践できる「呼吸筋ストレッチ体操」(引用元:独立行政法人環境再生保全機構 ※ホームページでPDFでのみ紹介。パンフレットの配布はしていない)だ。

 

昭和大学医学部・本間生夫教授が慢性的に息苦しさを感じている人のために監修したストレッチで、呼吸筋の緊張を緩和して柔軟性を高めることで、正常な呼吸へと導いてくれる。

 ポイントは呼吸に合わせながら行うこと。ひとつの体操を5~10回ずつ、1日3回程度行うのが理想的だが、無理のない範囲で続けよう。

●■息を吐く呼吸筋のストレッチ

1.両手を頭の後ろで組み、ゆっくりと息を吸う。

2.ゆっくりと息を吐きながら両腕を上に伸ばし、かかとをつけたまま背伸びをする。

3.首を前に倒し、両腕を後ろへ引きながら、息を吐ききる。息を吐き切ったら1の姿勢に戻る。3がむずかしい場合は、1と2だけでもよい。

●■息を吸う背中と胸の呼吸筋のストレッチ

1.胸の前で両手を組み、ゆっくりと息を吸う。次に口からゆっくりと息を吐き出す。

2.息を吐ききったら、息を吸いながら両腕を前に伸ばし、背中を丸めていく。腰は曲げず、おへそをへこませるイメージで行う。

3.息を吸いながら十分に背中を丸めきったら、ゆっくりと息をはきながら、両腕と背中を1の姿勢に戻す。
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姿勢改善をサポートしてくれるアイテム

 ストレッチがなかなか続かないという人におすすめなのが、身につけるだけで姿勢改善をサポートしてくれるインナーだ。「深い呼吸をするには、正しい姿勢を取ることが大切です。矯正ギブスのように強い力がかかるものでなければ、取り入れてみるのもいいでしょう」(大谷先生)。仕事中でも気にならない程度の補正力があるものを選んでみよう。

 スマホを使用しているときに、少しでも息苦しさを感じたら、スマホ巻き肩のサインだ。「コリの原因でもある血流を改善するために磁気治療器を使うなど、呼吸と姿勢を意識した生活を心がけてください」と大谷先生は話す。ストレッチやグッズを取り入れながら、上手にスマホと付き合っていこう。