「急にお腹がポッコリ」…メタボじゃなくて「肝硬変」の可能性も | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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急に体重が増えてお腹がポッコリと出てきてしまったら、メタボリックシンドロームを疑う人が多いと思います。しかし、より重い病気が隠れているケースもあります。

メタボは腎臓、心臓、肝臓といった重要な臓器の深刻な病気を引き起こす危険因子には違いありません。

 

しかし、メタボはそれ自体が重い病気というわけではなく、脂質異常症・血圧高値・空腹時高血糖の3つの異常のうち2つ以上を合併した場合にメタボリックシンドロームと診断することで、改善に努めてもらい病気の発症を防ぐことを目的としています。

より深刻なのは、すでに別の病気が進行しており、その影響で体重が急激に増えているケース。急激な体重増の原因になる疾患の中で注意が必要なものに肝硬変があります。肝硬変は進行すると肝がんに発展することもある怖い病気です。
◆急激な体重増の原因は水分代謝の異常

体重計に乗り、「昨日より減ってる!」「増えてる!」と一喜一憂することがありますが、多くの場合、体重の増減の1番の要因は体の水分量の変化です。筋肉や脂肪は短期間でそれほど増えたり減ったりはしないものです。

特に体重の増加の幅が大きいときは、水分の排出が上手くいっていないか、糖や脂肪をエネルギーに変える代謝機能が衰えている可能性があります。例えば、「短期間で5kg増えた」といった場合は、メタボ以外の病気を疑ってみましょう。

◆肝硬変で「お腹ポッコリ」の場合

肝硬変によって肝臓の機能が低下すると、血管や細胞に水分を蓄えておくのに必要なアルブミンというタンパク質の生成が滞ります。むくみやすくなり、腹水でお腹はポッコリと膨らみます。

 

目や肌が黄色くなる黄疸(おうだん)は肝臓の病気によく見られる症状です。

急なお腹のポッコリは、肝硬変によってお腹に水分がたまっているせいなのかも知れません。むくみがひどく、脚などを指で押すとへこんだまま戻らない、黄疸を伴っている、という場合は特に注意が必要です。
◆肝硬変の診断と治療

日本における肝硬変の大多数は慢性ウイルス性肝炎を原因とするものです。この他、近年ではアルコールを原因とするもの、脂肪肝から発症するNASH(ナッシュ)と呼ばれる非アルコール性脂肪性肝炎を原因とするものも中年以降の女性に増えています。

肝硬変の治療では肝細胞の炎症を抑えるための薬物療法を行いますが、肝硬変そのものに対する治療薬はありません。禁酒、バランスのよい食事、過労を避けるといった規則正しい生活が基本になります。

体重の増加は重大な疾患を背景としていることがあります。特に短期間で大きく変化するようなら医療機関の受診を検討しましょう。

監修:坂本 忍(医学博士)