進行するまで無症状な「食道がん」。転移の仕方、症状による進行具合を徹底解説 | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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「食道がんかもしれない」と心配している人も、すでに診断がついているという人も、まずはしっかり基礎知識を押さえておきましょう。

 

食道がんはどんな特徴をもっているのでしょうか? 

 

現状を正しく知ることが、適切に対処していくための第一歩です。『新版 食道がんのすべてがわかる本』から食道がんの発がんの仕組みや、症状について紹介します。

 

前編記事<長年の生活習慣の影響が発がん確率を高める! 逆流性食道炎が「食道がん」の素地を作る>

進行するまで無症状な「食道がん」。転移の仕方、症状による進行具合を徹底解説

進行するまで無症状な「食道がん」。転移の仕方、症状による進行具合を徹底解説© 現代ビジネス

壁の奥に広がると転移しやすい

がんは、周囲の組織を破壊しながら広がっていきます。これを浸潤といいます。また、発生した場所から離れたところで増殖をしていくこともあります。これを転移といいます。

 

浸潤の程度や転移の有無は、食道がんの進みぐあいを判断する重要なポイントです。

 

(1)ほとんどは粘膜に発生

食道がんの多くは、食道の内側表面を覆う扁平上皮や、食道腺に発生します。が

ん化した細胞は急速に分裂・増殖をくり返します。

(2)【浸潤】上下左右に広がっていく

はじめは粘膜層にとどまっているがんが大きくなるとともに食道壁の奥深くへ浸潤し、さらに食道の外へと広がっていきます。食道に隣接する気管や大動脈などに、原発巣のがんが直接浸潤していくこともあります。

(3-1)【リンパ節転移】リンパ液の流れに乗って広がる

リンパ管はリンパ液(体液)の通り道で、ところどころにリンパ節という異物を排除するための濾過装置のようなものがあります。このリンパ節にがんが入り込み、病巣をつくるのがリンパ節転移です。

 

(3-2)【血行性転移】血液の流れに乗って広がる

がん細胞が食道壁内を走る血管に入ってさまざまな部位に運ばれ、流れ着いたところで大きくなっていくのが血行性転移です。肺や肝臓、骨、脳など、さまざまな臓器に転移する危険性があります。

 

たとえば肺に転移して病巣をつくった場合は「食道がんの肺転移」であり、「肺がん」とは呼びません。肺の細胞ががん化してできた肺がんとは異なるためです。

 

(3-3)【播種性転移】がん細胞がまいた種のように散らばる

播種とは「種をまく」という意味です。がんが大きくなって食道の外膜を破ると、胸やおなかの中の空間に散らばり、胸部や腹部の多種類の臓器や、臓器を覆う胸膜や腹膜に転移する危険性もあります。

『新版 食道がんのすべてがわかる本』より

『新版 食道がんのすべてがわかる本』より© 現代ビジネス

食道がんは、転移を起こしやすいがんのひとつです。食道壁は薄いうえに、リンパ管や血管が張り巡らされています。しかも食道の周囲には多くの臓器が密接し、たくさんのリンパ節もあります。

 

浸潤の程度が軽いうちに、また転移がないうちに治療できるかどうかで、治りぐあいは大きく違ってきます。できるだけ早い段階で治療を始めることが大切です。

進行するまでは無症状のことが多い

どこにできるにせよ、食道がんは早期にはほとんど症状がなく、静かに進行していきます。飲み込みにくさなどの症状が現れるのは、ある程度がんが大きくなってきてからです。

 

細胞ががん化しても、痛みは伴いません。そのため、ほとんどの場合、早期のがんは無症状です。しかし、がんが進行すると、大きく成長したがん組織が食道の内腔を狭めたり、周囲の臓器や神経などを圧迫したりして、正常な機能を損ねてしまいます。

 

その結果、徐々に症状が現れてきます。ただし、症状だけでがんの有無や進みぐあいを判断することはできません。たとえば「飲み込みにくさ」は、食道がんで現れやすい症状のひとつですが、似たような症状を示す病気はほかにもいろいろあります。きちんと調べてもらいましょう。

 

■胸やけ、胃もたれにも注意して

胸やけや胃もたれがあると、「胃が悪い」ととらえがちです。軽い場合には市販の胃腸薬でやり過ごす人も少なくありませんが、一度、食道に異常はないか調べてもらいましょう。

 

逆流性食道炎や、食道炎のくり返しでできるバレット食道など、がんのリスクを高める食道の病気がみつかることもあります。

 

【早期がん】症状なし。まれに違和感を覚える人も

初期は無症状ですが、人によっては、熱いものや酸っぱいものがのどにしみる感じがしたり、飲み込むときに違和感を覚えたりすることがあります。まれに、のどや胸の奥、おなかが「チクチクする」と感じる人も。

 

【進行がん】食道の内腔が狭くなり飲み込みにくさが現れる

がんが大きくなり食道の内腔を狭めたりすると、飲み込みにくさなどの症状を感じるようになります。その結果、食事がしにくくなり、体重が減るなどの症状が出ることも。

 

【転移がん】転移した先によって特有の症状が現れることも

がんが進行し、ほかの臓器に転移すると、その臓器特有の症状が現れてきます。リンパ節に転移したがんが、食道の周囲を走る神経を圧迫すると、声がかすれたりものを飲み込みにくくなったりすることも。