コンタクトレンズの「常識」は、ウソばかりだ | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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多くの人は、「日本の医療は世界のトップレベルにある」と思っているかもしれません。しかしそれは幻想です。こと眼科医療に関しては、日本は世界から20年遅れています。

その原因は、日本では眼科医の地位が低いことにあります。「歯医者目医者も医者のうち」という差別的な言い回しがあることがそれを示しています。コンタクトレンズショップや美容業界の下請けのような仕事に甘んじている眼科医が多いという現状があるのです。

私は現役の眼科医として、これまで15万件の手術を行ってきました。私が院長を務める横浜と六本木の施設には、間違った知識や間違った手術によって失明寸前になり、最後の頼みの綱として駆け込んでくる患者さんが後を絶ちません。

眼科治療に関して言うなら、日本には「間違った常識」がはびこっているのです。

これまで私は医師向けの専門書を多く書き、優秀な眼科医を育てることに情熱を注いできました。しかし、患者さん自身が正しい知識を持っていないと救うことが難しいということを痛感するようになりました。間

 

違った知識で間違った治療を受け、にっちもさっちもいかなくなってから私の施設に駆け込んでこられても、手遅れになる場合があるのです。

日本の眼科医療がいかに遅れているか、いかに間違った常識がはびこっているかを、私は初めて書いた一般向けの著書『やってはいけない目の治療 スーパードクターが教える“ほんとうは怖い”目のはなし』で指摘しました。

間違った常識とは何か? 例を挙げてわかりやすく解説していきたいと思います。

■「コンタクトの保存液で洗浄もできる」の嘘

たとえば、コンタクトレンズの手入れがいい加減な方がいます。直接眼に触れるものなのに、ぞんざいに扱っている人が多すぎます。もっと清潔に保つことに気を遣うべきです。2週

 

間装用タイプなどは決して使わないでください。就寝時はコンタクトを外して保存液に入れるのですが、この保存液が問題なのです。保存液でタンパクも除去もできて清潔にできるとメーカーはうたっているらしいのですが、鵜呑みにしてはいけません。

もしも本当にタンパクを分解できて細菌も殺せるほど強い液体ならば、そんな液につけたコンタクトを装用したら、眼の細胞が死んでしまいます。実際には保存液の成分は水とほとんど一緒なのです。信頼などできないのです。

それなのに保存液すら買うのが面倒だからと、代わりに水道水を使う人もいます。水道水には雑菌が含まれていますし、地方によってはアメーバ原虫もいます。私の施設に駆け込んできたある患者さんは、

 

水道水を保存液代わりに使ってアメーバ原虫による角膜炎にかかりました。眼が真っ白になってほとんど見えなくなったのです。早急に角膜移植をする必要がありました。

なぜコンタクトショップは駅前で大量のティッシュを配っているのか?

コンタクトレンズの問題は根深いものがあります。都会の駅の周辺には、驚くほど多くの眼科があります。極端に言えばビルごとにあります。しかし、そのほとんどはコンタクトクリニックだということをご存じですか。

医薬品医療機器等法ではコンタクトレンズは医師が扱うべき高度管理医療機器とされています。しかし、実際は眼鏡店やコンタクト会社のお店で宣伝して売ることが多いのです。医療法上の形を整えるために、コンタクトショップが医師を雇って診療所として届け出ています。

多くのコンタクトショップ直営の診療所で行われる診療は、きわめて形式的なものです。コンタクトのフィッティングを診ているだけです。コンタクトショップに雇われている眼科医は、未熟な医師の場合が多いのです。それどころか眼科医ではない医師が診療していることも少なくありません。

コンタクトレンズの原価は「数十円」

コンタクトショップが医師を雇って割に合うのかって? 割に合うのです。そもそもコンタクトレンズの材料費など数十円です。原価など知れているのです。つまりコンタクトレンズメーカーは数十円のものを数万円で売っているのです。その値段の根拠は、以前は医師が診療する代金も含んでいるからということでした。

ところが、開業医の先生方が、コンタクト屋がレンズを売るのはけしからん、診療所での診察を経ないとコンタクトは売らせないようにしろと、厚生省にねじ込んだのです。

しかしこれはまったく裏目に出ました。コンタクトショップが診療所を併設するようになったのです。しかも、同じビルであっても入口は別の診療所ですから、保険診療をしていると言って別に診察代金も取るようになりました。

資金のあるコンタクトショップは診療所の入口を別に作れますが、街の小さな眼科診療所は入口を別に作ることなどできません。コンタクトを販売することは物販なので、診療所ではコンタクトを販売できないのです。

結局、町医者たちがコンタクト販売のもうけ話を奪い返そうとしたのが、かえって自分たちではコンタクトを扱えなくなるという皮肉な状況となりました。

要するに、コンタクトレンズ販売はお店にとってすごい利益率なのです。原価数十円のものを仮に定価2万円で販売するとします。半額の1万円で「大売出し」と広告を打って、そ飛びついた人に、併設の診療所を通じて診療代金も取れば、大きな利益が上がります。だからどんどんと売りつけるわけです。

駅前で大量のティッシュを配っているのは、コンタクトショップであることが多いですよね。宣伝費を大量にかけても儲かる仕組みになっているのです。なぜコンタクトレンズが本来は高度管理医療機器だと警告したかというと、多くの問題を起こすことがあるからです。そもそもコンタクトに向いていない方も多くいます。コンタクトレンズは涙に浮いているようなものですから、涙の分泌の少ない人はもともと向いていないのです。

よく、「このコンタクトレンズは酸素透過性が70%と高いので、着けっぱなしにできます。目に優しい材料です」などと宣伝しています。いいですか? このような宣伝文句を鵜呑みにしてはいけませんよ。まずは疑わなければなりません。

酸素透過性とは、コンタクトレンズの工場出荷時点での値に過ぎません。コンタクトレンズを装用していると、タンパク質や油やカルシウムや汚れが付着して、酸素透過性もどんどん悪くなります。やがて酸素が十分に黒目の角膜に行き渡らなくなります。

すると角膜の表面の上皮という部分がまず傷み、表面の細胞が死にます。細かい傷がたくさんできます。こうなると目がごろごろしたり、赤くなったりするのです。「目に優しい」というメーカーの宣伝を鵜呑みにして、コンタクトレンズを一日中着けていては危険です。

コンタクトレンズの装着は8時間以内に

コンタクトレンズの原則を言います。長くても8時間以内の装用にしてください。装用中でも、痛いとか目が赤くなる見えにくいとか目やにが多いなどあれば、すぐに外してメガネに代えてください。「目に優しいコンタクトレンズ」などないのです。

角膜の表面に傷ができてもそのままコンタクトを着けたままにしておくと、特にソフトコンタクトの場合、傷を覆ってしまい、痛みを感じにくくなります。これがまずいのです。角膜表面の傷に細菌感染を起こすことがあります。

細菌は人間の細胞の壁を溶かす物質を出します。コンタクトを着けっぱなしのままだと、角膜細胞の壁が溶かされ小さな穴が開きます。そして、この小さな穴から細菌が侵入し、眼の中に広がって増えていくことになります。コンタクトレンズを甘く見てはいけません。失明につながる病気が起こりうるのです。