食後の「眠い」「だるい」を放置してはいけない…糖尿病になる前に知っておくべき「糖質疲労」の症状 | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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『無敵の「1日1食」 疲れ知らずで頭が冴える!』
さあ、元気に歳でもとりますか!それに女性は明日の美しさを迎えにいこう。

ランチの後、しばらくして「眠くなる」「だるくなる」。

 

こんな症状が出ている人に対して警鐘を鳴らすのは、北里大学北里研究所病院副院長・糖尿病センター長で『糖質疲労』(サンマーク出版)の著者、山田悟医師。山田さんは食後の血糖値の急変動に由来する体調不良を「糖質疲労」と名づけています。

 

まだ病気ではないものの、放置しておくと、いずれドミノ倒しのように糖尿病・肥満・高血圧症・脂質異常症に至る可能性があるといいます。本書から一部抜粋、再構成してお届けします。

 

 

糖尿病、がん、心臓病、脳卒中につながる

糖質疲労に端を発するドミノ倒し(これをメタボリックドミノと呼びます)とは、図で示したとおり、最終的には長患いの原因になり、いのちを落とす原因にもなりえる病気のつらなりです。

 

その頂上にあるのが糖質過剰摂取であり、食後高血糖すなわち糖質疲労です。

 

その後、左のラインは血糖異常の流れ、右のラインはそれ以外の流れにしてあります。とはいえ、右のラインを進む人が糖尿病にならないとは限りません。糖尿病の人が、右のラインの病気になることもあります。

 

人によってどちらのラインから先に倒れるのかは体質の影響を受けますが、基本的にはどちらか片方だけということではありません。どちらのラインも倒れていくのです。

 

このドミノ倒しの背景にあって、倒れるスピードを加速させるのが、「糖化ストレス」と「酸化ストレス」です。

 

「糖化ストレス」は安定した高血糖(血糖の高さ)で生じ、「酸化ストレス」は血糖の変動の大きさ(血糖の不安定性)で生じるとお考えください。糖質疲労はそのいずれをも生じさせ、2つが互いに増悪し合う負のスパイラルとなります。

 

ドミノの中段に出てくる「マクロアンギオパチー」とは太い血管で生じる動脈硬化のことです。脳や心臓、足に障害が出てきます。

 

「ミクロアンギオパチー」とは毛細血管に生じる病変のことです。腎臓や目、神経に障害が出ます。糖尿病の3大合併症とも呼ばれ、腎症、網膜症、神経障害として、それぞれがそれだけで医学の教科書に記載されるくらいの大問題です。

 

糖質疲労は可逆的、病気になると不可逆的です。脳卒中や心筋梗塞を起こせば、死んでしまった脳細胞や心筋細胞は復活しませんし、失明や透析に至れば、そこから元に戻ることはないのです(ただし、腎臓移植をすれば透析から脱却できます)。

 

そこまでに至らずとも、ドミノ倒しの中流くらいで、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、脂肪肝など、様々な病名が存在することにお気づきいただけると思います。

複数の病気を抱える前に戻れる段階が「糖質疲労」

中高年になり、いくつもの診療科からたくさん薬が出ていて、認知症でもないのに、どれがどんな病気のお薬なのか、もうよくわからないとおっしゃる方がいます。

 

5つ以上の処方薬を飲んでいる状態を「ポリファーマシー」と呼びますが、決してめずらしい話ではありません。ポリファーマシーは複数の薬剤の併用により、予測できない有害な事象が起こりやすくなることにもつながります。

 

ポリファーマシーの人は、それだけ複数の病気の診断が出ているということで、まさにドミノ図の中流以下のどこかにいると考えられます。当然、医療費もかかり、仕事や家庭生活でご多忙な中、頻繁な医療機関の受診がご本人の時間的な足かせになることもあるでしょう。

しかし、そのような状態になるずっと手前、ドミノの最上段に、まだ可逆的で、比較的容易に対処が可能な「糖質疲労」はあるのです。

糖質疲労を自覚しているなら、下流にある様々な問題はいつかは我が身の問題、と言っても過言ではありません。いまなら、未来を変えられます。ドミノを倒さない食生活に転じましょう。詳しくは拙著『糖質疲労』で解説しています。