運動中には死亡例も 水分補給はとり方に注意!「低ナトリウム血症」の症状と防ぎ方 | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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かつて、スポーツの練習では水分を自由に取らせない厳しいトレーニングが当たり前だった。その後、脱水などの危険性から水分補給の重要視されるようになったものの、今度は水分の取り過ぎによる低ナトリウム血症(低Na血症)の問題が浮上している。

マラソン中などに死亡する例もある運動中の低Na血症だが、適切な水分補給はどの程度なのか。

世界の医学会や関連団体が指針を示す中、米国を中心に英国、オーストラリア、ニュージーランドの専門家の合意声明が、臨床スポーツ医学の専門誌「Clinical Journal of Sport Medicine」(2015; 25: 303-320)に掲載された。

運動による低Na血症を予防するための、
適切な水分補給も紹介している。水だけでなく、スポーツ飲料の飲み過ぎも良くないようだ。
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◆ハイキングやアメフトでも死亡例

低Na血症とは、血液(血漿=けっしょう)中のナトリウム(塩分)濃度が136mEq/L未満に下がった状態。濃度が120~130mEq/Lで軽い疲労感、120mEq/L以下で頭痛や吐き気、食欲不振など、110mEq/L以下で昏睡(こんすい)や痙攣(けいれん)などが現れるという。

原因は体の中の水分が過剰になること。主な原因として利尿薬や下痢、心不全、腎臓病のほか、運動に関連したものもある。運動関連低Na血症は「EAH」とも呼ばれ、運動時や運動後24時間以内に起こる低Na血症を指す。

原因は、失われた水分を取り戻そうと水分を取り過ぎること(水中毒)。マラソン、ハーフマラソン、トライアスロン、ハイキング、ラグビー、アメリカンフットボール、ホットヨガなどで報告されており、マラソンやハイキング、アメフトなどでは死亡の報告もあるようだ。

あるウルトラマラソン(走行距離が42.195キロを超えるマラソン)では、参加者の67%でレース中のいずれかの時点に低Na血症が認められたが、ゴール時にも低Na血症だったのは27%だったと報告されている。

通常のマラソンでは、ゴール時の低Na血症率は参加者の0~13%との報告もある。

◆スポーツ飲料でもまだ浸透圧低い

今回の合意声明では、運動に関連した低Na血症を招く要因として「4時間を超える競技」「経験が浅い、または練習が不十分」「高・低BMI(肥満指数)」などが挙げられているが、これらを抑えて最大の危険因子とされているのが「発汗量を超えた水分の摂取」。

 

水とともにスポーツ飲料も、アイソトニック飲料(血液や体液と等しい浸透圧)、ハイポトニック飲料(血液や体液よりも低い浸透圧)の区別なく挙げられている。

スポーツ飲料について声明では、水よりも浸透圧が高いとはいえ「一般的なスポーツ飲料のナトリウム濃度は10~38mEq/Lで、正常な血液の濃度(136mEq/L以上)より浸透圧が低く、飲み過ぎたら血液中のナトリウム濃度を維持できない」と説明している。

一方で、脱水を防ぐために適度な水分補給は必要だ。声明では、マラソン選手では喉の渇き具合と血液中のナトリウム濃度に関連があり、喉の渇きに応じて水分摂取すると血液の浸透圧が維持されたという研究結果もあることを紹介。

その上で、喉の渇きに応じて水分補給する「drink to thirst(喉が渇いたら水分補給)」戦略を推奨した。

治療に関しては、「血液中のナトリウム濃度ではなく、症状の重症度に基づいて治療法を選ぶべき」とするほか、低Na血症による脳症(EAHE)が疑われる選手に対しては、緊急で高張食塩水(血液よりもナトリウム濃度が高い食塩水)を静脈に投与することなどが推奨された。主な推奨内容は以下の通り。

<運動関連低Na血症に関する主な推奨項目>
分類・診断
・症状は軽いものから脳症まで幅広い。血液中のナトリウム濃度ではなく、症状の重症度に基づいて治療法を選ぶべき(グレード1A)。疑いがある患者に対して迅速にナトリウム濃度を測定することは重要だが、必ず測定できるとは限らない。
治療
・症状がない運動関連低Na血症に対し、低浸透圧の水分を静脈または口から投与した場合、症状がある運動関連低Na血症に変化する可能性がある(グレード1C)。したがって、排尿があるまでは体液よりも浸透圧が低い(低張性=ハイポトニック)あるいは同じ(等張性=アイソトニック)の水分投与は中止する(グレード1C)。
・運動関連低Na血症が疑われる選手に対しては、緊急で高張食塩水を静脈に投与する。また、検査を迅速に行う(グレード1B)。
・軽度の症状がある場合には、排尿があるまで経過観察するか(グレード2B)、高張食塩水を静脈内投与してもよい(グレード1B)。
予防
・水分の取り過ぎが主な原因であることを考慮し、喉の渇きによる調節機構を利用した水分補給を行うことで、低Na血症の回避と脱水症状の予防を同時に行う(グレード1C)