冬の悩みで最も多いのは、なんといっても冷えだが、同様に女性が悩んでいる乾燥やむくみ、風邪をひきやすいなども、実は、冷えからきているのかもしれない。冬を元気に乗り切るには、やはり、冷えの改善が重要だ。
「冷えは気の巡りが悪くなっている状態で、漢方では、“気虚”(ききょ)といいます。“気”は元気の気。気の巡りが悪くなると、だるくなったり、疲れが取れにくくなったり、風邪をひきやすくなったりします。
また、血液の巡りや新陳代謝も鈍くなりますから、体の隅々にまで栄養や酸素、熱などが運ばれなくなり、手足が冷えるのはもちろん、乾燥や肌荒れ、むくみなども起こりやすくなります」と語るのは、薬剤師の河端孝幸さん。
そんな河端さんは対策についてこう語る。
「冷えに有効な漢方はいろいろありますが、中でも私が注目しているのは、冬虫夏草です」(河端さん)
冬虫夏草とは、チベット高原やヒマラヤ地方特有のきのこの一種。ごく限られた高山地域でしかとれないため、古くから珍重されている漢方生薬だ。
「外から取り入れた新鮮な空気、エネルギーに満ちた気を全身の隅々にまで巡らせるには、その気が最初に入る肺系統の働きをよくすることが大切。冬虫夏草は、この肺系統に有効に働くとされているのです」(河端さん)
さらに、肺系統は、気管支や喉、鼻などの呼吸器系はもちろん、皮膚にも関係するため、風邪をひきやすい、咳が出るなどのほか、肌の乾燥や肌荒れにもいいという。
「冬虫夏草は、皮膚を元気にする働きがあるので、美容にも役立ちます。女性には特におすすめですね」(河端さん)