10週間で300倍に増殖! 粉製品のダニアレルギーに注意 | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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■ダニによって起こるアナフィラキシー
小麦粉、お好み焼き粉などを常温で保存していませんか? 知らず知らずのうちにダニが増殖してしまい、それを食べてしまうことで重篤なアレルギー(アナフィラキシー)を起こす可能性があります。

症状としては、パンケーキ、お好み焼き、たこ焼きなどの粉製品を摂取した直後から1時間以内に、咳、息ができない呼吸困難、ゼイゼイ、ヒューヒューといった喘鳴、

 

白く盛り上がった湿疹である血管浮腫、鼻づまり、蚊に刺されたような蕁麻疹などが起こってきます。意識障害や血圧が下がったショック状態になることもあり、重症例も多くなっています。

2010年には、日本で59例報告されています。これまでの報告では、原因となった粉製品は、開封後に数ヶ月間から数年にわたって室温保存していたものでした。

 

また、発症したすべての人の血液検査で、ダニアレルギーが見られましたが、アナフィラキシーを起こすまで特にダニアレルギーであることを自覚していない人もいたので、誰でも注意しなければいけない病気とも言えます。

■ダニの繁殖力は10週間で約300倍
ダニは温度が25~30℃、湿度が60~80%で、餌のある環境であれば繁殖してしまいます。卵から成虫までは約1ヵ月で、寿命は2~3ヵ月です。この間に50~100個以上の卵を産みます。そのため、10週間も経つと約300倍に繁殖してしまうと言われています。

ダニの主な餌は人やペットなどの食べこぼしや抜け毛、フケですが、お好み焼き粉やホットケーキミックスなどの粉製品もダニの餌になります。

 

特にお好み焼き粉には、味や風味の点で魚介エキスを含むアミノ酸が含まれていることがあるので、よりダニが繁殖しやすい環境にあります。

こうした粉製品の袋を開封後、小さな穴からダニが侵入したまま室温で引き出しなどにしまっておくと、湿度も高くなり、ダニが繁殖する環境が整ってしまいます。

アレルギーの原因になるのは、ダニの死骸や糞などのタンパク質です。

■加熱してもアレルギーの原因は取り除けない
アレルギーの原因になるのは、ダニの死骸や糞などのタンパク質。加熱すればダニ自体は死滅しますが、アレルギー性が低下しない成分があります。

 

そのため、繁殖しきった材料をお好み焼きやホットケーキにしても、アレルギーを起こす可能性があります。

『ダニ繁殖小麦粉食品によるアナフィラキシーとその対策』(小児科,45:1458-1464,2004)によると、家庭で保存されていた粉製品を検査すると、開封部分を折り曲げて輪ゴム・クリップで閉じたもの、また密閉容器に保存していたものでも、ダニが検出されたと報告されています。

 

常温で台所の戸棚に長期間しまっているとダニが繁殖し、アレルギーを起こす成分を多く含んでしまうことになります。

実際、未開封のミックス粉と未開封の薄力粉をダニとともに培養すると、ダニが繁殖することが証明されています。特に、ミックス粉で増殖しやすいようです。

■ダニが増えていることは目で確認できるのか?
ダニの大きさは0.3~0.5ミリメートルですから、目に見えません。ダニの色も透明に近く、肉眼的に粉製品にダニが増えているかどうかはわからないでしょう。

もちろん顕微鏡を使えば見ることができますが、毎回確認するわけにはいきませんので、ダニを増やさない工夫をする必要があります。

■ダニの繁殖を防ぐ方法は?
開封したら早めに使い切ることが大切です。できれば、小分けになっている製品を使うのがお勧めです。

また、使いきれなかった時には冷蔵庫で保管します。可能なら除湿剤などを入れて密封容器で保存するとよいでしょう。冷蔵していても安心せず、早めに消費しましょう。

●参考文献
・Anaphylaxis after ingestion of beignets contaminated with Dermatophagoides farina(J Allergy Clin Immunol 92:846-849,1993)

・お好み焼き粉に繁殖したダニによる即時型アレルギーの2例-Inhibition immunoblot法による原因抗原の検討と粉の種類によるダニ数及びダニ抗原増加の検討-(日皮会誌 120:1893-1900,2010)

・ダニ繁殖小麦粉食品によるアナフィラキシーとその対策(小児科 45:1458-1464,2004)

・ダニ混入お好み焼き経口摂取によるアナフィラキシーの2例(J Environ Dermatol Cutan Allergol 2:123-129,2008)