医師が明言、がん診断時に「必ず確認すべき」3つ 進行したがんや再発がんは治癒することは困難 | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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がんと診断されたとき、医師に必ず確認してほしい3つのことがあります(写真:polkadot/PIXTA)

がんと診断されたとき、医師に必ず確認してほしい3つのことがあります(写真:polkadot/PIXTA)© 東洋経済オンライン

 

日本人が一生のうちにがんと診断される確率は2人に1人。5人に1人ががんで亡くなる「国民病」と言われながら、その特徴や治療法、

 

社会保障について詳しく知らない人がほとんどです。知らないどころか大きな誤解も多々あります。

 

そこで、抗がん剤治療のパイオニアで、腫瘍内科医の勝俣範之氏が、ステージ4や再発がんに関する誤解について解説します。

 

『あなたと家族を守る がんと診断されたら最初に読む本』から一部抜粋・再構成してお届けします。

確定診断まで、2週間から1か月間ほどかかる

がんと診断されるときに、医師に必ず確認してほしい3つのことをお伝えします。

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がんが見つかるきっかけは、市町村や職場のがん検診や、痛みや出血、体調不良などの自覚症状があって病院で診察を受けて見つかるケースが大半です。

 

そして、検査を経て診断となります。

 

疑いから検査がはじまるわけですが、がんの確定診断にはひじょうに時間がかかります。

 

診察、血液検査、画像検査、病理検査など複数あり、現在は、内視鏡などを使って組織をとって調べる組織学的検査(生検)を行い、本当にがんなのかどうかを確定するのが基本になっています。

 

診断までには、だいたい2週間から1か月はかかると思います。がんによっては手術をして調べなければわからないものもあります。

 

早期発見、早期治療の意識が強いとは思いますが、一部の急速に進行するがんを除き、多くの場合は、がんが発見されるほどの大きさになるまで数年かかると言われています。

 

2、3週間の間にいきなり手遅れになることはあまり考えられないので、検査が続いても、決して焦らないでいただきたいです。

がんの告知のほとんどは、非常にあっさりとしている

そうした期間を経て、主治医から確定診断を受けるわけですが、現在のがんの告知はひじょうにあっさりしたものであることが多いです。裁判官から判決を言い渡されるような、ものものしいシーンはほとんどありません。

 

拍子抜けするほど淡々と「がんです」と告げられるのが一般的です。

もはや医療の現場では、がんは珍しい病気ではないからです。

 

しかし、たいていの患者さんは、それだけの検査期間を経ても、まさか自分ががんになるとは思ってもいなかった、青天の霹靂という状況の方がほとんどです。

 

だからこそ、診断時に、必ず確認していただきたい3つの大切なことがあります。まず1つめは、それが確定診断なのかどうか。確定診断であるなら、どの検査で判断されたのかということ。

 

というのも、確定のためには手術が必要だったりなど、まだ確定前であるケースも案外、あります。次に、診断が確定されたら、何のがんなのか、どこにできたがんなのかを、必ず聞いてください。

 

例えば「肺にがんが見つかりました」と言われても、それだけで肺がんなのかはわかりません。というのも、大腸がんがもともとあって、それが肺に転移したのかもしれないからです。

この最初にできたがんを原発巣といいますが、治療は原発巣のがんに合わせて行われるのが一般的です。肺がんと大腸がんでは、基本的な治療法が異なります。

いい患者になる必要はない

3つめは確定診断時点での進行の度合です。それによってがんの病期(ステージ)が決まってきます。

 

ステージは「0」から「4」まで5段階ありますが、がんの種類によって内容が異なり、同じステージでも病期の状態や治療法が違います。また、ステージが患者に伝えられるのは、ほぼ、確定診断のときだけです。

 

なぜ、この3つを必ず確認するかというと、がんの治療は最初の治療がいちばん大事だからです。

 

やり直しはできません。あのとき、こうしておけばよかった、と思っても、あのときはもう取り戻せない。だからこそ、いちばん最初に、診断や治療方針について、医師としっかり話し合っていただきたいのです。

 

医師に対して遠慮はいりません。

自分の命と人生に関わることですから、納得するまで、コミュニケーションをとっていただければと思います。いい患者さんになる必要はないのです。

 

では、医師と何を話し合うかですが、

根拠に基づく医療でもっとも大切なのは、患者さんの価値観であり、その人の生活や人生の質(QOL)です。治療なんだから科学的データ(エビデンス)が最優先でなはいの?と思われがちですが、それは誤解です。

治療が目的にならないように、自分の幸せをしっかり考える

もちろん、エビデンスは大切ですが、医療者の専門性(手術、診察法、チーム医療など)やエビデンスよりも、患者さんの生き方や考え方、希望と価値観が最優先事項です。

 

なぜなら、治療は患者さんとそのご家族が、がんとよりよく共存するためにあるからです。

この先、患者さんがよりよい人生を送るために治療するのであって、治療は手段の一つであっても、目的にはなりません。

 

もしも、人生を台無しにするような治療なら、本末転倒です。

しかし、がんの治療には、ともすればそうなる可能性があります。

 

だから、これから受ける治療で、自分が幸せになるかどうか、自分にとっての望みは何であるかを医師にしっかり伝えて、話し合っていただけたらと思います。

 

咽頭がんや喉頭がんで、声を仕事にしている方から手術で声帯を除くことがベストなのか、あるいはピアノなど楽器演奏が趣味の方に手や指がしびれる副作用がある抗がん剤を使うのが適切かどうかなど、よくよく考えなくてはなりません。

 

抗がん剤の種類もたくさんありますから、そうした副作用を避ける治療も可能になってきています。また、患者さんが何よりも大切にされている行事のようなものがあれば、できるだけそれに参加できるようにタイミングの調整も必要になります。

 

そのためには、治療のなるべく早い段階で、自分はこういう仕事をしているとか、日々、こういうことを大切にしているということを積極的に医師に伝えてください。

 

残念ながら、医師からそうした患者さんの背景などはあまり聞きません。

だから患者さんのほうから伝えたほうがいいと思います

 

がんの治療は長く続くものだから、そうやって双方向のコミュニケーションに基づいて行われるのが理想なのです。

ステージによって治療の目的は変わる

そして、がんにはステージが5段階ありますが、治療もステージによって、その目的が変わります。般的に、ステージ1、2の段階にあるがんを「早期がん」、ステージ3、4を「進行がん」と呼びます。この早期がんと進行がんで、「治療の目的」が変わるのです。

 

早期がんの治療目的は「再発を減らし、治癒を目指すこと」です。ですから、科学的データに基づいた積極的治療となり、患者さんには、手術や放射線治療をはじめ、負担が大きくてもがんばりどきとして、治療に臨んでいただくことが多いです。

 

手術でがんを取り去ったあとの抗がん剤も勧めます。手術が成功したのだから、もういいじゃないかと思われがちですが、このときが再発を防ぐいちばん大切なタイミングですから、ぜひともやっていただきたいと思います。

 

最初に徹底的にやっておけば再発しない可能性がかなり高くなります。

逆にいうと、このタイミングを取り返すことはできないのです。

 

患者さんが術後の抗がん剤治療に積極的にならないのは、こうした説明が医師からきちんとできていないという、医療側にも責任の一端があると思っています。

がんで寝たきりになることは少ない

そして、進行がんの場合の治療方針ですが、転移が見られるほどの進行したがんや再発がんは、治癒することは困難です。

 

だからこそ、自分の人生で大切にしていることを最優先する治療になります。できるだけ旅行に行きたい、おいしいものを食べたい、そういう希望を医師に伝えてください。

 

ステージ4の進行がんでも、当初は身体的な痛みがそれほどあるわけではありません。痛みが出てくるのは、本当に最期近くになってからです。

 

がんで寝たきりになることは少ないのです。

最期に近い1か月前ぐらいまでは元気に過ごす患者さんが多いです。

 

だから好きなことや、やりたいことを諦めないでください。

苦痛でしかない治療では意味がありません。

 

ご自身の楽しみや生きがいをずっと続けてほしいと思います。

進行がんの場合は、人生の楽しみを諦めないために治療があります。

 

ステージ4も再発がんも、末期がんではありませんし、天寿をまっとうすることができます。

私の患者さんで、ステージ4で世界旅行に何度もチャレンジされている方もいます。

 

治療も、やれることがあります。

その点を、どうか誤解しないでいただきたいと思います。