薬丸裕英が再発したばね指とは? へバーデン結節など、更年期以後の手指のしびれ・痛みを解説 | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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さあ、元気に歳でもとりますか!それに女性は明日の美しさを迎えにいこう。

タレントの薬丸裕英 さんがブログで再発を報告したことで話題の「ばね指」。同じように、50歳頃を境に、手のこわばりやしびれ、痛みなどを訴える女性が増えています。

 

それは、どうやら女性ホルモンが影響しているようです。「気のせい」と放置してしまうと、指の変形につながることも。専門医の平瀬雄一先生が詳しい原因と対処法について解説します。(構成=天田泉 イラスト=おおの麻里)

放っておくと指の変形につながることも

指がしびれる、親指のつけ根などが痛む、指がこわばって細かい作業がしづらい……。これまでその原因は、手指の老化や使いすぎと言われてきました。

 

 「確かに、加齢や使いすぎで手指の腱や関節などが痛む場合があります。

 

でも、実は更年期 に起こる症状であることも多いのです」と話すのは、手の専門医で四谷メディカルキューブ手の外科・マイクロサージャリーセンター長の平瀬雄一先生。 「女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、骨、関節、靭帯、皮膚、血管などに作用し、

 

全身を守る役割を果たしています。そのためエストロゲンが減少する更年期以降は、骨粗しょう症 などになりやすくなるのです」(平瀬先生。

 

以下同) エストロゲンの分泌が減ると、手指の関節や関節を包む膜、指を動かす腱、腱を包む腱鞘などがダメージを受けやすくなり、しびれやこわばり、炎症による腫れや痛みの原因に。

 

 「実際、手指に関するトラブルは更年期をはじめ、女性ホルモンのバランスが崩れる妊娠中や、エストロゲンが減少する授乳期に多いのです」

 

 ただし、授乳期が終わればホルモンのバランスは元に戻るため、自然治癒するケースがほとんどとか。問題は更年期です。

 

「エストロゲンは炎症を鎮める作用もあるので、更年期以降はその減少で、症状が改善しにくくなるのです」 ところが、更年期世代の女性が手指のトラブルを訴えても、正しい診断が下せる医師は少なく、「年のせい」と言われて、そのまま諦めてしまうケースも後を絶ちません。

 

「痛みやしびれを感じたまま使い続けると、7~10年かけて変形してしまいます。そのため、60代になって指の変形を自覚する人が多いのです」 ダメージを受けている手指を無理に使うと関節や腱に負担がかかり、軟骨がすり減ったり関節が曲がったり。

 

指が変形する「へバーデン結節」「ブシャール結節」(次ページ「手の疾患チェックリスト」参照)などの疾患になることもあるのです。変形で神経が圧迫されると、痛みも強くなります。

手の疾患チェックリスト

あなたは大丈夫? 更年期 以降の女性に多くみられる手の疾患の可能性をチェックしてみましょう。 ※正しい診断は専門医を受診しましょう。 *****

 

□ 明け方に手のしびれが強くなって目が覚める

□ ボタンをかけたり、小さなものをつまんだり、細かい作業がしにくい  ⇒親指のつけ根の筋肉が萎縮して症状が起こる手根管症候群 の可能性

 

 □ 指が腫れてきて、動かすと引っかかるような感じがする  ⇒腱や腱鞘が腫れて指が動かしにくいばね指の可能性

 

 □ 手首の親指側が腫れて、親指を動かすと痛みがある  ⇒腱鞘が炎症を起こして腱の動きが悪くなるドケルバン病の可能性

 

□ 指の第1関節が変形してきた  ⇒第1関節が炎症を起こして変形するヘバーデン結節の可能性

 

 □ 指の第2関節が膨らんで、指が曲げにくい  ⇒第2関節が変形するブシャール結節の可能性

 

 □ 親指のつけ根が痛くて、ペットボトルのふたなどが開けられない  ⇒親指の軟骨がすり減って力が入らない母指CM関節症の可能性 *****

エストロゲンの補充と血行を促進する生活が大事

更年期の手指の異変は、エストロゲンの補充で予防や改善が可能です。また、それと似た作用があるイソフラボンを含む大豆製品を積極的に摂ることでも効果が望めます。

 

「ただし、イソフラボンがそのままエストロゲンの代用になるわけではありません。腸内細菌によって“エクオール ”という物質に変わり、これがよく似た働きをするのです」 ところが、イソフラボンをエクオールに変える腸内細菌を持っている人は、日本人では半数程度。

 

2人に1人は、大豆製品を摂っても十分にエクオールを作ることができません。

 

「とくに、両親や祖父母に手の変形が見られる人は、遺伝的にエクオールを作れない体質である可能性が。その場合は、エクオールの補助食品などで補うのもいいでしょう」

 

また、冷えは痛みやしびれなどを強くしてしまうので、血行促進を心がけることが大切。 「腫れや痛みなどがあるときは無理しないこと。意識して動かさないようにするなど、手指をいたわる生活をしましょう」

《エクオールを補って予防》

《予防法》手指の異変予防に有効なエクオールを大豆製品から摂取

【1】大豆製品を毎日摂ろう 「腸内細菌の働きで、大豆製品に含まれる大豆イソフラボンからエクオール が作られます。

 

また、腸内に産生菌がいない人も、大豆製品を摂っていれば外部から入ってくる菌(通過菌)によってエクオールが作られる場合も。エクオール1日10mg以上が、手指の変形を含め、更年期 のトラブルを予防する目安になります」(平瀬先生) エクオールは短時間で体外に排出されるので、大豆製品は毎日摂りたいものです。

 

1日に摂りたい大豆製品の目安

・豆乳ならコップ1杯(200cc)

・納豆なら1パック(50g)

・豆腐なら2/3丁(200g)

《手の痛みやしびれ、指の変形の対処法》

【対処法】朝目が覚めたら手をぶらぶらと振って血流を促しましょう

 

【1】血行を促して冷えから手を守る 「エストロゲンは血液を通して全身に運ばれます。冷えると血流が滞って、エストロゲンが指先まで行き届かず、しびれなどの原因に」(平瀬先生) 入浴で体を温めるなど血流を促す生活を心がけて。血行を改善するビタミンEなどの摂取もおすすめです。

 

【2】起床後すぐに手をよく振る 睡眠中は血圧が下がって血の巡りがゆるやかになります。 「朝は手指の痛みやしびれが起こりやすいので、目が覚めたら手をぶらぶらと振って血流を促しましょう」(平瀬先生)

 

【3】腫れや痛みには冷湿布を 腫れや痛みは、炎症が起きている証拠です。 「冷湿布で炎症を抑えましょう。無理に動かさないように、手指をテーピングして固定するのも一つのケア方法です」(平瀬先生)

 

【4】トラブルがひどいときは治療を 「変形がひどい場合や、痛みやしびれで眠れないときは、受診を。痛み止めの薬や注射、手術、指をスムーズに動かすためのリハビリなどの治療が受けられます」(平瀬先生) 受診は手の専門医がおすすめ。日本手外科学会のホームページより「手外科専門医・認定施設」をチェックしてから、受診を。