男性患者の悩みで最も多い相談はにきびです。年齢層は15歳から45歳ほど。ひと昔前は、にきびは若さのシンボルといわれていましたが、今となってはにきびは立派な病気です。にきびはこじらせると跡になってしまうので、早めにケアしなければいけません。
自宅でできる簡単なケアは、まず洗顔。洗顔料を使って1日2回もしくは3回洗顔すること。1日5回、6回と洗顔する人がいますが、それ以上洗顔すると皮膚が乾燥し、乾燥した皮膚は油分が足りないと錯覚して逆に皮脂の分泌が活発になってしまいます。
また、洗顔後の保湿も重要ですが、気を付けないといけないのは油分を多く含んだ保湿剤は避けること。油分が多い保湿剤は、毛穴をふさいでにきびの原因となってしまいます。では、どんな保湿がいいのでしょうか。
ずばり、化粧水のコットンパックがおすすめです。化粧水は油分が入っていないので毛穴をふさぐこともなく、にきびの原因にはなりにくいのです。
ただ、化粧水のみでは乾燥してしまうので、化粧水をコットンにたっぷりと湿らせてパックすれば、毛穴をふさぐことなく保湿できます。
食生活では、お肉やチョコレートなどのお菓子類、生活環境では、ストレスや汗・睡眠不足、たばこはにきびの原因となります。男性ホルモンや遺伝が原因でできるにきびは残念ながらなんともできません。
したがって、自力でなんともならない頑固なにきびは病院の力を借りるのが得策です。
現代の医療の中でも、ケミカルピーリングは医学的にも有効性が立証されている治療です。簡単に説明すると、化学物質を皮膚に塗布し、その化学反応を利用してにきびやにきび跡にできた汚れた角質を溶かします。
これを定期的に繰り返すことで、にきびができにくい肌に肌質をかえていきます。こういった治療の進化でにきびは劇的に改善できるようになりました。
■梶田尚美(かじた・なおみ) 愛知医科大卒業後、同大学付属病院皮膚科に入局。在職中は、ニキビに対するケミカルピーリングの研究を行い、数々の学会および論文で発表。同病院に美容皮フ科を立ち上げる。その後、総合大雄会病院、一宮西病院を経て現在、なおみ皮フ科クリニック院長。