胃もたれ、胸やけ…などの不快症状への対応策は。50代からの胃腸の整え方 FC2 Analyzer | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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『無敵の「1日1食」 疲れ知らずで頭が冴える!』
さあ、元気に歳でもとりますか!それに女性は明日の美しさを迎えにいこう。

年末年始は親族の集まりや外食の機会が増え、食べすぎや飲みすぎからくる胃腸の不調に悩まされることが多くなります。

 

特に『婦人公論』世代が陥りがちな胃腸トラブルについて、その原因と対策、予防法を専門医に聞きました(イラスト=おおの麻里 取材・文=鈴木裕子 構成=渡部真里代)

◆胃や腸の機能低下が不快症状を引き起こす

胃がもたれる、痛い、胸やけがする、便秘あるいは下痢を起こしやすくなった……など、胃腸に“なんとなく不調”を感じていませんか?

「50代以降は、腹部膨満感などの比較的軽い不調を含めて、胃腸にトラブルを抱える人が多くなります。その主な原因は、加齢による胃腸の機能低下です」と、代官山パークサイドクリニック院長の岡宮裕先生は話します。

胃の働きは、胃液とぜん動運動により食べ物を消化すること。また、胃粘膜から分泌される胃粘液が、胃の中の食べ物をスムーズに腸へ送るとともに、胃酸などから胃を保護する役目を果たしています。

「加齢により胃粘膜が萎縮すると、胃粘液や胃酸の分泌が減少。ぜん動運動も弱まることから、胃の内容物が滞留して胃もたれやむかつきといった症状が表れるのです

 

。加えて、細菌やウイルスを殺してくれる胃酸の減少は、免疫力の低下も招いてしまいます」(岡宮先生。以下同)

腸では、ビタミンやミネラルなど体にとって大切な成分の吸収力が低下したり、ぜん動運動が弱まることから、慢性的な便秘や下痢が起こります。さらに、食道と胃をつなぐ筋肉が弱まることで、胃から食道へ胃液が逆流する「逆流性食道炎」を起こしやすくなることも。

岡宮先生によれば、なんらかの胃腸の不調を抱える割合は男性より女性に多く、更年期以降の女性では6~7割の人に見られるそうです。

「胃腸に大きく影響を与えるのが、ホルモンバランスの乱れです。

 

女性は閉経にともない、女性ホルモンの分泌が急激に減少。すると、胃や腸の粘膜の状態が悪化し、胃腸のトラブルを助長することに。特に、便秘や軟便といった症状が多く見られるようになります」

◆「機能性ディスぺプシア」の可能性も

胃腸の不調を改善するには、食養生などのセルフケアが有効です。

「胃腸に負担をかけないよう、質のよい物を腹八分目で食べる、冷たい物を飲まない、などを心がけるといいでしょう。また、冷えが気になる人は胃腸のトラブルを起こしやすい傾向にあります。消化管を冷やさないことはもちろん、体全体の冷えの改善に努めてください」

胃腸をいたわる生活を続けても不調が続くようなら、医療機関を受診しましょう。

「内視鏡検査などを受けることで、胃がんや胃潰瘍など病気の有無がわかります。特に異常がない場合でも、『機能性ディスぺプシア』の可能性があるので注意が必要です」

機能性ディスペプシアとは、加齢やストレスなどから胃の働きが悪くなり、胃痛、胸やけ、胃もたれ、お腹の張りなどの不快症状が起こる病気。生活習慣の見直しや薬の服用で改善されるといいます。

「胃腸の調子が整うと、栄養のみならず、ビタミンやミネラルなどの重要な物質を十分吸収できるようになるので、元気になる人が多いですね。

 

また、腸と自律神経は密接に関係しているため、腸の調子がよくなることで、自律神経の乱れからくる不調が改善されることもあります」

次ページから、胃や腸をいたわり、年末年始を上手に乗り切るための具体的な方法を紹介します。

■消化のしくみと不調時の胃の様子

◆胃腸をいたわる「食べ物&お酒」のルール

食習慣を見直すことでできる胃腸のセルフケアと、アルコールとの上手な付き合い方を伝授します

【ルール1】

◆質のよい物を腹八分目まで

なるべく加工食品や菓子類を避け、食材そのものを生かした料理を食べましょう。

「キャベツやブロッコリー、玉ねぎは胃腸の働きを促します。また、大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンと似た働きを持つので、積極的に摂りたい食材です。

 

一方、白砂糖や精製された穀物などは胃腸を冷やしますし、脂っこい物は消化しにくく、胃腸に負担がかかるので控えましょう」(岡宮先生。以下同)

なお、腹八分目は胃腸だけでなく全身の健康のためにもよいことがわかっています。食べすぎにも注意してください。

【ルール2】

◆空腹での飲酒は絶対にNG

「空腹にアルコールは、胃への刺激が強すぎます。冷たいとさらに追い打ちをかけるので、『かけつけビール3杯』は避けましょう」

なお「胃粘膜を守るにはコレ、という食品はありません」と言う岡宮先生。

「空腹を避ける意味では、飲酒の前にスープや糖分控えめのヨーグルトなどを間食として摂るといいでしょう」

【ルール3】

◆冷たい飲料は避け、消化管を冷やさない

「野菜は、生のままだと冷えを助長して胃腸トラブルにつながりやすいので加熱して食べるようにしましょう。サラダも、蒸したり茹でたりした温野菜を上手に取り入れてください」

また、冷たい飲み物も不調の原因に。常温か温めたものなら、胃腸に負担がかかりません。

「お酒も、ビールやスパークリングワイン、チューハイなどは控えめに。常温で飲める赤ワインや日本酒の熱燗、焼酎のお湯割りを選びたいもの。ただし、いずれにしても飲みすぎは禁物です」

【ルール4】

◆お酒を飲みすぎた時は水分をたっぷり補給

アルコールには利尿作用があるため、脱水症状になりがちです。

「しかし、肝臓でアルコールを分解する際には水分が必要になります。お酒を飲んでいる間も、こまめに水分を摂るようにしてください。飲みすぎた翌朝は無理に食べず、味噌汁やスープなど温かい汁物を摂るようにしましょう」

【ルール5】

◆胃腸の働きを高める薬の力を借りる

胃を健やかに保つためには、胃粘液を増やすことも大切。

「食べ物の消化を助け、バリアとして胃酸などから胃を守る働きをしている胃粘液は、年齢とともに減少傾向にあります。自然には増えないものなので、薬で胃粘膜を保護するのも一つの方法です」

胃酸の分泌やぜん動運動を促す効果のある薬なども、上手に利用して。それでも不快感が治まらない時は、早いうちに専門医を受診しましょう。