「薪ストーブ」を導入するといくらかかる?石油ストーブと比べてみた© ファイナンシャルフィールド
薪ストーブのしくみとメリット
薪ストーブは、鉄などの密閉された箱の中で薪を燃やして暖をとる、煙突のついた暖房器具です。赤外線と放出する暖かい空気で、部屋全体を暖めます。
薪を入れる扉はガラスですので、揺れる炎を眺めながら、薪の香りや音が楽しめます。天板でやかんを温めたり、炉の中をオーブンとして調理に使ったりもできます。燃料は薪ですので、石油・ガス・電気などの費用がかからず、停電時でも使用が可能です。
薪ストーブの導入費用
薪ストーブを使えるようにするための概算費用は、以下の通りです。
※参考サイトをもとに筆者作成
薪ストーブは設置する場所により、部屋の暖まり方に差があります。ホームセンターなどで薪ストーブを購入して自分で設置する方も多いようですが、換気や防火など、安全面の配慮は必須です。
火災などの危険を伴うため、専門店に相談することをおすすめします。薪ストーブの導入について、補助金を交付する自治体もありますので、調べてみてください。
導入してからのランニングコスト
薪ストーブを長く安全に使うには、手入れも大切です。1シーズンにかかる概算費用は、以下の通りです。
※参考サイトをもとに筆者が作成
薪はホームセンターで購入すると割高ですが、道の駅で比較的安価に手に入ることもあるようです。
チェーンソーや斧、薪割り機などをそろえて、原木から自分で薪を作ったり、製材所や建築現場で廃材を無料で手に入れたりすることができれば、コストはさらに抑えられます。
しかし、薪ストーブに使う薪は、しっかりと乾燥させないと火のつきが悪く、部屋を暖めるのに時間がかかりますので、保管にも気をつけましょう。
石油ストーブの導入費用・燃料費と比較
石油ストーブは灯油を用いて、壁際に設置する反射式、全方向から熱を放出する輻射式などがあります。ちなみに木造12畳、コンクリート17畳に対応するタイプのストーブは輻射式で、1台の価格は4万円前後です。
石油製品価格調査によると、2024年1月15日時点の灯油1リットルの値段は、116.8円です。例として、この木造12畳、コンクリート17畳用のストーブを1時間使用した場合の灯油の料金は、次の通りです。
116.8円(灯油1リットルの値段)× 0.45リットル(1時間あたりの燃料消費量)= 約52.56円
1日10時間使用すると1日約526円のため、1ヶ月では約1万5780円になります。薪ストーブと同様にひと冬4ヶ月で計算すると、約6万3120円です。
薪ストーブ1台は、仕切りのないLDKだと、25畳程度は暖めることが可能です。しかし、同じ25畳の部屋に石油ストーブを置く場合は、木造12畳相当の石油ストーブを2台以上設置しなければ、部屋は暖まりません。
使用する灯油の量を2倍から3倍とすると、約12万6000~19万円の灯油代が必要になります。広い部屋で石油ストーブを使用する場合、薪ストーブと燃料費だけを比べると、大きな差はありません。
まとめ
今回は、薪ストーブと石油ストーブの導入費用と燃料費を比較しました。薪ストーブのデメリットは、薪の管理が面倒なことと、部屋が暖まるまでに時間がかかることです。
メリットとしては、とにかく見た目がよい、料理の温めなおしなどはコンロを使わなくてよい、オーブンでローストチキンやピザが焼けるので料理の幅がひろがる、などが挙げられます。
薪ストーブの導入は、メリット・デメリットをよく考えたうえで検討してみてください。
出典
経済産業省 資源エネルギー庁 石油製品価格調査 調査の結果 1.給油所小売価格調査(ガソリン、軽油、灯油) <調査結果>
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー