年金の大きすぎる「世代間格差」の「残酷すぎる現実」…「家1軒分」に相当する格差があった! | ~たけし、タモリも…「1日1食」で熟睡&疲れナシ~

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老後の生活には、いくら必要になるのだろうか。

日本中に激震が走った「老後は2000万円が必要」という金融庁の報告書は、残念なから全くの現実である。

 

そして若者や現役世代を中心に年金制度そのものに不信感が募っている。年金の支払額に世代間格差があるのは現前たる事実であり、その財源も20年から30年後には枯渇することが予測されている。

 

本記事では、前編〈「日本人が全員」買っている、「絶対に損」をする「金融商品」を知っていますか?​〉にひきつづき、年金の世代間格差についてくわしくみていく。

 

※本記事は島澤諭『年金「最終警告」』から抜粋・編集したものです。また、本書は2019年に上梓された本であり、示されているデータは当時のものです。

年金の真の世代間格差は5400万円

でも、年金額だけを見ていても意味がありません。なぜなら、貰える年金額以上に保険料を負担していると、トータルの収支では赤字になってしまうからです。

 

そこで、最近の経済状況を織り込んで、貰える年金額から保険料負担を引いた純年金額と、年金の収益率を世代別に試算した結果が表1です(※外部配信でお読みの方は現代新書の本サイトでご覧ください)。若い世代ほど衝撃を受けたことでしょう。

 

40歳(1978年生まれ)とそれより若い世代では、一生涯で貰える年金額を、払い込む保険料が上回っています。当然、収益率もマイナスです。40歳以下の世代から見れば、公的年金制度は払い損なのです。

 

ただし、それより早く生まれた世代では、払い損にはなっていないといっても、65歳(1953年生まれ)か45 歳(1973年生まれ)まではそれほど有利とはいえません。

 

45歳は年金収益率(支払った保険料総額に対する受け取る年金総額から支払った年金保険料総額を引いた純年金額の比率)は0.1%ですから、

 

銀行預金よりは有利な金融商品ですが、もう少しリスクの高い投資性商品よりは魅力が薄くなってしまいます。

 

だったら、年金など納めずに自分で資産運用した方がましだと思う読者もいるでしょう。いわゆる70歳の団塊の世代が損得で見た年金制度の分水嶺なのです。

 

さらに、0歳と90歳の間では、貰える年金額と払い込んだ保険料の差額である純年金額の世代間格差は5400万円となっています。

 

生まれた年の違いだけで、家1軒分、あるいは子ども2人の養育費分に相当する格差があるわけですから、到底許容できるわけがありません。少子化が進むわけです。

 

このように、公的年金は、若い世代に不利で不公平な制度です。

 

こんな格差を放置しておきながら、「若者の●●離れ 」(※1)と若者を批判し、少子化の責任を若者に擦り付ける政治家や行政、マスコミや高齢者に対して、若者はもっと怒っていいのです。積極的に怒りの声を上げましょう!

 (※1)●●のなかには、車、新聞、結婚、海外旅行など多種多様なものが入ります。

国も認める年金の世代間格差

実は、意外に思われるかもしれませんが、公的年金が生み出す世代間格差は、国も、しっかり認めているのです。もちろん、いろいろな留意点を列挙したうえですが。図 1をご覧ください。(※外部配信でお読みの方は現代新書の本サイトでご覧ください)

 

国の試算では、すべての世代で年金収益率はプラスとなっています。みなさん、得をする計算です。

 

なぜ、厚労省の試算で、年金収益率が すべての年代でプラスになったのでしょうか?

 

これは、厚労省の試算の前提では、賃金の伸び率や利回りが足元の数値よりも高く設定されているため、若い世代でも受け取れる年金額が多く試算されていることによります。

 

しかし、厚労省の試算でもわたしの試算と同様、やはり、世代によって収益率に大きな違いがあります。

 

70歳の6.1%が最高。しかし、世代を経るごとに低下し20歳では2.9%となります。このように、国も公的年金の収益率に世代間格差が存在することを認めているのです。

 

実際のところは、国は、「一番若い20歳でも払った以上に給付はあるんですよ。損はしません。

 

だから、安心して年金を納めてください」との宣伝材料として使いたかったのだろうと思います。しかし、図らずも世代間格差の存在を公式に認める結果になってしまったのは何とも皮肉ですね。